森晶磨『黒猫の遊歩あるいは美学講義』 (ハヤカワ文庫JA)

黒猫の遊歩あるいは美学講義 (ハヤカワ文庫JA)黒猫の遊歩あるいは美学講義 (ハヤカワ文庫JA)
(2013/09/05)
森 晶麿

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 人気シリーズと帯にあったので購入。
 美学という馴染みのない学問が関わっているとのことなので、そこも気になりました。

評価(☆5が満点)
☆2

あらすじ
 美学・芸術額を専門にする若き大学教授、通称「黒猫」と、彼の付き人の大学院生。黒猫と彼女は、エドガー・アラン・ポオの講義を通して謎を解き明かしてゆく。
 でたらめに描かれた地図に隠された真実、しゃべる壁に隔てられた青年、川に振りかけられる香水、失踪した研究者と入れ替わるように現れた元研究者、消えた頭蓋骨を求める映画監督、楽器を使わずに奏でられる音楽。
 幻想と現実が混ざり合う時、日常に潜む謎が顔をのぞかせる。
 第一回アガサ・クリスティー賞受賞作。

感想
 個人的には楽しめませんでした。
 
 24才の大学教授、付き人(助手のような立ち位置でした)は同期生の女性。って、なんじゃそりゃ。
 設定もさることながら作中で頻出する教授黒猫による知識の披露。これでもかと繰り返されます。非常にうんざりしました。講義という副題ですが、単なる知識自慢にしか聞こえない。
 また黒猫先生には、ホームズのような傲慢さが見えますね。個人的にはホームズ氏は嫌いです。自分の知識をひけらかして他人をバカにする人種なので。


 本編はあらすじに書いたように、各章ごとに独立した連作短編集になっています。
 ですので、各話ごとに黒猫先生の蘊蓄が繰り出されることになります(´Д`)
 それはさておき、本作のテーマ、通奏低音的に全体を貫いているものがエドガー・アラン・ポオの美学的解釈ということになります。
 個人的にはこの作品で展開されている解釈は、ポオの作品を離れたものに思えてなりませんでした。
 ポオ作品には親しんでいないので、もしかしたら森さんの解釈の方がしっくりくる方もいるのかもしれません。その方が正しいのかもしれません。そこの部分の判断はつきかねると言うことはお断りしておきます。
 が、個人的には好き勝手に都合のいいようにこねくり回しているように感じられました。ちなみに、似たようなこと(作品そのものを離れた解釈の気ままな運用)は作中で黒猫先生その人が戒めていますwww ですので欺瞞に感じました。


 ですが、そうした表面的な部分を離れると、個々の短編毎のストーリー展開は面白かったです。
 「頭蓋骨を探す映画監督」のように、どういった話なのか予想がつかないものにもちゃんとオチが付けてあります。読み終えるとそれなりに納得のできるお話になっていました。
 ですので、個々のお話自体はそれなりに楽しめると思います。

 が、いかんせんいわゆるミステリーの仕様にはなっていません。読者も謎解きに参加して、先を、トリックを予測しながら読むようにはなっていませんでした。
 黒猫先生による、華麗な解決を見せられるだけの作品です。
 衒学趣味の方には楽しめるかもしれませんが、そう言った趣向が苦手な方にはおススメできません。また個人的には、黒猫のスカした感じも鼻に付きました。
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