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宮下奈都 『羊と鋼の森』他感想…

 更新が遅くなりまして、すみません。
 今回の分の紹介と感想です。

新刊
・宮下奈都     『羊と鋼の森』              ☆3

コミックス
・末次由紀     『ちはやふる 37』            ☆3.5
・いみぎむる    『この美術部には問題がある 9』   ☆4
・山本崇一朗   『からかい上手の高木さん 8』     ☆4


既刊
・鮎川哲也    『黒いトランク』         ☆4
・堀江敏幸    『雪沼とその周辺』      ☆3.5
・小路幸也    『東京バンドワゴン 2∼10』 ☆4


感想

『羊と鋼の森』
 2016年度本屋大賞受賞作。 ということで楽しみにしていた文庫化でしたが(単行本は未購入)、個人的にはそれほど楽しめず。「静謐な筆致で描く感動作」と紹介されていますが、文体と主人公の性格とがともに恬淡としているので、淡々と物語が進んでいった感触。 盛り上がりに若干欠けるかと。成長物語としてのカタルシスが薄いかもしれない。

『ちはやふる』
 予選準決勝、ちはや VS. 理音、太一 VS. 須藤戦決着。 盛り上がる二人の横で、田丸(妹)が勝ち残っていた(笑)
 東日本予選を共に通過し、舞台は挑戦者決定戦へ。 太一決意の断髪(一気に幼くなった…)。

『この美』
 ミス文化部ヒロインコンテストを始め、片想いが駄々洩れ中な宇佐美さんの日常。 久々の「すば子」も出るよw
 「ミス∼ヒロインコンテスト」って、冗長だな。

『高木さん』
 高木さんの「攻め」が強くなっている気がする。 今回は、時節柄かバレンタイン回を収録(2月14日発売[奥付表記])。

『黒いトランク』(創元推理文庫版)
 二つのトランクの謎と鉄壁のアリバイ崩しをメインに据えた、ミステリー作品。
 アリバイ崩しのための推理の精緻さが魅力。細やかな気配りが行き届いていて、無理がない。論理的な推理小説が好きな人は好きだと思う。 類似作品(クロフツ『樽』)があるそうだが、そちらも気になる。

『雪沼とその周辺』
 タイトルそのままの、雪沼という土地のその周辺で生活する人々の何気ない日常を切り取った連作短編集。 とは言っても、短編間の連絡はほとんどない。
 閉店日を迎えたボウリング場の老店主が、最後の客に1ゲームをプレゼントする「スタンス・ドット」、イラクサのスープを得意とした料理教室先生を回顧する「イラクサの庭」、魅力あるレコードショップを営む小柄な店主を描く「レンガを積む」が気に入る。

『東京バンドワゴン』
 前回紹介した1巻を気に入ったので、続編を読む。
 一巻で一年が経過するので、巻を経るごとに登場人物も年を取り、人間関係も変化していくのが良かった。固定された時間ではなく、この世界のどこかに実在しそうな気がしてくる。 読み進めるほどに、親戚の様な親しみが持ててくる。
 出会いもあり別れもある。嬉しいことも悲しいこともあるけれど、それが「LOVEだねぇ」。
 実は5巻と8巻が欠けているので、そちらも読みたいところ。


 今回はこんなところです。
 24日発売の、澤村伊智『ぼぎわんが、来る』、森博嗣『血か、死か、無か?』を購入したので読む。
 円城塔『プロローグ』、『エピローグ』、東野圭吾『ラプラスの魔女』も気になるが、円城塔は合ったり合わなかったりするので保留中。『ラプラス~』はあらすじを見る限りイマイチな気がして保留中。
 『ぼぎわん』は楽しみ。

 それではまた次回。
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アンディ・ウィアー 『アルテミス』他感想…

 相変わらずの天候不順で、すっきりしない日々ですが、いかがお過ごしでしょうか。
 今回の分の紹介と感想です。

新刊
・アンディ・ウィアー   『アルテミス 上・下』      ☆4

コミックス
・中谷鳰         『やがて君になる 5』      ☆4

既刊
・小峰元     『アルキメデスは手を汚さない』              ☆3
・太田紫織    『櫻子さんの足元には死体が埋まっている 11,12』  ☆2.5
・坂木司     『子羊の巣』           ☆3.5
・――      『動物園の鳥』          ☆3
・高野和明   『K. N. の悲劇』          ☆3.5
・小路幸也   『HEARTBEAT』          ☆3.5
・――      『東京バンドワゴン』       ☆4



感想
『アルテミス』
 映画化もされた『火星の人』(映画名『オデッセイ』)の作者・アンディ・ウィアーの長編第二作。 今回の舞台は近未来の月、月面都市「アルテミス」。ポーターを生業としている女性・ジャズが引き受けたある仕事が、都市を巻き込む事件へと発展する。月面版『ミッション・インポッシブル』
 今回も面白い。前作の極限サバイバルのハラハラドキドキ感はないものの(舞台も設定も違うのだから当然)、ワクワク感は健在。宇宙空間、宇宙開発について知見、気づきもあり楽しめる。小野田さんの軽妙な訳文も合っていて、読みやすい。
 次回以降も続いていくようなので、そちらも楽しみ。

『やがて君になる』

 生徒会劇のシナリオの変更のその後の話。 生徒会劇そのものは次巻以降(掲載雑誌の方では開幕直前)。
 燈子に変わってもらいたい侑、それを裏切りの様に感じてしまう燈子。二人のやり取りに注目。燈子は我儘。
 今巻は他にも、侑と燈子の水族館デート、こよみの憧れの人との対面など。

『アルキメデスは手を汚さない』

 東野圭吾さんが帯を書いていたのを見て購入(作家を目指したきっかけになった一冊だとか)。
 70年代を舞台にした学園ミステリー作品。ミステリー作品としての出来は良くて、面白かったのですが、いかんせん舞台設定が古くて、読みにくい。ミステリー部分は今でもそう色褪せてはいないと思う。
 高校が舞台ではあるが、登場する高校生たちの会話の高校生らしからぬこと。当時を知らないが、あの頃はこんな感じだったのだろうか(「デカンショ節」の頃? )。 こうした違和感はあるものの、全体としては面白い作品だった。

『櫻子さん~ 蝶の足跡』、『櫻子さん~ ジュリエットの告白』
 正太郎君の青臭さにうんざりして離れていた作品ですが、ひさびさに続きを購入。 結局まだ青臭い「正義」談義を繰り返していてまたウンザリ。
 「骨をめぐる事件の謎を解くミステリー」という当初のコンセプトは忘れられたのか…。 「骨から謎を解く」という部分が好きで読んでいた作品なので、ここ数作は本当に面白くない。

『子羊の巣』、『動物園の鳥』
 「ひきこもり探偵シリーズ」の第二、第三作。
 第一作『青空の卵』にて、すぐに泣くワトソン役の男(大の大人)が受け入れがたく、こちらも離れていた作品。二作目、三作目になったせいか、落ち着いていて前作より面白く読めた(ワトソン役の男:坂木司は泣いているが)。
 ひきこもり探偵こと、鳥井真一の鮮やかな推理と引き籠りからの脱出への成長ぶりが見どころ。 人情味もあってますます面白い作品になっていたと思う。

『K. N.の悲劇』
 『ジェノサイド』の作者さんの昔の作品。 予期せぬ妊娠と中絶の狭間で苦しむ女性と、彼女の夫、精神科医の戦いを描く。
 多重人格をモチーフにした作品ですが、病気をメインにしただけでなく、心霊現象というかミステリアスな部分も付加した変化球的な作品。その点、病気そのものに取り組んだ『症例A 』などとは違う。
 ミステリアスな部分を是とするかどうかで評価が分かれると思われるが、個人的には特に気にはならなかった。

『HEARTBEAT』
 優等生の委員長と不良少女の淡い恋。高校生の時に交わした約束を果たすために10年後の今、N.Y.から帰ってきた青年と、彼の「相棒」が織りなす物語。 ミステリー作品。
 ミステリー作品だが、青春ものとしても面白かった。個々の登場人物たちがそれぞれ活き活きと動いて、終始飽きなかった。一方で、若干、色々と要素を詰め込み過ぎな気もする。個人的には最終盤のある趣向というか、仕掛けは要らないように思った。

『東京バンドワゴン』
 下町の古本屋「東京バンドワゴン」を舞台にいたホームドラマ。以前ドラマ化もされた有名作(らしい。ドラマは観ないので)。
 老舗古本屋を営むのは8人の大家族。家族がまたみんな個性的で、素敵。語りてのサチさんに至っては幽霊だし(笑) 話は、この大家族が巻き込まれる様々な出来事・事件を通して、堀田家の人間模様を描く、ザ・ホームドラマ。登場人物が多くて、最初は大変ですが、慣れればどうってことはなく、スラスラ読めます。というより、話が面白くて作品世界に引き込まれ、気にならなくなる。
 続巻も購入して、読書中。 おススメ。


 今回はこんなところです。
 それではまた次回。
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ゆーいち

Author:ゆーいち
ゆーいちです。

このブログでは特にジャンルを絞らず、自分が読んだ作品の感想を書いていこうと思います。
記事中の作品についての評価は、おススメ度と見てください。

出来るだけ週一程度のペースで更新していきたいと思います。

よろしくお願いいますm(- -)m

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