米澤穂信  『真実の10メートル手前』他感想…

 今回の分の紹介と感想です。 またまた間が空いてしまい済みません(;´Д`)

新刊
・米澤穂信   『真実の10メートル手前』             ☆4
・櫛木理宇   『ホーンテッド・キャンパス 墓守は笑わない』 ☆3
・早瀬耕    『プラネタリウムの外側』              ☆4

ラノベ・コミックス
・丸戸史明   『冴えない彼女の育て方Memorial』       ☆4
・鏡貴也    『終わりのセラフ 16』               ☆4
・画・矢吹健太郎 『ダーリン・イン・ザ・フランキス 1』      ☆3.5

既刊

・八木圭一   『一千兆円の身代金』    ☆3
・辻堂ゆめ   『いなくなった私へ』      ☆3
・林譲治    『ウロボロスの波動』     ☆3.5
・笹本祐一   『カーニバル・ナイト』     ☆4
・――      『ラスト・レター』        ☆4
・早瀬耕    『未必のマクベス』       ☆4.5
・原田マハ   『楽園のカンヴァス』      ☆4
・市川拓司   『ねぇ、委員長』        ☆3.5
・大村友貴美  『霧の塔の殺人』       ☆2.5
・プリ―モ・レーヴィ 『天使の蝶』       ☆3.5


感想

『真実の10メートル手前』
 『さよなら妖精』、『王とサーカス』の太刀洗万智を主人公に据えた短編集。ジャーナリストとして真摯に事件に向かい合う彼女の姿勢には好感が持てますし、取材の過程で、事件が当初とは異なる様相を呈していく様も非常に面白い
 一方で、彼女の自罰的に過ぎる傾向には危うさを感じる。「ナイフを失われた思い出の中に」で、多少なりとも解消されていればいいのだが。なお、この話には『さよなら妖精』のマーヤの兄が登場。

『ホーンテッド・キャンパス』
 通常営業。帯は煽っていますが、特にいつもより怖いということはない。表題作でもある「墓守は笑わない」が、おススメ。

『プラネタリウムの外側』
 SF連作短編集。「有機素子コンピューター」により、失われた人との会話を再現する仕組みを考案した南雲助教授と、彼に依頼する人々を通して、仮想と現実、恋愛を描く。 表題作となる「プラネタリウムの外側」と、それに続く関連作(「忘却のワクチン」、「夢で会う人の領分」)がおススメ。

『冴えない彼女の育て方』

 発表済みの店舗特典SSを収録したファンブック。他にはキャラクター紹介、作者・絵師のインタビューなど。高校受験時のエピソードを語る書下ろし小説も併録。差し絵が完全に事後ですたい。

『終わりのセラフ』
 キ・ルク戦決着。蘇る変態と、新章。だんだんと謎が明かされていくのかな。

『ダーリン・イン・ザ・フランキス』
 アニメ作品のコミカライズ作品とのこと。PVを見たら面白そうだったので購入。ロボットものだが面白い(個人的にはあまりロボットものは好きではない)。『グレンラガン』とかの人たちが関わっていた気が(記憶が曖昧)。

『一千兆円の身代金』
 社会派ミステリー。 インパクトは抜群だが、若干荒唐無稽な感も否めない。憂いはヒシヒシと伝わってくるが、犯人の思考は極端。誘拐事件(子供一人の誘拐)と身代金の額(憂国の部分)との落差がありすぎる。無差別テロ(国民全員が人質)と一千兆円ぐらいなら、つり合いがとれたのでは。 語り手を変えて、物語を様々な視点から語る手法は作品に合っていて面白さを増していた。

『いなくなった私へ』

 「死んだ記憶がないのに死んだことになっている」状況の謎を解くミステリー。作中に挿入されている「謎」の核心となるあるモノに関わる挿話は不要だと思った。それがなぜそうなのかを説明しないのなら、ただ邪魔なだけで、作品の雰囲気を乱している気がする。 ストーリーは奇抜で面白かっただけに残念。

『ウロボロスの波動』
 宇宙に進出した人類の宇宙開発の様子を物語るSF短編集。きちんとした説明もなくどんどん繰り出される用語に面食らうかもしれませんが、それさえ乗り越えれば楽しめる。仮に分からずとも楽しめるし、ストーリーに引き込まれる。

『カーニバル・ナイト』、『ラスト・レター』

 前回紹介したので、省略。実は『ラスト・レター』は前回の時点では読み終えていなかったのでした(*_*;
 非常に面白かったが、ラストシーンが…。

『未必のマクベス』
 『プラネタリウムの外側』が面白かったので前作を購入。最高。 犯罪小説にして恋愛小説。帯にある「読後、ただ立ち尽くした」、「本の形をしたラブレター」の文句は嘘ではなかった。 未読の方は是非。
 出向先の香港の会社で待ち受けていた陥穽に主人公と友人が立ち向かっていく様に手に汗を握り、胸を躍らせる。一方で通奏低音のように流れる忘れられぬ初恋の人への思いと、『マクベス』。綺麗に組み合わさって、結末へと向かう。終盤は一気に読まされる。

『楽園のカンヴァス』

 ルソー『夢』を巡る美術ミステリー。 作品の背景(時代、関係者)を丁寧に描き出すことで、面白味が増している。また、事実と虚構、過去と現在を交互に描き出す手法で、作品の真の姿が徐々に明らかにされていく手法が見事だった。
 美術に興味はなくとも、ミステリーとしても面白い作品。

『ねぇ、委員長』
 恋愛小説。短編二編と、表題作の中編一編の三編を収録。 不良と委員長のような、ギャップのある恋愛関係、壁のある恋愛模様を描く。 いずれも似た傾向の作品。

『霧の塔の殺人』
 以前紹介した『死墓島の殺人』に続く作品。 横溝的世界観の作品と言われていますが、特にそんな感じがしないのは、前作と同じ。 ミステリーとしては、唐突に解決された感。終盤まで新たな展開で広げて引っ張りながら、最後に一気にまとめた感じが。

『天使の蝶』
 自身の体験をもとにした『アウシュビッツは終わらない』で知られる作家の、科学知識を生かした幻想短編集。 毒というか、人間を冷徹に見通した言葉が魅力。科学の光だけではなく闇も描く。


 長くなりましたが、今回はこんなところです。
 『未必のマクベス』、『楽園のカンヴァス』がとても面白い。
 早瀬耕さんは、4月18日にデビュー作が復刊されるのでそちらも楽しみ。

三津田信三 『誰かの家』他感想…

 今年も花粉症が辛い季節がやってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 飛散量は少ないそうですが、目鼻にはキます。 薬のおかげで、何とか凌げていますが、花粉の季節が早く終わるといいです。
 そんなこんなで、久々の更新ですが、今回の分の紹介と感想です。


新刊
・三津田信三      『誰かの家』             ☆3.5
・森博嗣         『血か、死か、無か?』        ☆3.5
・澤村伊智        『ぼぎわんが、来る』        ☆4
・河野裕         『夜空の呪いに色はない』     ☆3.5
コミックス
・濱田浩輔       『はねバド! 12』           ☆4

既刊
・山本弘        『神は沈黙せず 上・下』       ☆3.5
・笹本祐一       『妖精作戦』              ☆3.5
・――         『ハレーション・ゴースト』        ☆4
・――         『カーニバル・ナイト』          ☆3.5
・――         『ラスト・レター』             ☆3.5
ラノベ
・川上稔        『境界線上のホライゾンⅩ(中)』   ☆4
・――          『境界線上のホライゾンⅩ(下)』    ☆4


感想

 『誰かの家』
 怪談形式で送る、ホラー短編集。「作家シリーズ」、「家シリーズ」のように、日常の延長線上にある恐怖を切り取った6篇。
 パニックホラーとは違って、ぞくりとする正統派怪談の趣。
 「ドールハウスの怪」、「御塚様参り」が気に入る。「あとあとさん」の四谷怪談考も面白い。

『血か、死か、無か?』

 「Wシリーズ」第8弾。「人間を殺した最初のAI」との対話を巡る話。時を同じくしてナクチュから一体の遺体が盗み出される。
 今回は、「百年シリーズ」との繋がりが見えてきた回。既出シリーズとの繋がりが見えてくるのは、楽しい。「百年シリーズ」は、登場人物の名前が思わせぶりなくせに、他作品から浮いていたように思っていたので、今回ですっきりしたw
 シリーズ未読でも楽しめるとは思います。

『ぼぎわんが、来る』

 ホラー作品。非常に面白かった。
 三章構成になっており、始まりは正当はホラー物語として始まる。ところが二章では、一章で見た景色が一変し、その様相がまるっきり逆転する。最後の三章では、二章での怒涛の展開の勢いのままに解決へと突き進む。
 ストーリーテリングが見事なうえ、上記の様な構成の妙もあり、ちっとも読み飽きないし、ダレない。非常に面白いホラー小説だった。三章の若干非現実的な部分が気に入らない人もいるかもしれないが、作品全体としては調和がとれているので別に構わないと思う。

『夜空の呪いに色はない』
 「階段島シリーズ」久々の新刊。
 大地を救うべく、奮闘する七草たち。安達と真辺との対立と、七草の「帰還」。窮地に立たされる魔女・堀と、先代魔女・時任とのやり取りの内に明かされる、「魔女の呪い」とは。「大人になる」とは何か。
 やはり堀ちゃんが可愛い。

『はねバド!』
 益子との試合に決着。 なぎさ対コニーもいよいよ本気モードへ。 追い詰められたなぎさに逆転の芽はあるのか。
 雑誌上だと、コニーが変態化してて笑った。

『神は沈黙せず』

 数々の実際に報告されたオカルテックな事象(UFO、超能力、超常現象)などから、理論的に導出可能な神の姿を描き出すSF作品。
 作中で徐々に神の実在が推測・証明されていく様は楽しめる。が、結果明らかにされた「神」の姿は、何の面白みもないかと。『マトリックス』、『フェッセンデンの宇宙』などの他作品のアイデアを足してみた感じ。「現実が何らかのシミュレーションかもしれない」という話。
 結論と作中での未来予測(刊行は2003年)の陳腐さは別にしても、神の正体を明らかにするというミステリー趣向のストーリーは面白かった。

『妖精作戦』、『ハレーション・ゴースト』、『カーニバル・ナイト』、『ラスト・レター』(いずれも創元SF文庫版)
 学園SF作品。「ライトノベルのはしり」とも言われる四部作(『妖精作戦』の刊行は1984年)。 学園もの、SF(超能力、異星人)、ミリタリー(兵器、乗り物)、秘密組織と、様々なネタをこれでもかと詰め込んだ作品。
 活き活きとしたキャラクターたちの個性と、彼らが織りなすドタバタ劇が魅力の作品。現在でもその魅力はそれほど色褪せてはいないと思う。
 以降の作品や作家への影響の度合いは、各巻の解説(有川浩、小川一水、谷川流)に詳しいかと。

『境界線上のホライゾンⅩ(中)、(下)』
 対羽柴総力戦の一つの結果と、その後の再起の話。
 下巻では、とある事情から死んだトーリを蘇らせるため、浅間とミトがあの世で1501回を致す。長年ためていたせいか、ハッスルしすぎです(前準備も含めてだが200Pほどが費やされるとか…。あと、あのイラストはアウトでは)。
 ともあれ、物語のクライマックスに向けての準備が整ったようで、あとはどんな結末になるのかが楽しみ。十本槍の皆の残念も解消されたみたいだし。トーリとホライゾンの子の正体も明らかになりました。


 『ぼぎわんが、来る』が期待通りの面白さで良かった。
 最近読むペースが落ちて来ているので、頑張りたいと思う。
 それではまた次回。

宮下奈都 『羊と鋼の森』他感想…

 更新が遅くなりまして、すみません。
 今回の分の紹介と感想です。

新刊
・宮下奈都     『羊と鋼の森』              ☆3

コミックス
・末次由紀     『ちはやふる 37』            ☆3.5
・いみぎむる    『この美術部には問題がある 9』   ☆4
・山本崇一朗   『からかい上手の高木さん 8』     ☆4


既刊
・鮎川哲也    『黒いトランク』         ☆4
・堀江敏幸    『雪沼とその周辺』      ☆3.5
・小路幸也    『東京バンドワゴン 2∼10』 ☆4


感想

『羊と鋼の森』
 2016年度本屋大賞受賞作。 ということで楽しみにしていた文庫化でしたが(単行本は未購入)、個人的にはそれほど楽しめず。「静謐な筆致で描く感動作」と紹介されていますが、文体と主人公の性格とがともに恬淡としているので、淡々と物語が進んでいった感触。 盛り上がりに若干欠けるかと。成長物語としてのカタルシスが薄いかもしれない。

『ちはやふる』
 予選準決勝、ちはや VS. 理音、太一 VS. 須藤戦決着。 盛り上がる二人の横で、田丸(妹)が勝ち残っていた(笑)
 東日本予選を共に通過し、舞台は挑戦者決定戦へ。 太一決意の断髪(一気に幼くなった…)。

『この美』
 ミス文化部ヒロインコンテストを始め、片想いが駄々洩れ中な宇佐美さんの日常。 久々の「すば子」も出るよw
 「ミス∼ヒロインコンテスト」って、冗長だな。

『高木さん』
 高木さんの「攻め」が強くなっている気がする。 今回は、時節柄かバレンタイン回を収録(2月14日発売[奥付表記])。

『黒いトランク』(創元推理文庫版)
 二つのトランクの謎と鉄壁のアリバイ崩しをメインに据えた、ミステリー作品。
 アリバイ崩しのための推理の精緻さが魅力。細やかな気配りが行き届いていて、無理がない。論理的な推理小説が好きな人は好きだと思う。 類似作品(クロフツ『樽』)があるそうだが、そちらも気になる。

『雪沼とその周辺』
 タイトルそのままの、雪沼という土地のその周辺で生活する人々の何気ない日常を切り取った連作短編集。 とは言っても、短編間の連絡はほとんどない。
 閉店日を迎えたボウリング場の老店主が、最後の客に1ゲームをプレゼントする「スタンス・ドット」、イラクサのスープを得意とした料理教室先生を回顧する「イラクサの庭」、魅力あるレコードショップを営む小柄な店主を描く「レンガを積む」が気に入る。

『東京バンドワゴン』
 前回紹介した1巻を気に入ったので、続編を読む。
 一巻で一年が経過するので、巻を経るごとに登場人物も年を取り、人間関係も変化していくのが良かった。固定された時間ではなく、この世界のどこかに実在しそうな気がしてくる。 読み進めるほどに、親戚の様な親しみが持ててくる。
 出会いもあり別れもある。嬉しいことも悲しいこともあるけれど、それが「LOVEだねぇ」。
 実は5巻と8巻が欠けているので、そちらも読みたいところ。


 今回はこんなところです。
 24日発売の、澤村伊智『ぼぎわんが、来る』、森博嗣『血か、死か、無か?』を購入したので読む。
 円城塔『プロローグ』、『エピローグ』、東野圭吾『ラプラスの魔女』も気になるが、円城塔は合ったり合わなかったりするので保留中。『ラプラス~』はあらすじを見る限りイマイチな気がして保留中。
 『ぼぎわん』は楽しみ。

 それではまた次回。

アンディ・ウィアー 『アルテミス』他感想…

 相変わらずの天候不順で、すっきりしない日々ですが、いかがお過ごしでしょうか。
 今回の分の紹介と感想です。

新刊
・アンディ・ウィアー   『アルテミス 上・下』      ☆4

コミックス
・中谷鳰         『やがて君になる 5』      ☆4

既刊
・小峰元     『アルキメデスは手を汚さない』              ☆3
・太田紫織    『櫻子さんの足元には死体が埋まっている 11,12』  ☆2.5
・坂木司     『子羊の巣』           ☆3.5
・――      『動物園の鳥』          ☆3
・高野和明   『K. N. の悲劇』          ☆3.5
・小路幸也   『HEARTBEAT』          ☆3.5
・――      『東京バンドワゴン』       ☆4



感想
『アルテミス』
 映画化もされた『火星の人』(映画名『オデッセイ』)の作者・アンディ・ウィアーの長編第二作。 今回の舞台は近未来の月、月面都市「アルテミス」。ポーターを生業としている女性・ジャズが引き受けたある仕事が、都市を巻き込む事件へと発展する。月面版『ミッション・インポッシブル』
 今回も面白い。前作の極限サバイバルのハラハラドキドキ感はないものの(舞台も設定も違うのだから当然)、ワクワク感は健在。宇宙空間、宇宙開発について知見、気づきもあり楽しめる。小野田さんの軽妙な訳文も合っていて、読みやすい。
 次回以降も続いていくようなので、そちらも楽しみ。

『やがて君になる』

 生徒会劇のシナリオの変更のその後の話。 生徒会劇そのものは次巻以降(掲載雑誌の方では開幕直前)。
 燈子に変わってもらいたい侑、それを裏切りの様に感じてしまう燈子。二人のやり取りに注目。燈子は我儘。
 今巻は他にも、侑と燈子の水族館デート、こよみの憧れの人との対面など。

『アルキメデスは手を汚さない』

 東野圭吾さんが帯を書いていたのを見て購入(作家を目指したきっかけになった一冊だとか)。
 70年代を舞台にした学園ミステリー作品。ミステリー作品としての出来は良くて、面白かったのですが、いかんせん舞台設定が古くて、読みにくい。ミステリー部分は今でもそう色褪せてはいないと思う。
 高校が舞台ではあるが、登場する高校生たちの会話の高校生らしからぬこと。当時を知らないが、あの頃はこんな感じだったのだろうか(「デカンショ節」の頃? )。 こうした違和感はあるものの、全体としては面白い作品だった。

『櫻子さん~ 蝶の足跡』、『櫻子さん~ ジュリエットの告白』
 正太郎君の青臭さにうんざりして離れていた作品ですが、ひさびさに続きを購入。 結局まだ青臭い「正義」談義を繰り返していてまたウンザリ。
 「骨をめぐる事件の謎を解くミステリー」という当初のコンセプトは忘れられたのか…。 「骨から謎を解く」という部分が好きで読んでいた作品なので、ここ数作は本当に面白くない。

『子羊の巣』、『動物園の鳥』
 「ひきこもり探偵シリーズ」の第二、第三作。
 第一作『青空の卵』にて、すぐに泣くワトソン役の男(大の大人)が受け入れがたく、こちらも離れていた作品。二作目、三作目になったせいか、落ち着いていて前作より面白く読めた(ワトソン役の男:坂木司は泣いているが)。
 ひきこもり探偵こと、鳥井真一の鮮やかな推理と引き籠りからの脱出への成長ぶりが見どころ。 人情味もあってますます面白い作品になっていたと思う。

『K. N.の悲劇』
 『ジェノサイド』の作者さんの昔の作品。 予期せぬ妊娠と中絶の狭間で苦しむ女性と、彼女の夫、精神科医の戦いを描く。
 多重人格をモチーフにした作品ですが、病気をメインにしただけでなく、心霊現象というかミステリアスな部分も付加した変化球的な作品。その点、病気そのものに取り組んだ『症例A 』などとは違う。
 ミステリアスな部分を是とするかどうかで評価が分かれると思われるが、個人的には特に気にはならなかった。

『HEARTBEAT』
 優等生の委員長と不良少女の淡い恋。高校生の時に交わした約束を果たすために10年後の今、N.Y.から帰ってきた青年と、彼の「相棒」が織りなす物語。 ミステリー作品。
 ミステリー作品だが、青春ものとしても面白かった。個々の登場人物たちがそれぞれ活き活きと動いて、終始飽きなかった。一方で、若干、色々と要素を詰め込み過ぎな気もする。個人的には最終盤のある趣向というか、仕掛けは要らないように思った。

『東京バンドワゴン』
 下町の古本屋「東京バンドワゴン」を舞台にいたホームドラマ。以前ドラマ化もされた有名作(らしい。ドラマは観ないので)。
 老舗古本屋を営むのは8人の大家族。家族がまたみんな個性的で、素敵。語りてのサチさんに至っては幽霊だし(笑) 話は、この大家族が巻き込まれる様々な出来事・事件を通して、堀田家の人間模様を描く、ザ・ホームドラマ。登場人物が多くて、最初は大変ですが、慣れればどうってことはなく、スラスラ読めます。というより、話が面白くて作品世界に引き込まれ、気にならなくなる。
 続巻も購入して、読書中。 おススメ。


 今回はこんなところです。
 それではまた次回。

赤坂アカ 『かぐや様は告らせたい8』他感想…

 今回の分の紹介と感想です。

新刊
 コミックス
・赤坂アカ     『かぐや様は告らせたい 8』     ☆4
 ラノベ
・葵せきな     『ゲーマーズ 9』      ☆3.5

既刊
・今村彩      『ルームメイト』        ☆3.5
・――        『七人の中にいる』      ☆3.5
・長江俊和     『出版禁止』         ☆4
・岸田るり子    『密室の鎮魂歌』      ☆4
・藤木稟      『バチカン奇跡調査官 血と薔薇と十字架』  ☆3.5


感想


『かぐや様~』
 今回も面白かった。 前巻から登場の新キャラ・伊井野ミコを加えての、新生生徒会で送る新刊。 かぐや様は相変わらずゲスイ…。

『ゲーマーズ』
 刊行日がどんどん伸びてやっと今月刊行。 原稿を落としたのではなく、本編のイベントの時期を合わせたものと好意的に解釈。
 このはの策略により、千秋に自分の思いを知られてしまったケータ。その後の二人は…。といったところですが、素直に話は進まず、謎の新キャラ登場とアグリさんにより事態は混迷の度合いを増す。 どうなるのか…。

『ルームメイト』
 最近ハマって読んでいる今村彩さんの本。 ミステリー作品。
 上京後、とある事情から同性との同居生活を始めた主人公・春海。しかし同居人は唐突に失踪。彼女の後を追っていくうちに次々に明らかになっていくのは、自分の知らない彼女の顔だった。彼女はいったい何者なのか。
 次々に提示される謎と事実のスピーディーでサスペンスフルな展開で読ませる。正直、今ではちょっとネタが古い感じはするものの面白く読める。

『七人の中にいる』

 ペンションのオーナー晶子のもとに突如送り付けられた復讐予告。過去の罪を糾弾するのは、常連客のうちの誰なのか。 客の一人で元刑事の男と、主人公・晶子の二人の視点で語られる時限サスペンス
 オチがよくあるものだったのが残念なところ。二転三転する展開は面白かった。

『出版禁止』
 出版禁止となったルポルタージュの原稿をめぐるミステリー
 ルポは、有名作家と心中の果てに生き残った女性へのインタビュー。愛の果ての心中とは何かがテーマ。彼女の生還は偶然か、それとも意図したものだったのか…。その真相にたどり着いた時、ルポライターが見たものとは。
 とにかくすごい作品。各所に仕掛けが施されていて、初見で全て見抜けたら素晴らしい。こういうイタズラ心満載な作品も珍しい。ちょっと稚気が過ぎるのもありますが、そこはご愛敬。

『密室の鎮魂歌』
 密室に次ぐ密室、な密室尽くしのミステリー
 密室から忽然と失踪した男、彼の行方は『汝、レクイエムを聞け』という絵に秘められているというのだが。
 作中に多々登場する密室が、単なる見世物・お飾りとしてあるのではなく、個々に意味を持たされて作品に組み込まれているところに好感が持てる。 
 密室の謎、絵画の謎、事件の謎。魅力的な謎に満ちた鮎川哲也賞受賞作

『バチカン奇跡調査官』
 今回の奇跡調査対象は、吸血鬼の謎。
 誰もが知る『吸血鬼ドラキュラ』の作者、ブラム・ストーカーも登場。というか、吸血鬼の謎の一部として登場。
 毎回テーマが違うので面白い。


 今回はこんなところです。
 それではまた次回。
プロフィール

ゆーいち

Author:ゆーいち
ゆーいちです。

このブログでは特にジャンルを絞らず、自分が読んだ作品の感想を書いていこうと思います。
記事中の作品についての評価は、おススメ度と見てください。

出来るだけ週一程度のペースで更新していきたいと思います。

よろしくお願いいますm(- -)m

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