佐藤青南 『サイレント・ヴォイス』 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

サイレント・ヴォイス 〜行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)サイレント・ヴォイス 〜行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
(2012/11/06)
佐藤 青南

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評価(☆5が満点)
☆3.5

あらすじ
 警視庁捜査一課巡査部長で取調官の楯岡絵麻(たておか・えま)、通称エンマさま。行動心理学を用いて、相手の何気ない仕草や行動から嘘を見破るその手腕で恐れられている。
 幼馴染殺害容疑がけけられた歯科医、人気俳優の夫を殺害を自白する国民的女優の妻、クレーマー殺害容疑の占い師、絵麻の同僚を窮地に追い込んだ音大生。
 取調室で絵麻が彼らに向かいあう時、事件の真相が明らかになる。

感想
 警察が舞台でありながら、メイン舞台は事件現場ではなく、取調室。それどころか、基本的に主人公たちは取調室の外に出ることすらないという、いわば安楽椅子探偵小説です。
 あ、でも探偵行為・推理はしていないので、厳密には違いますが。


 この作品の中で特徴的なのが、推理を武器として犯人を落とすのではなく、心理学に基づく観察で追い込んでいくという部分でした。
 刑事ドラマでよくあるような取り調べというよりも、どこか研究室的な感じがします。


 ですが、手法の珍しさだけがこの作品の面白いところではありません。
 主人公である、女性刑事・楯岡絵麻のキャラクターもいい味を出しています。 Sっ気があるところが良いですね。 犯人の嘘に容赦なく切り込んで、真相を明らかにするその手腕にしびれます。


 一方で、先にも触れましたが、理論的に推論を組み立てて犯人を追いつめる形式の作品ではないので、推理小説をお望みの方は注意です。
 取り調べの妙技を楽しむ感じですかね。 刑事小説とも作風を異にしていますが。
 かと言って『半落ち』等とも違うのですが。 とりあえずわりと独特だと思います。 感動系でもありません…。
 作品内で展開される心理学の理論に関する話は楽しめました。

 基本的に、心理学の理論を基にして犯人の行動分析を行い、彼らの自供の嘘を暴いていくのが本書の流れです。
 が、下手をするとワンパターン化、マンネリ化しかねないのですが、長編ではなく短編集の形になっていて、あまり飽きを感じさせないようになっていました。 
 こうした点もあって、長編作品には向かないような気もしますが。


 作品の雰囲気は、次回作以降も特に変わらないのではないかと思うので、後を追うかどうかは考え中です。現状、5作目ぐらいまで出版されていたと思います。
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