野尻抱介『南極点のピアピア動画』 (ハヤカワ文庫JA)

南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)
(2012/02/23)
野尻 抱介

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評価(☆5が満点)
☆4

あらすじ
 日本の次期月探査計画にかかわっていた大学院生・蓮見省一(はすみしょういち)の夢は、彗星が月面に衝突した瞬間に潰え、追い打ちを駆けるように恋人の奈美(なみ)までもが自分の元から去っていった。一人残され、打ちひしがれた省一には、奈美への想いをボーカロイドの小隅レイに歌わせ、それをピアピア動画にアップロードすることぐらいしか思いつかなかった。
 そんな中、彗星の衝突によって巻き上げられた月からの放出物が、地球で双極ジェットを形成することが判明。それを利用し宇宙旅行を実現しようというプロジェクトを省一はピアピア動画技術部に立ちあげ、「宇宙男プロジェクト」が開始される。
他4編

感想
 不思議なタイトルに惹かれて購入。
 分かるとは思いますが、本書のタイトル及び内容は『ニコニコ動画』のもじりとなっています。本書の中「ピアピア動画」で実行されていることは、ほぼ現実の「ニコニコ動画」で出来ることと同じものだと思います。
 解説はドワンゴの社長が書いてますw

 収録作品は、表題作を合わせて4編あり、次のようになっています。
 ・「南極点のピアピア動画」
 ・「コンビニエンスなピアピア動画」
 ・「歌う潜水艦とピアピア動画」
 ・「星間文明とピアピア動画」



 個人的に好きな作品は、序盤の二編、「南極点のピアピア動画」、「コンビニエンスなピアピア動画」ですね。
 この作品全体に言えることですが、ちょっとした思いつきがあれよあれよという間にすごいところまでいってしまうところが面白く思えました。
 クモの巣(糸)が軌道エレベーターになるとか。

 ちょっと見、荒唐無稽なお話に見えると思いますが、読んでいるとそれほど気にはなりません。というよりもむしろ、実現してくれることを望んでいました。
 厳密な科学考証のようなものを求める方には受け入れがたいものかもしれませんが、この作品の面白さはこのどんでん返し、実現不可能にみえるものの実現にあるかと思います。

 もう一点、この作品の面白いところはなんと言っても「ニコニコ動画」をモチーフにしているところでしょうか。
 個人的にはたまに覘く程度のライトユーザーなので、「へーそんなこともできるんだ」と感心しながら読んでおりましたw ついでに言うと、ボカロも興味が無いので同じように感心しつつ読んでました。
 ですので、どこまで現実に即した記述になっているのかはわかりませんでしたが、少なくともこのお話は現実と同じ線上に展開されているんだろうなという感覚を得ることができました。


 後編の二編ですが、こちらは少し飛び過ぎていて「いやいや」と突っ込んでしまいましたw
 が、以前の作品『ふわふわの泉』を読んでみて思いましたが、この作者さん的には良くある展開なのでしょう。悪いと言う訳ではないのですが、前半の二つと後半の二つの経路の違いが気になったかなぁ。
 
 『ふわふわの泉』、長編作品ですが、読みやすく、かつ面白い作品でした。こちらもおススメです。
ふわふわの泉 (ハヤカワ文庫JA)ふわふわの泉 (ハヤカワ文庫JA)
(2012/07/24)
野尻 抱介

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