小川一水『天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉』 (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)
(2009/09/30)
小川 一水

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 前回紹介しただけで終わった小川一水さんの『天冥の標』の感想です。

評価(☆5が満点)
☆3.5

あらすじ(あらすじは上巻のものです)
 西暦2803年、植民惑星メニー・メニー・シープは入植300年を迎えようとしていた。しかし植民惑星臨時総督のユレイン三世は、地中深くに眠っている植民船シェパード号の発電炉不調を理由に、植民地全域に配電制限などの圧政を加えつつあった。
 そんななか、セナーセー市に住む医師カドムは、『海の一統(アンチョークス)』のアクリラから緊急の要請を受ける。アクリラによれば、街に謎の疫病が蔓延していると言うのだが…。


感想
 全十巻構想で書かれた、一代SF作品の第一作です。
 しっかりとした構想のもと、きちんと書かれているので安心して読めました。
 短編集『フリーランチの時代』でその辺は分かっていたので、素直に読みました。


 舞台は地球から数十光年離れた惑星メニー・メニー・シープ。
 そこである時起こった奇妙な疫病を発端に、物語の幕があがります。メインはその疫病をきっかけにした、植民地を支配している臨時総督との対決ということになります。下巻では、臨時総督の植民地の入植者たちのことを考えていない圧政に耐えかねた人々の蜂起とその結果が描かれます。
 
 下巻の最終盤で、「えぇー」となること請け合いですw
 シリーズがどう続くのか、非常に気になる終わり方をしています。パンドラの箱が開けられてしまった惑星メニー・メニー・シープは今後どうなっていくのでしょうか。
 また謎や伏線が張られたまま、回収されていないものもあるので次の巻が気になる仕様です。

 シリーズ最初の巻ということもあり、上記のような未消化な感じがありますが、一つのエピソードとしては綺麗に完結している作品でした。
 植民惑星での一つの反乱の勃発とその結末。 そのような話として捉えるといいかと思います。他の巻をまだ読んでいないので、全体としてこのエピソードがどの様に位置付けられるのかはわかりませんが。


 本作は、あまりSFな感じはありません。
 この惑星は植民に失敗しており(正確には植民船の着陸失敗による不調)、進んだ科学技術の使用が制限されているということになっています。アンドロイドなどは出てきますが、惑星全体が科学の恩恵を受けられている状態にはありません。
 ですので、高度に進んだ科学技術を土台にした話はシリーズの別の巻に期待するといいかもしれません。 4巻目のサブタイトルが「機械の子弟たち」だったと思います。


 全体的に上述したように長大なシリーズの第一作ということで、通常の作品とは違っていますので評価は難しいですね。他の作品も読んでから、判断すべき作品だと思います。
 次回作以降も舞台は同じ惑星なのでしょうか? 『エウレカセブン』的なオチではないことに期待しつつ、他も読んでみますw

天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)
(2009/09/30)
小川 一水

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