小川一水『天冥の標Ⅸ』 他感想

 冬のイベント盛りだくさんの時期になりましたが、そんなのどこ吹く風で、今回の分の紹介です。

・小川一水    『天冥の標Ⅸ part.1 ヒトであるヒトとないヒトと』       ☆3.5
・恩田陸      『三月は深き紅の淵を』                      ☆3.5
・青崎有吾    『体育館の殺人』                          ☆3
・竹内真      『文化祭オクロック』                         ☆3
・有栖川有栖   『幻想運河』                             ☆3
・誉田哲也    『武士道セブンティーン』                      ☆4
・――       『武士道エイティーン』                       ☆4
・福井晴敏    『月に繭地には果実 上・中・下』                 ☆3

・あざの耕平   『東京レイヴンズ14』                        ☆3.5



感想
 『天冥の標Ⅸ』
 物語は佳境+核心へ。これまでの巻で違和感を感じていた部分の謎が明らかに。
 てか、スケールが一気にでかくなりましたが(;´・ω・) ノルルスカインというか、ダダーもやる気のようです。セレスの人類たち(+その他)の運命はいかに。
 オムニフロラやミスン族たちの動向も気になりますが(あと地球・太陽圏の人類も)…。次巻はよ。

 『三月~』
 ずっと積まれていた可哀想な本。やっと読みました。
 4章からなる連作短編集。『三月は~』という奇妙な本がそれぞれの話の核心。入れ子構造の様になっていて、ぐるぐるします。何とも言えない不思議な読後感。「物語を読んだ感」が強い。

 『体育館~』
 鮎川哲也賞受賞のミステリー。作品そのものの骨格はオーソドックスですが、肉付けが特殊で、探偵がオタクで天才とか。
 トリック並びに推理の展開はオーソドックスで、奇をてらった奇妙奇天烈な事態にはならず普通に楽しめます。
 ただし、登場する警察が無能でイライラします。警察がきちんと捜査したらそれだけで終わった事件だと思われます……。あとエピローグが蛇足。

 『文化祭~』
 これまた青春ミステリーもの。ただしこちらは、日常の謎がメイン。文化祭の混沌、高揚感そういったものが感じられて楽しめました。メインである謎のDJの正体をさぐるのは良かったのですが、その延長で最後に文化祭の雰囲気に水を差されたのが残念。もう少しお気楽でもよかった

 『幻想運河』

 ミステリーというより、サスペンス風。火村シリーズのような本格ではない。終始どんよりした雰囲気が漂う、陰鬱としたというか鬱屈としています。推理をするものではなく、大阪とアムステルダムという二つの水の都にまつわる幻想を楽しむといい作品

 『武士道~』
 前回『シックスティーン』を紹介してから、速攻で読み終えました。最後まで面白かったし、もっと読んでいたい作品。剣道にかける二人の青春の輝きを、ぜひ皆さんも楽しんでください。姫川シリーズの読者さんも是非。誉田さんの新しい一面が発見できます。
 ※※ジェネレーションのあらすじを見たらあの人が結婚していてびっくりですw

 『月に繭~』
 タイトルはこんなですが、ターンAガンダムです。ユニコーンも買いましたw
 ターンAは、ダサいガンダムという知識しかないのですが、この本の話は面白かった。未来版かぐや姫と言ったところでしょうか。ユニコーンも楽しみ(OVAは「パラオ作戦」まで見たという中途半端さです(;^ω^))。

 『東京レイヴンズ14』
 物語もいよいよ佳境です。というか、一気呵成に「上巳の祓」の一日で決着をつけるのかと思いきや…な展開。二期序盤で言われていた「泰山夫君祭の失敗」の理由が分かりましたね。まさかあの二人にあんな因縁が…(笑) 瀧子―(多軌子―夏目―混)、というつながりでないことを祈ります。
 次巻は、決着ではなく過去編とのこと。ちなみに今回はシリーズ最厚です。


 それでは皆様、MerryXmas!
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誉田哲也『武士道シックスティーン』他感想

 今年は全く冬らしくない冬ですね…。雪降らないんじゃないだろうかと思っています。
 それでは今回の分の紹介です。


・誉田哲也     『武士道シックスティーン』             ☆4
・――        『武士道セブンティーン』
・――        『武士道エイティーン』
・宮部みゆき    『魔術はささやく』                  ☆3.5
・夢枕獏       『陰陽師 瀧夜叉姫 上・下』            ☆3.5
・池上永一     『レキオス』                      ☆3.5
・乾石智子     『夜の写本師』                    ☆3.5
・市田和樹     『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』    ☆3
・三津田信三    『ついてくるもの』                   ☆3
・化野燐      『葬神記』                        ☆1.5
・――        『鬼神曲』                        (☆1.5
・汀こるもの    『パラダイス・クローズド』               ☆2



感想
 『武士道~』
 これまで誉田さんの作品を読んだのが、警察小説ばかりだったので今まで読まずにいた作品。読んでみて後悔。どうしてもっと早くに読まなかったのか!と なので、続編までさっそく購入しました。『ジェネレーション』はまだ。
 剣道部を舞台にした、真っ向勝負の青春部活小説です。
 なにより、主人公の二人の女の子たちがいい。天然ほわほわ沙織と、武蔵を心の師とする時代錯誤系剣士・香織。二人の反目とライバルとしての成長、そのどれもがいい。 お堅い刑事ものだけじゃない、誉田さんが読めました。もっと読みたい。

 『魔術~』
 まだ読んでいなかったので。トリックの核心部分には疑問がありますが、現代ものとしてはさすがの宮部節。初版は平成5年だそうですが、今でも普通に読めます。
 ミステリのような謎解き犯人当てというよりは、事件を通じて人を見る、社会を見るタイプのサスペンス作品でした。

 『瀧夜叉姫』
 平将門に題をとった長編作品。
 今回は、将門が登場するためか、他の登場人物たちもオールスター勢ぞろいと言った豪勢さでした。将門については承平・天慶の乱で滅ぼされた、後に怨霊になったぐらいしか知識がなかったのですが楽しめました。

 『レキオス』
 面白かった。これより後の作品となる『シャングリラ』を伺わせる構成と展開で、作品世界に引き込まれます。沖縄社会についてのどこか冷めたような描写も好きでした。基地問題についても考えさせられます。
 『シャングリラ』も面白いので、未読の方はぜひ。COP21も無事採択して閉会しましたし、温暖化問題を考えては?w

 『夜の写本師』
 復讐譚がメインテーマなので全体的に陰鬱としたトーンになりがちですが、そこまで鬱屈とせずに済みました。「魔法使いならざる魔法使い、「夜の写本師」」という設定の妙や主人公を取り巻く運命、そういったガジェットの面白さもあります。ただ、全編が復讐譚でしかなかったことが少し残念でした。

 『天才ハッカー~』
 初めての作者さんでした。ハッカー、正義の味方(ねずみ小僧的な)という二つの要素に興味を持ったので購入。
 不思議な魅力のヒロイン・安部響子と、スピーディーな展開で息もつかせないストーリが楽しい良作品でした。ライトなキャラミスとしておススメできる作品。
 ただ、ヒロインの動機がよくわからないことと、警察のある人間の人間性に引くことがマイナスw

 『ついてくるもの』
 シリーズ外のホラー短編集。収録作は、6編。
 「夢の家」「ついてくるもの」がおすすめ。てか、怖かったです。一編、刀城言耶が登場する作品があります。

 『葬神記』、『鬼神曲』、『パラダイス~』
 読んでいて苦痛になって来たので、途中で放棄した作品たちです。
 『葬神記』は登場人物たち(モブも含む)のクズ人間さに嫌悪感を抱かざるを得ませんでした。考古学と探偵という骨格は興味深かったのですが、キャラクターのせいで放棄。続編は読まずに放棄。 『パラダイス~』は、合わなかったので途中でやめました。
 一応、どちらも我慢して7割ぐらいは読んだのですが、どうしてもその後を読む気になりませんでした。 108円でよかった。

 来週の小川一水『天冥の標Ⅸ ヒトであるヒトとないヒトと』が楽しみです。

喜多喜久『創薬探偵から祝福を』他感想

 少し、間が空きましたが、今回の分の紹介です。

・喜多喜久     『創薬探偵から祝福を』        ☆3.5
・羽田圭介     『メタモルフォシス』           ☆3
・ヴァーリィ, J.   『汝、コンピューターの夢』       ☆3.5
・アン・レッキー  『反逆航路』                ☆3.5
・夢枕獏      『陰陽師 竜笛ノ巻』           ☆3.5
・――        『陰陽師 太極ノ巻』           ☆3.5

・乾石智子    『夜の写本師』
・――       『魔道士の月』
・化野燐      『葬神記』

・――       『鬼神曲』

感想
 『創薬探偵~』、久々の喜多さん作品。先日、「このミス」ドラマ版にも作品が出てましたね。
 『ラブケミストリー』以来の創薬分野でのミステリー作品、ですかね。ただし、こちらの作品はトーンが真面目です。ラブコメチックな要素は無し。新潮nexというレーベルからすれば、もう少し軽いタッチでもよかったのかもしれませんけどね。
 今回の犯人は、病気です。病気の治療薬を探す=創薬探偵の仕事、ということです。今年のノーベル賞の大村先生の業績も創薬ということですので、この機に読んでみては?
※ドラマの方はトリックが分かりやすすぎでしたね。あとオチが、いい話になっていたのもちょっと…。

 『メタモルフォシス』
 こちら芥川賞作家、羽田さんの作品。受賞作は読んでいません。食指が動かないのでw
 本作は、タイトルにあるようにメタモルフォシス=変態(動植物・昆虫が姿形を変えること)で、変態(HENTAI)に変態する/した人たちのお話。SMに興味がなくても楽しめる、かな(SMには興味はないですが、一応楽しめましたよ)? ただし、エロ・グロに耐性がない方にはお勧めできない作品ですね。

 『汝~』
 SF作品。短編集。作品自体はだいぶ古いものだそう。ただ時間の経過をあまり感じさせない、面白さがありました。古ぼけた感じはしなかった。
 この巻では「ピクニック・オン・ニアサイド」と「逆光の夏」が好きでした。二巻目が来年二月頃出る予定だそうなので、楽しみにしておきたいと思います。

 『反逆航路』
 高評価の作品(海外SF賞7冠)ということで、買ってみたもの。 設定の妙と、キャラクターが面白い作品でした。ただし、人称代名詞の問題と、視点の切り替えが多用されているので、物語を追うのが大変ですが(;´・ω・)
 てか、結局仇討はやめたのかな? 事情が錯綜しすぎていて…(今と19年前と1000年前が同時に語られたり)。まぁ、どれが仇の側のアーナンダなのか見分けらんないと無意味ですしね。
 こちらも続巻が来年春ということで楽しみです。次巻もブレクの話なんだろうか?

 『陰陽師』
 こちらは順調にシリーズを消化中。『滝夜叉姫 上・下』まで購入しました。
 今回読んだ範囲には、「虫愛ずる姫」の話があって面白かったです(本家の方は『ナウシカ』の元ネタの一つ)。無為に飾り立てていないのがこのシリーズのいいところですよね。


 『夜の写本師』シリーズは、心惹かれたので購入しましたが未読です。
 「考古探偵シリーズ」『葬神記』、『鬼神曲』も未読です。
 他、池上永一『レキオス』も買ったものの、未読です。
 最近、週末は天候不順なので、ちょうどいいかなと思います。
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ゆーいち

Author:ゆーいち
ゆーいちです。

このブログでは特にジャンルを絞らず、自分が読んだ作品の感想を書いていこうと思います。
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出来るだけ週一程度のペースで更新していきたいと思います。

よろしくお願いいますm(- -)m

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