宮部みゆき 『悲嘆の門』

悲嘆の門(上)悲嘆の門(上)
(2015/01/15)
宮部 みゆき

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評価(☆5が満点)
☆3.5

あらすじ
 世間では、殺害した人間の死体から、一部を切り取るという戦慄の殺人事件が発生していた。しかもその殺人事件は、複数発生し、メディアでは連続殺人事件として連日大きく扱われていた。
 そんな中、ネット監視のアルバイトでこの事件に行きあった大学生の孝太郎は、やがてこの事件に飲み込まれていく。一方で街には「動くガーゴイル像」の噂が広まっており、定年退職した元刑事・都築は、知人の頼みでその噂を調査することになる。
 徐々に憎しみに染められていく世界。二人と《異形》が出会う時、「悲嘆の門」が開かれる。

感想
 『英雄の書』の続編でした。
 『英雄の書』自体を読んだのがだいぶ昔で、記憶があやふやなので断言はできないのですが(^_^;)
 物語自体には直接の繋がりはなく、世界観を共有した別のお話といったところが正確でしょう。

 さて、物語自体は『英雄の書』がそうであったように、純粋な現代劇ではなく、ファンタジー要素をその根幹に据えた、ファンタジーと現代劇のハイブリッドになっています。

 ですので、純粋な現代劇、ミステリーとしての作品を期待されている方には違和感があるかと思います。「これはこういうお話だ」という割り切りが必要で、そういった割り切りが無理そうであれば、おススメできません。
 例えば、最近の宮部さんの作品で言うと『ソロモンの偽証』のような、現代ミステリーを期待されて購入を検討されている方は、再考された方が良いかもしれません。

 個人的には結構楽しく読めましたが、ファンタジー部分と現代劇部分の比率というか、混じり具合が微妙だったかなとも思いました。
 もう少し、ファンタジー要素を減らしてくれていたら良かったなと。
 ファンタジー要素を無くしてしまっても面白い作品になったと思いました。もしくは『ブレイブストーリー』のようにファンタジー部分に軸足を置いてしまっても良かったかな、とも。
 ファンタジー部分が付けたしの様になっていまっていて、少しもったいない気もしました。

 まぁ、よくよく考えてみると、付け足し部分は現代劇の方のような気もしますが。
 「連続死体損壊遺棄事件」がメインとして描かれているのですが、実のところ、事件そのものは作品の中心ではない気がします。少なくともミステリーや警察小説のように、事件そのものが作品のキモではないので。
 そうした点でも、ミステリー作品として本書を楽しむことは難しいかと思います。

 
悲嘆の門(下)悲嘆の門(下)
(2015/01/15)
宮部 みゆき

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