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早瀬耕  『グリフォンズ・ガーデン』他感想…

 新刊の刊行タイミングと、読書スピードの都合からまた遅くなりましたが、今回の分の紹介と感想です。


新刊
・早瀬耕    『グリフォンズ・ガーデン』          ☆4
・長沢樹    『リップステイン』               ☆3.5
・宮部みゆき  『あやかし草子 三島屋変調百物語 五之続』  ☆4.5

コミックス
・赤坂アカ  『かぐや様は告らせたい 9』         ☆4
・紙魚丸   『惰性67パーセント 4』            ☆3.5


既刊
・ラメズ・ナム    『ネクサス 上・下』           ☆4
・津原泰水     『11』                    ☆4
・藤木稟    『ラプラスの悪魔 バチカン奇跡調査官』  ☆3.5
・早見和真     『イノセント・デイズ』           ☆4
・貫井徳郎     『慟哭』                   ☆4
・内藤了      『MIX』                    ☆3
・笹本祐一     『放課後地球防衛軍 1』        ☆3.5   
・神林長平     『機械たちの時間』            ☆3



感想
『グリフォンズ・ガーデン』
 前回『未必のマクベス』を紹介した時に、非常に楽しみだと書いたが、楽しみにしていた甲斐はあった。
 作品としては、『プラネタリウムの外側』の時系列に属する物語。時間的には、過去の物語。『プラネタリウム』が、どちらかというと思弁的、哲学寄りなSF作品だったが、今作はより純粋にSF要素の強い作品だった。早瀬耕という作者さんらしさが、随所にみられる面白い作品だった。『プラネタリウム』の前日譚ではあるが、直接の繋がりはほぼないため、この作品から読んでも大丈夫。
 おススメ。

『リップステイン』

 続発する連続暴行事件を追う、ミステリー作品。 複数の登場人物の視点を交えて事件を描き出す手法で書かれており、サスペンスフルな雰囲気を演出していて面白い。
 ただ、ファンタジックな要素が混ざっているので好き嫌いは分かれそうな作品。ミステリー作品としては面白い。

『あやかし草子』

 こちらも楽しみにしていた、「三島屋変調百物語シリーズ」の最新刊。 背筋が寒くなる怖い話から、ほっこりする人情話まで、幅広く揃っている。
 「開けずの間」人間の業の深さにぞっとする話「だんまり姫」は、言葉を喋らない姫の謎を追っていくうちに登場するとある人物の器の大きさに圧倒される。感動の話「あやかし草子」では、ようやくおちかにも変化が。
 これまで語られてきた語りを通してお近の中に積もって来たものが、彼女の心の底に凝ったものを溶かしたよう。これにて第一部完とのことですが、今後も続くとうれしい。

『かぐや様~』

 石上回(運動会篇)。 恒例の藤原による白銀特訓回も。

『惰性67パーセント』
 いつも通りのゆる~い下ネタ系美大コメディ。 今巻は、新キャラが登場。

『ネクサス』
 「科学技術による人類の人工的な進化は許されるのか」をテーマにした、超人類・ポストヒューマンを巡る、サスペンスSF。
 現在可能な技術の先にある人類の進化を扱っている点が、興味深い。作中のアメリカと中国のポストヒューマンを巡る立場が、逆の様に感じるが、現在のアメリカの閉鎖的な雰囲気に対する皮肉だろうか。
 謀略モノ、SF、サスペンス。どう読もうが面白い物語になっているので、SF好きにはおススメ。三部作の一部目ということなので、続編が早く読みたいところ。

『11』
 『バレエ・メカニック』、『ブラバン』などで知られる津原泰水さんの短編集。
 とても面白い作品集。中でもやはり>「五色の舟」が素晴らしかった。 未来を予言するという妖怪「件(くだん)」を巡り交わされる悲喜交々を描く。

『ラプラスの悪魔』
 シリーズ第6弾。 今回は憑霊現象の謎を解く。安定の面白さ。

『イノセント・デイズ』
 女性確定死刑囚と、彼女の無罪を信じる友人たちの奮闘を描く。 控訴も再審請求もすることなく、粛々と死刑が執行されるのを待ち望む田中幸乃の、不可解な心情を様々な証言から追うサスペンスミステリー。
 世論・マスコミ報道の虚妄とは乖離した真実の田中幸乃の姿とは。 読後のやるせなさが凄い作品

『慟哭』
 連続幼女誘拐事件を追うミステリー。警察の捜査視点と、怪しい「私」の視点とを通して描かれる。
 捜査の鬼気迫る描写と、新興宗教にのめり込むなど徐々に怪しい動きを見せる「私」の動きと事件との関連が気になり、飽きない。タイトルの「慟哭」の理由が分かった時は、ぞくりとした

『MIX』
 シリーズ8弾。 相変わらずの微妙さ。 事件が薄いのか? 残虐性は事件の濃さとは無関係だろう。

『放課後地球防衛軍』

 『妖精作戦』の笹本さんの新シリーズ。 『妖精作戦』シリーズが好きな人は楽しめるはず。他シリーズは未読だが、笹本さんらしさが詰まっている作品だと思う。

『機械たちの時間』

 サイバーチック・ハードボイルドSF。 仮想と現実、認識・意識をテーマにした作品。 1995年の作品のせいか、若干古めかしさを感じる。
 TVアニメ版『攻殻機動隊』のどこかで、「機械たちの午後」という話があったがタイトルの元ネタはこれかな?


 今回の☆4以上の作品は、どれも面白く、お勧めです(コミックス除く)。
 それではまた次回。
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ゆーいちです。

このブログでは特にジャンルを絞らず、自分が読んだ作品の感想を書いていこうと思います。
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よろしくお願いいますm(- -)m

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