桜井光 『殺戮のマトリクスエッジ』 (ガガガ文庫)

殺戮のマトリクスエッジ (ガガガ文庫)殺戮のマトリクスエッジ (ガガガ文庫)
(2013/11/19)
桜井 光

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※ライトノベルです
 何の気なしに手に取ってみた作品。イラストは『東京レイブンズ』のすみ兵さんでした。そのせいかも…。

評価(☆5が満点)
☆3

あらすじ
 20XX年、東京湾上に建設された都市、トーキョー・ルルイエ。この都市には闇にまぎれて人間を襲い、電脳を食べる怪物「ホラー」が存在する。
 主人公、小城ソーマは「ホラー」を狩ることを仕事にしている「ライダー」だった。ソーマはその中でも特別なライダー、ソロのライダーだった。人間の身体能力を圧倒するホラーには、通常複数人でチームを組んで対処するのがセオリーの中、ソーマは誰とも組まずに仕事をこなしていた。
 いつもと同じホラー狩りの時、ソーマは不思議な少女と出会う。彼女はなぜかソーマを気に入り、懐いてきた。基本的な個人情報が公開されている都市内にあって、名前以外の情報が一切不明な謎の少女「ククリ」。彼女との出会いが、ソーマを都市内における陰謀に巻き込んでいく。

感想
 サイバーパンクだそうです。
 が、かと言って『攻殻機動隊』や『ブレードランナー』など程ぶっ飛んではいません。大人し目なサイバーパンク。
 電脳、サイボーグ、機械化、量子コンピューターなどなど基本的要素は揃っています。

 主人公、小城ソーマは、学校では目立たない学生、しかし本職は凄腕のハッカーであり戦士でもあるという、よくあるタイプの主人公です。まぁ、そんな主人公が謎めいた少女と出会ったらお話が始まらない訳がないという、そんな展開ですw
 「オレ強えー」とか「オレは実は…」みたいなキャラクター造詣が好きな人にはおススメできます。が、そうではない人には最早、食傷気味な主人公君でした。


 また話全体として、一巻目から続巻前提の話作りになっていて少々不親切です。そこかしこで伏線を張りつつも全く回収せず、「次巻以降に期待してください」とばかりに投げっぱなしです(ちなみに一応続巻である2巻も4月末に出てます)。
 こうした形のものは止めた方がいいと個人的には思うのですが…。 
 「試しに買ってみようかな」と思って購入する人間には不親切極まりないですし。話自体のまとまりも無くなると思うのですが。未完成の作品を見せられている気にもなりますし。大きな全体の物語の一部であったとしても、一巻一巻はそれぞれ独立した物語として成立させるべきでしょう。


 もう一点、サイバー感もパンク感もそこまでありません。
 高度な電子化の一方の退廃、都市とスラム、犯罪。こうした要素が薄いです。綺麗な都市上層部と地下層、表通りと裏通りみたいなものはありますが、都市全体の描写が少ないせいでサイバー感は少ないです。
 またネット空間でのクラッキングバトルの描写が残念でした。『攻殻』の電脳戦のイメージなのでしょうがショボイ。


 帯に某きのこさんが推薦文書いていて、「重厚、冷淡、しかれど可憐」とか書いてましたが、嘘ですw
 世界観の広がりは感じますが、重厚とは言い難い。「冷淡しかれど可憐」は何を指してるのか不明です。ククリか?

 
 『攻殻機動隊』のようなものを期待して購入されるのはよした方がいいと思います。
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