アンディ・ウィアー 『アルテミス』他感想…

 相変わらずの天候不順で、すっきりしない日々ですが、いかがお過ごしでしょうか。
 今回の分の紹介と感想です。

新刊
・アンディ・ウィアー   『アルテミス 上・下』      ☆4

コミックス
・中谷鳰         『やがて君になる 5』      ☆4

既刊
・小峰元     『アルキメデスは手を汚さない』              ☆3
・太田紫織    『櫻子さんの足元には死体が埋まっている 11,12』  ☆2.5
・坂木司     『子羊の巣』           ☆3.5
・――      『動物園の鳥』          ☆3
・高野和明   『K. N. の悲劇』          ☆3.5
・小路幸也   『HEARTBEAT』          ☆3.5
・――      『東京バンドワゴン』       ☆4



感想
『アルテミス』
 映画化もされた『火星の人』(映画名『オデッセイ』)の作者・アンディ・ウィアーの長編第二作。 今回の舞台は近未来の月、月面都市「アルテミス」。ポーターを生業としている女性・ジャズが引き受けたある仕事が、都市を巻き込む事件へと発展する。月面版『ミッション・インポッシブル』
 今回も面白い。前作の極限サバイバルのハラハラドキドキ感はないものの(舞台も設定も違うのだから当然)、ワクワク感は健在。宇宙空間、宇宙開発について知見、気づきもあり楽しめる。小野田さんの軽妙な訳文も合っていて、読みやすい。
 次回以降も続いていくようなので、そちらも楽しみ。

『やがて君になる』

 生徒会劇のシナリオの変更のその後の話。 生徒会劇そのものは次巻以降(掲載雑誌の方では開幕直前)。
 燈子に変わってもらいたい侑、それを裏切りの様に感じてしまう燈子。二人のやり取りに注目。燈子は我儘。
 今巻は他にも、侑と燈子の水族館デート、こよみの憧れの人との対面など。

『アルキメデスは手を汚さない』

 東野圭吾さんが帯を書いていたのを見て購入(作家を目指したきっかけになった一冊だとか)。
 70年代を舞台にした学園ミステリー作品。ミステリー作品としての出来は良くて、面白かったのですが、いかんせん舞台設定が古くて、読みにくい。ミステリー部分は今でもそう色褪せてはいないと思う。
 高校が舞台ではあるが、登場する高校生たちの会話の高校生らしからぬこと。当時を知らないが、あの頃はこんな感じだったのだろうか(「デカンショ節」の頃? )。 こうした違和感はあるものの、全体としては面白い作品だった。

『櫻子さん~ 蝶の足跡』、『櫻子さん~ ジュリエットの告白』
 正太郎君の青臭さにうんざりして離れていた作品ですが、ひさびさに続きを購入。 結局まだ青臭い「正義」談義を繰り返していてまたウンザリ。
 「骨をめぐる事件の謎を解くミステリー」という当初のコンセプトは忘れられたのか…。 「骨から謎を解く」という部分が好きで読んでいた作品なので、ここ数作は本当に面白くない。

『子羊の巣』、『動物園の鳥』
 「ひきこもり探偵シリーズ」の第二、第三作。
 第一作『青空の卵』にて、すぐに泣くワトソン役の男(大の大人)が受け入れがたく、こちらも離れていた作品。二作目、三作目になったせいか、落ち着いていて前作より面白く読めた(ワトソン役の男:坂木司は泣いているが)。
 ひきこもり探偵こと、鳥井真一の鮮やかな推理と引き籠りからの脱出への成長ぶりが見どころ。 人情味もあってますます面白い作品になっていたと思う。

『K. N.の悲劇』
 『ジェノサイド』の作者さんの昔の作品。 予期せぬ妊娠と中絶の狭間で苦しむ女性と、彼女の夫、精神科医の戦いを描く。
 多重人格をモチーフにした作品ですが、病気をメインにしただけでなく、心霊現象というかミステリアスな部分も付加した変化球的な作品。その点、病気そのものに取り組んだ『症例A 』などとは違う。
 ミステリアスな部分を是とするかどうかで評価が分かれると思われるが、個人的には特に気にはならなかった。

『HEARTBEAT』
 優等生の委員長と不良少女の淡い恋。高校生の時に交わした約束を果たすために10年後の今、N.Y.から帰ってきた青年と、彼の「相棒」が織りなす物語。 ミステリー作品。
 ミステリー作品だが、青春ものとしても面白かった。個々の登場人物たちがそれぞれ活き活きと動いて、終始飽きなかった。一方で、若干、色々と要素を詰め込み過ぎな気もする。個人的には最終盤のある趣向というか、仕掛けは要らないように思った。

『東京バンドワゴン』
 下町の古本屋「東京バンドワゴン」を舞台にいたホームドラマ。以前ドラマ化もされた有名作(らしい。ドラマは観ないので)。
 老舗古本屋を営むのは8人の大家族。家族がまたみんな個性的で、素敵。語りてのサチさんに至っては幽霊だし(笑) 話は、この大家族が巻き込まれる様々な出来事・事件を通して、堀田家の人間模様を描く、ザ・ホームドラマ。登場人物が多くて、最初は大変ですが、慣れればどうってことはなく、スラスラ読めます。というより、話が面白くて作品世界に引き込まれ、気にならなくなる。
 続巻も購入して、読書中。 おススメ。


 今回はこんなところです。
 それではまた次回。
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赤坂アカ 『かぐや様は告らせたい8』他感想…

 今回の分の紹介と感想です。

新刊
 コミックス
・赤坂アカ     『かぐや様は告らせたい 8』     ☆4
 ラノベ
・葵せきな     『ゲーマーズ 9』      ☆3.5

既刊
・今村彩      『ルームメイト』        ☆3.5
・――        『七人の中にいる』      ☆3.5
・長江俊和     『出版禁止』         ☆4
・岸田るり子    『密室の鎮魂歌』      ☆4
・藤木稟      『バチカン奇跡調査官 血と薔薇と十字架』  ☆3.5


感想


『かぐや様~』
 今回も面白かった。 前巻から登場の新キャラ・伊井野ミコを加えての、新生生徒会で送る新刊。 かぐや様は相変わらずゲスイ…。

『ゲーマーズ』
 刊行日がどんどん伸びてやっと今月刊行。 原稿を落としたのではなく、本編のイベントの時期を合わせたものと好意的に解釈。
 このはの策略により、千秋に自分の思いを知られてしまったケータ。その後の二人は…。といったところですが、素直に話は進まず、謎の新キャラ登場とアグリさんにより事態は混迷の度合いを増す。 どうなるのか…。

『ルームメイト』
 最近ハマって読んでいる今村彩さんの本。 ミステリー作品。
 上京後、とある事情から同性との同居生活を始めた主人公・春海。しかし同居人は唐突に失踪。彼女の後を追っていくうちに次々に明らかになっていくのは、自分の知らない彼女の顔だった。彼女はいったい何者なのか。
 次々に提示される謎と事実のスピーディーでサスペンスフルな展開で読ませる。正直、今ではちょっとネタが古い感じはするものの面白く読める。

『七人の中にいる』

 ペンションのオーナー晶子のもとに突如送り付けられた復讐予告。過去の罪を糾弾するのは、常連客のうちの誰なのか。 客の一人で元刑事の男と、主人公・晶子の二人の視点で語られる時限サスペンス
 オチがよくあるものだったのが残念なところ。二転三転する展開は面白かった。

『出版禁止』
 出版禁止となったルポルタージュの原稿をめぐるミステリー
 ルポは、有名作家と心中の果てに生き残った女性へのインタビュー。愛の果ての心中とは何かがテーマ。彼女の生還は偶然か、それとも意図したものだったのか…。その真相にたどり着いた時、ルポライターが見たものとは。
 とにかくすごい作品。各所に仕掛けが施されていて、初見で全て見抜けたら素晴らしい。こういうイタズラ心満載な作品も珍しい。ちょっと稚気が過ぎるのもありますが、そこはご愛敬。

『密室の鎮魂歌』
 密室に次ぐ密室、な密室尽くしのミステリー
 密室から忽然と失踪した男、彼の行方は『汝、レクイエムを聞け』という絵に秘められているというのだが。
 作中に多々登場する密室が、単なる見世物・お飾りとしてあるのではなく、個々に意味を持たされて作品に組み込まれているところに好感が持てる。 
 密室の謎、絵画の謎、事件の謎。魅力的な謎に満ちた鮎川哲也賞受賞作

『バチカン奇跡調査官』
 今回の奇跡調査対象は、吸血鬼の謎。
 誰もが知る『吸血鬼ドラキュラ』の作者、ブラム・ストーカーも登場。というか、吸血鬼の謎の一部として登場。
 毎回テーマが違うので面白い。


 今回はこんなところです。
 それではまた次回。

川瀬七緒 『メビウスの守護者』他感想…

 新年最初の紹介となります。 今年もよろしくお願いします。
 昨年末から溜まっていたものの紹介です。


新刊
・川瀬七緒        『メビウスの守護者』       ☆4

・青山剛昌        『名探偵コナン 94』       ☆3

既刊
・麻見和史        『聖者の凶数』           ☆3
・――           『女神の骨格』           ☆3.5
・乾ルカ          『メグル』               ☆3.5
・紀田順一郎       『古書収集十番勝負』       ☆3
・倉知淳          『日曜の夜は出たくない』     ☆4
・鳥飼否宇         『樹霊』               ☆3
・内藤了          『猟奇犯罪捜査班 BACK』   ☆2.5
・道尾秀介         『球体の蛇』            ☆3.5

・大森望編    『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』 ☆4.5
・ディクスン・カー     『不可能犯罪捜査課』       ☆3.5
・P. コーンウェル     『遺留品』              ☆3

・内澤旬子        『センセイの書斎』          ☆3


感想


『メビウスの守護者』
 「法医昆虫学」シリーズ第4弾。発売は一カ月前ですが、一応新刊。
 今回は司法解剖所見と、法医昆虫学による死亡推定が異なる結果となり、捜査が分裂。死亡推定時期の誤差が意味するものとは。と、王道の警察もののストーリー。
 個人的には、今回の犯人の造詣がとても良かった。動機の突飛さ、言い訳のごとく犯行動機を語ることなく、淡々とした様子といい、なかなか素敵。

『コナン』
 剣道事件の解決編と修学旅行編を収録。コナン、新一に戻りすぎじゃあ…。
 100巻の大台まであと少しですが、作者病気療養のため長期休載とな。早期の回復を祈ります。

『聖者の凶数』、『女神の骨格』
 数字が書かれた損壊遺体の謎を追う『聖者の凶数』、火災現場から発見された男性と女性のものが入り混じった白骨遺体の謎を追う『女神の骨格』。
 『聖者~』は、犯罪動機といい真相といい、色々とやるせない話。献身というか、贖罪。
 『女神~』は、複雑怪奇な事件がすっきりと片付いていく様が見事。こちらの献身ぶりもすごい。

『メグル』
 大学の女性職員から紹介されるアルバイトを巡る不思議な話。ファンタジックな短編集。
 「ヒカレル」、「タベル」の二編が面白かった。 「ヒカレル」は、ホラーチックな人情噺。「タベル」は、ものを食べることの幸せを感じられる話。

『古書収集十番勝負』
 神保町の古書店の遺産相続権を得るために与えられた試練は、希少な十冊の古書を収集すること。古書を題材にしたビブリオミステリー。 古書を巡る収集家たちの悲喜交々が面白い。

『日曜の夜は出たくない』
 神出鬼没、謎の猫丸先輩を主人公に据えたミステリー短編集。
 猫丸先輩の推理の冴え具合もイイ感じながら、何より彼の「謎の人物」っプリが凄い。探偵キャラの濃さに負けないストーリーも最高でした。『星降り山荘の殺人』とは異なる、王道の?ミステリーでした。『星降り~』も面白かったですが。

『樹霊』
 北海道は、アイヌの里の移動する樹木の謎と殺人事件を追うミステリー。アイヌ文化や民族問題に切り込んだ社会的な部分も
 語り手と探偵役が別なので、解決編があっさりと処理され過ぎな様な気も。 あらすじから想像するような、ファンタジックな要素はなく、真っ当なミステリーなところは良かった。

『BACK』
 特殊病院での入院患者大量殺人事件を追う。
 なんだか「国際的犯罪者組織」とか出てきて、ますますウンザリしてきましたが、私だけでしょうか…。

『球体の蛇』
 面白かった。ミステリーかと思いましたが、むしろ人間小説。 「嘘」と「過ち」の連鎖が導く人生の陥穽とは…。 一読をお勧めします。
 テレビに出演するのもイイですが、どんどんイイ作品を書いて欲しいです。


『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』
 時間をテーマにしたSFアンソロジー。 収録作はどれも名品ですが、個人的には以下の作品が特に気に入る。
 アラビアンナイトと時間SFの融合「商人と錬金術師の門」、時間凍結により引き離された恋人たちの悲劇を描く「限りなき夏」、タイムトラベルを使った奇妙な恋愛を描く「彼らの生涯の最愛の時」、場所による時間経過の速さの違いを使った悲劇「旅人の憩い」、人生を飛び飛びに生きる男女の奇妙な恋愛模様を描く「ここがウィネトカなら、きみはジュディ」
 タイムトラベルものがお好きな方には一読を強くお勧めします。

『不可能犯罪捜査課』
 ロンドン警視庁不可能犯罪捜査課マーチ大佐の活躍を描く短編集(マーチ大佐もの以外も収録)。 カーの怪奇趣味もいかんなく発揮された名短編集。カーって、短編もうまいんですね。
 マーチ大佐ものは推理の妙を楽しめた。それ以外では「めくら頭巾」(原題ママ)がよかった。

『遺留品』
 ケイ・スカーペッタシリーズ第三弾。
 ケイを捜査から遠ざけようとしているかのように振舞うFBIと、被害者遺族からのプレッシャーに板挟みになり、追いつめられるケイ。さらにはワシントンポストの記者で友人の女性も現れて…。


『センセイの書斎』
 本を生み出す現場、その持ち主に迫るイラストルポ。 人それぞれ、色々な書斎の在り方があるもの。綺麗な部屋もあれば汚部屋も…。 ただ、一回一回の記事は短いので、少々物足りない気も。
 同じ作者さんの『世界屠畜紀行』も面白いのでそちらもぜひ。動物を食べるということについて今一度考えさせてくれる名イラストルポ。



 今回はこんなところです。
 他には、植芝理一『謎の彼女X』(1∼8巻≪まだ全巻揃えていない≫)、黒田bb『Aチャンネル』(1∼8巻≪既刊全巻≫)などを買って読んでいました。 どちらも面白い。

 そういえば、今月は葵せきな『ゲーマーズ!』、仲谷鳰『やがて君になる』最新刊が刊行されるのでそちらも楽しみ。

 話は変わりますが、上で紹介した「彼らの生涯の最愛の時」(『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』収録)は、『僕は明日、昨日の君とデートする』という本の元ネタ(本歌取りの本歌)なのかなぁと思いました。

以上余談でした。
それではまた次回。
 

迎春

新年明けましておめでとうございます。

旧年中は、拙い当ブログを訪問、記事を読んでくださりまことにありがとうございました。

本年もマイペースながら、更新を続けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。




三津田信三 『凶宅』他感想…

 すっかり寒くなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
 炬燵にすっぽりと入って本を読むのは至福ですが、寒いのは嫌です。
 
 それでは、今回の分の紹介と感想です。

新刊
・三津田信三     『凶宅』              ☆3.5
・小川哲        『ユートロニカのこちら側』   ☆3.5

既刊
・乙野四文字     『僕が愛したすべての君へ』  ☆3.5
・――          『君を愛したひとりの僕へ』   ☆3
・今邑彩        『そして誰もいなくなる』     ☆4
・城平京        『名探偵に薔薇を』        ☆3.5
・内藤了        『猟奇犯罪捜査班 ZERO』   ☆3
・――          『猟奇犯罪捜査班 ONE』    ☆2.5
・太宰治        『走れメロス』            ☆3.5


感想


『凶宅』
 久々の三津田作品。『禍家(まがや)』に続く「家」シリーズの第二作品。 引っ越した先の新しい我が家にはナニカがいる。憑かれた家に住むことになった子供の家族を守る戦いを描く。 なお、第三作は単行本で12月21日発売とのこと。
 嫌~な、嫌~なお話でした。今回は特に、最後のやるせなさが…。あんなに頑張ったのに。主人公と友人の少年との解決を求めての奮闘は、『学校の怪談』のようで面白かった。 婆さんが怖いw

『ユートロニカのこちら側』
 SF作品。 ユートピア社会の光を影を、複数人物の視点から描き出す。
 個人的には3話目と4話目が気に入る。 が、どれももうひと押し足りないような話が多かった。「だからどうした」と。そこからもう少し掘り下げてみて欲しかった。 あとは徐々に明かされていくユートピア社会「アガスティア・リゾート」が、どこかで見たモノの焼き直しでしかなかったように思われるところも残念。とくに『PSYCHO PASS』に近しいものを感じた。
 二作目(『ゲームの王国』)が発売されているのですが、単行本上下二冊を買うのはためらう。

『僕が愛したすべての君へ』、『君を愛したひとりの僕へ』
 並行世界が実証され、行き来さえする世界でのラブストーリー。
 『君を愛したひとりの僕へ』は、『僕が愛したすべての君へ』よりも面白さが落ちる。
 『僕が~』が、パラレルワールドが実在する世界でのラブストーリーを正面から扱い、素直に面白い。
 『君を~』は、『僕が~』と世界観、主人公、登場人物のほとんどを重ねつつ、ストーリー展開を変えてある「並行世界的な別展開の世界」の話。なので、『僕が~』を楽しんだ身としては『君を~』はイマイチ。ストーリーも、ドキドキもワクワクもなく、淡々と進む。さらには主人公の独善的な性格が宜しくない。『僕が~』も大概といえば大概だが、まだあちらは可愛げがある。
 読むのなら時間を空けて両方を読むか、『僕が~』のみがおススメかと。

『そして誰もいなくなる』
 ご存知クリスティーの『そして誰もいなくなった』を本歌取りした作品。
 学校の式典で、『そして誰もいなくなった』を上演中、舞台上で生徒が実際に死亡する。それに続くかのように、筋書き通りに次々と演劇部の生徒が殺されてゆき…。 とまあ、クリスティー作品の様に展開していくわけですが…。というところが見どころ。 
 本家『そして誰もいなくなった』を読んだことがなくとも楽しめるかと思います。読後の感想だと、坂口安吾『不連続殺人事件』も思い出してみたりしました。

『名探偵に薔薇を』
 不気味な童話『メルヘン小人地獄』を軸に展開される事件を中心にして、時間軸の前後という珍しい形の二部構成をとったミステリー。
 『虚構推理』の作者さんのデビュー作ですが、本作は王道の推理もの。
 構成の妙も面白さを増していますが、事件解決に至るまでの推理パートも見事でした。探偵役のシニカルな雰囲気もイイ味を出してる。第二部の事件の背景と、『メルヘン小人地獄』にまつわるあれこれのエグさを除けば最高でした

『猟奇犯罪捜査班』

 暫くご無沙汰だったシリーズものの続編。 個人的にどうも好ましくない方向に向かっていそうだったので、寝かせて置いたシリーズが、中古で発見したので読んでみた。 犯罪の猟奇性にばかり注力しすぎて、警察小説の部分、ミステリー的な部分がおろそかになっていませんか、と。
 まぁ、そのとおりでしたが。 依然捕まえた連続殺人鬼、バッファロー・ビルみたいな犯人が脱獄したという展開があったものの、最後にあっさりと退場するという微妙さ(お粗末さとは言うまい)。

『走れメロス』(新潮文庫版)
 といいつつ、併録作の『女生徒』が読みたいがために買った本
 『女生徒』が読みたかったのは、以前紹介した北村薫『太宰治の辞書』で取り上げられていて、なおかつ未読だったから。
 太宰のもとの送られてきたある女子学生からの手紙をもとに書いたためか、文体が太宰っぽくない。が、そこに面白みを感じて読むことにした作品。軽妙だけれど軽佻ではない、独特な独白文が面白かった。
 因みにほかの収録作は、『富岳百景』、『東京八景』、『駈け込み訴え』、『ダス・ゲマイネ』、『満願』、『帰去来』、『故郷』。


 今回はこの辺で。
 それではまた。
プロフィール

ゆーいち

Author:ゆーいち
ゆーいちです。

このブログでは特にジャンルを絞らず、自分が読んだ作品の感想を書いていこうと思います。
記事中の作品についての評価は、おススメ度と見てください。

出来るだけ週一程度のペースで更新していきたいと思います。

よろしくお願いいますm(- -)m

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