七尾与史『ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件』 (幻冬舎文庫)

ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件 (幻冬舎文庫)ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件 (幻冬舎文庫)
(2013/04/10)
七尾 与史

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 最近読んだ『圏内ちゃん』がおもしろかったので、久々に七尾さんの他の作品も購入。

評価(☆5が満点)
☆3.5

あらすじ
 静岡県浜松市近郊で起こった残虐な連続放火殺人事件。被害者は元ヤクザ、詐欺師、OLとなんら共通点のない人々ばかり。さらには「ドS」で知られる美人上司の黒井マヤ(くろいまや)は死体に萌えるばかりでまったくやる気なし。
 一方で、そんな上司に振り回されているばかりの彼女の相棒・代官山脩介(だいかんやましゅうすけ)は、共通点の見えない被害者の間で「悪意のバトン」が受け渡されているのではないかと気付き…。

感想
 本作は、『圏内ちゃん』で折に触れて人物紹介がされていたコンビが主人公ということで購入しましたが、面白かったです。七尾さんは、こういったコメディタッチのミステリー作品が上手ですね。


 さて、ドS刑事の黒井マヤですが、「ドS」と言うよりかは「毒舌家」と言った方が合っている気がします。
 部下の代官山君をいじめて喜んだりしていませんからねw
 『謎解きはディナーの後で』等に見られるような毒舌家さんでした。彼女の特徴は、ドSとか性格的な面ではなく、どちらかと言うと嗜好の問題でしょうね。
 猟奇趣味の刑事とか、とんだブラックです。現場は荒らさないでくださいね!
 
 代官山君は、どうしてあれだけの推理力と言うか思考力があるのに巡査でいるのでしょうか?(刑事機構の中では最も下の階級。しかも30代で)
 昇進試験が性に合わないとかあるにしても、もう少し昇進していてもいいのではとおもったり。現に同期で警視になっている人間がいると言う設定もあるし(ノンキャリで)。
 最新刊では、警視庁の捜査一課に引き抜かれていたりしているそうなので出世はしているのか?
 マヤのおかげか?(彼女の父親は警察庁の副長官という話)


 謎解き、キャラクターともに面白いお話でした。とってつけたような無理やりな展開も無く、綺麗に読ませてくれました。
 サブタイトルと表紙絵がヒントですね。
 マヤの言行に首肯しかねる部分があったことぐらいが、気になるところでしたかね。

 続編がもう二冊ほど出版されているそうなので、追いかけてみようかなと思います。
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歌野晶午『絶望ノート』 (幻冬舎文庫)

絶望ノート (幻冬舎文庫)絶望ノート (幻冬舎文庫)
(2012/08/02)
歌野 晶午

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評価(☆5が満点)
☆3.5

あらすじ
 中二の太刀川照音(たちかわしょおん)は、いじめられる悲しみを日記帳に綴っていた。ある日いじめのあまりの苦しさに「神よ、是永(これなが)を殺してください」と記した。すると間もなく、いじめの主犯格だった是永が死んだ。しかし一向にいじめは止む気配が無い。次々にいじめをするクラスメイトの名前を書いた。彼らも死んだ。警察は関係者の一人として照音を取り調べるものの、どの事件に関してもアリバイが成立。
 犯人は一体誰だ?まさか、神が?

感想
 『葉桜の頃に君を想うということ』と同じ系統でしたね。
 ただ、個人的にはこの『絶望ノート』の方が好みですが。ちなみに売れたのは前者の方だそう。

 叙述トリックですので、内容にはあまり触れないことにします。
 ぜひ読んでみて、驚いてください。
 全容を把握してからストーリーを振り返ると、これまでの物語が全然違ったものに見えて驚けるかと思います。『葉桜』でもそれはありましたが、こちらの方は180度違って見えるのではないでしょうか?

 これまで見せられていた物は一体何だったんだろうか?

 そんなことを思ったり。
 ここまできれいに決まっている叙述トリックと言うのも珍しいのではないでしょうか?

 犯人はヒドイ奴だ。
 普通の犯人に輪を掛けてヒドイ。
 ネタバレになるので言えませんが、最低の部類の人間でしたね。欠片も同情出来ない犯人も珍しい。


 本筋とは特に関わりませんが、本作はザ・ビートルズの影響が色濃いです。
 私は殆ど曲などを知らないので、サッパリでした(^_^;) TVでよく流れる曲程度しか知りません。『鑑定団』とかw
 解説を読んで納得した口です。
 主人公の照音は、ジョン・レノンの息子ショーンから取っていたり、章題が楽曲名だったりしているそうです。

 今でいうキラキラネームでしょうね。
 「そりゃいじめられるだろう」と容易に想像出来ますよね。 あだ名は「立ちション」だそうな。

浦賀和宏『こわれもの』 (徳間文庫)

こわれもの (徳間文庫)こわれもの (徳間文庫)
(2013/05/02)
浦賀 和宏

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評価(☆5が満点)
☆3.5

あらすじ
 婚約者の里美(さとみ)を突然の交通事故で失った漫画家の陣内龍二(じんないりゅうじ)は、衝撃のあまり連載中の自身の作品のヒロインを作中で死なせてしまう。人気作品の人気ヒロインであったこともあり、当然ファンからは罵倒の嵐を浴びる。しかしその中に、どうやってか里美の死を予言する内容の手紙があった。送り主の神崎美佐(かんざきみさ)とは何者なのか?本当に死を予知する能力を持っているのか。永遠に失われてしまった愛しい人への思いの果てに、陣内が辿りつく結末とは。

感想
 「浦賀さんの作品」でした。 いつものように独特の読後感を与えてくれます。
 ただ、今回はどんでん返しに重きが置かれているような感じがしました。

 今作は普通にミステリー
 『彼女のため生まれた』のような、気味の悪さのようなものはありませんでした。
 キモイ登場人物は出てきますがw


 筋としては、陣内のもとに届いた婚約者の死を予言したようなファンレターの謎と、その送り主に関しての謎が主です。もう一つの視点として、陣内作品の熱烈なファンというかマニアというかオタクくん視点が、サブとして置かれています。
 両者の視点は途中で混じり合い、物語の結末へと向かっていきます。

 サブ視点であるオタクくんが、これまた典型的ないわゆる「キモオタ」として造形されていて、とてもキモイですw
 どうしてこんなキャラクター付けにしたのか…。
 普通の熱烈なファンでよかったのでは、とか思ったり。
 浦賀さんはオタクに何か含むところでもあるのでしょうか(笑)


 本筋に戻しますと、相変わらず丁寧に伏線がはれている等、しっかりとした構成の作品でした。
 「あ、それがここでそう繋がるのか」と気付かされたりします。
 それ故にと言うか、途中で先の展開がある程度予測できてしまったりはします。それぐらい丁寧に書かれています。


 が、最後のどんでん返しは結構な大業でした。驚きが大きいと言うか、大仕掛けですね。

 「最後の1ページであなたは何を思いますか」

 と背表紙の「あらすじ」にありますが、最後の最後で考えさせてくれました。
 あの人はあの後どうしたのだろうか。
 色々想像させられます。幸せになれていればいいなと思いますが。
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ゆーいち

Author:ゆーいち
ゆーいちです。

このブログでは特にジャンルを絞らず、自分が読んだ作品の感想を書いていこうと思います。
記事中の作品についての評価は、おススメ度と見てください。

出来るだけ週一程度のペースで更新していきたいと思います。

よろしくお願いいますm(- -)m

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