三秋縋 『三日間の幸福』 (メディアワークス文庫)

三日間の幸福 (メディアワークス文庫)三日間の幸福 (メディアワークス文庫)
(2013/12/25)
三秋縋

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評価(☆5が満点)
☆3.5

あらすじ
 寿命を買い取ってもらった、一年につき一万円で。
 困窮し、本CDなど換金できるものは換金した。その時訪ねた古本屋、CDショップで「人生を換金してくれる店」の話を聞かされた。胡散臭く思いつつも尋ねたその店で査定された俺の残りの人生は、一年に付き一万円だった。
 未来を悲観して、残りの寿命を三カ月だけ残して売り払った俺は、僅かな余生で幸せをつかもうと躍起になるが、すべて裏目に出る。そんなオレのから回りっぷりを冷静に監視する女性、ミヤギ。残りわずかな人生を彼女とすごすうちに、彼女のために生きることが幸せなのではないかと気付いた。しかしそう気付く頃には、残りの寿命は二カ月を切っていた。

感想
 人生を査定して換金するというアイデアに惹かれて買ってみました。
 三秋縋さんは、ウェブ小説界では有名な人なのですかね?帯などの紹介を見るに。

 さて、感想ですが、面白かったですよ。
 上述のアイデアがきちんとストーリーに活かされていて、企画倒れというか、見かけ倒しの作品ではありませんでした。
 「『お前の人生はロクでもない』と評価されてしまった時、人はどうするのだろうか?
 この作品は、そういった問いに対する答えの一つなのではないでしょうか。


 クスノキという男が主人公なのですが、作品冒頭の小学校時代の回想シーンがヒドイですw なんていうか、ロクな大人にならないんじゃないか的な雰囲気が漂っています。 「鼻もちならない」ってこういう時に使うんだな、という凡例になりそうなお子様です。
 が、作品中盤から確実に「まとも」な方向に向かっていましたね。自分勝手な人間が、周りに目を向け始めた感じです。

 一方で監視ミヤギさんですが、色々謎な人でした。
 ただ監視対象者がやけを起こして問題行動に走らないかを監視しているだけで、死神のようなものでもない。というか、人間だそうで。 でも監視対象者以外には姿を認識されないとか。
 その謎も魅力の一つになっている不思議な人でした。 それらの謎は謎のままで放置されていますが、特に気にはなりませんでした。



 基本的には、この二人を中心にした変則的ボーイミーツガールものです。
 命がかかった状況でのラブストーリーですが、一昔前に流行った「病気で相方が死ぬ」タイプ、携帯小説タイプの物語ではありません。
 そういった自己陶酔型の物語ではないので、それらが苦手な人にもおススメです。

 また、そういった作品にありがちな鬱屈した空気はほとんどありません
 むしろ作品終盤になり、リミットが近づくにつれて前向きになっていく作品です。 でもそれもカラ元気とか、諦めから来る明るさではないところがこの作品の魅力だと思います。


 個人的には、このクスノキ・ミヤギコンビの話だけではなく、他の人間のエピソードも見たかったですが。
 ミヤギ自身のエピソードや、これまで担当してきた人たちの話はありましたが、そうした人たちにも焦点を当てたと言うか、彼らを主人公にしたお話もあったら良かったです。
 オムニバス形式で。

 単純にこの世界観での、他の物語も読んでみたいなという単なる願望です(^_^;)
 『世にも奇妙な物語』にありそうな、面白い世界観だと思ったので。
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ゆーいちです。

このブログでは特にジャンルを絞らず、自分が読んだ作品の感想を書いていこうと思います。
記事中の作品についての評価は、おススメ度と見てください。

出来るだけ週一程度のペースで更新していきたいと思います。

よろしくお願いいますm(- -)m

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