北山大詩『犯罪共鳴 壊兎 タナトス症候群』 (富士見L文庫)

犯罪共鳴 壊兎 タナトス症候群(シンドローム) (富士見L文庫)犯罪共鳴 壊兎 タナトス症候群(シンドローム) (富士見L文庫)
(2014/08/09)
北山 大詩

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 最近創刊された、富士見L文庫レーベルから出版された作品です。
 物は試しと早速購入してみました。

評価(☆5が満点)
☆3

あらすじ
 近頃都内を騒がせている、「女子高生連続誘拐殺人事件」と「連続放火事件」。
 多数の犠牲者を出していることとその猟奇性から、数年前に発生した史上最悪の猟奇殺人事件の逃亡犯「タナトス」の再来かと騒がれていた。皆が慄き、警察もなかなか犯人逮捕に至らず捜査は困難を極めていた。
 近々新しい学校に着任することになっていたスクールカウンセラーの各務原更紗(かがみはらさらさ)は、公園で行き倒れていた匂いフェチの高校生、支倉海斗(はせくらかいと)を拾う。普段は普通の高校生の海斗だが、ある事件の際に「あの犯行にはユーモアが無い」と言い放つ。
 犯罪の思考に共鳴してトレースできる感受性を持つ海斗。彼はさらに「タナトスの弟」という秘密を抱えていた。海斗がこの二つの事件に巻き込まれることになったのは偶然なのか、それとも…。

感想
 ミステリーということで、レーベルの他の作品を置いて選びました。
 実のところあまり期待はしていなかったのですが、予想外に面白かったです。
 北山先生、すみませんw(>_<)

 「犯罪共鳴」とタイトルにあるので、サイコメトリーのような超能力を用いたなんちゃってミステリーかと思いきや、きちんとミステリーをしていました。海斗君の力は、まぁ特殊能力のようなものですが、その力に任せたトンデモ解決や力技は無く、好感が持てました。

 登場人物が多く(冒頭の一覧によれば20人)、人間関係がややこしいですw が、文章が分かりやすいため、読んでいて混乱することはそうありません。時々久々に出てきた人物を誰だか忘れているぐらいですw
 各登場人物も、現実離れしたキャラクター付けがされておらず、適度な現実味を持っているので作品が締まっている気がしました。突飛なストーリーではなく、現実にもありそうな感覚を持たせる感じになっています。

 そうした現実味を帯びたミステリーという部分がこの作品の特徴になっていると思います。かと言って二時間ドラマのようなどろどろした人間関係はなく、現代的というか結構あっさりした事件になっています。
 主人公海斗の能力の特異さにも関わらず、地に足がついた作品になっています。
 

 この作品ですが、時節柄よく出せたなぁと思いました。作品中、結構残酷な描写があったり、そもそも猟奇的な殺人事件が題材なので。しかも高校生がメイン被害者…。がんばりましたね、富士見書房さん。

 次巻が出版されたら、また購入しようと思います。そう思えるほどには面白かった作品です。
 海斗と久遠刑事との過去の関係とか、タナトス事件に絡んだ裏側(アキ姉の話とか)とか。まだまだ気になる話がありますし、今後の展開も気になります。あと、更紗のたち絵が気になります。あとがきに更紗のキャラデザは可愛いとあったのが気になります(*_*) 本編では登場していなかったので。

 次作以降もあまり猟奇的な方向に走ることなく、このままの調子で作品を作って欲しいです。出版されるためにもw
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榊一郎『ザ・ジャグル〈1〉』 (ハヤカワ文庫JA)

ザ・ジャグル―汝と共に平和のあらんことを〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)ザ・ジャグル―汝と共に平和のあらんことを〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)
(2010/01/30)
榊 一郎

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 SF第4弾ですw  『神曲奏界ポリュフォニカ』の榊さんの作品だそうです。『ポリュフォニカ』読んだこと無いんですけどね。

評価(☆5が満点)
☆3

あらすじ(一巻のものです。シリーズ全5巻。完結)
 地球国家群間の大戦終結後、復興と平和のシンボルとして建設された永久平和都市オフィール。軌道国家群から軌道エレベーターでやって来たキャロルとシオリは、仕事として都市の取材をしていくうちに表層に見える平和に疑問を抱く。
 やがて取材を続けるうちに都市に対するテロや大規模犯罪などを発生前に闇へと葬る特殊部隊「手品師ザ・ジャグル」の噂を耳にする。さらに取材を続けるうちに、「永久平和都市」を名乗るこの都市の危うさと真実の姿に触れることになる。

感想
 最近の個人的ブームであるSF作品の4つ目でした。

 今回は軌道エレベーターが登場しましたね。これまでの三作品では登場していなかったので、新鮮でした。
 大林組は本当に建設するのでしょうか?
 材料は?予算は?と、現実世界で実現されるにはまだまだ課題は多そうです。

 物語は大戦で荒廃した地球を舞台にした物です。終戦から間もなく(5年後)、「平和」を謳っているオフィールにも争いの影が見え隠れしています。
 その危うい平和を維持している特殊部隊と、都市外から来たキャロルとシオリを中心にストーリーが展開します。平和維持の当事者と部外者の二つの視点から、オフィールという都市が孕む問題が描き出されています。

 軌道エレベーターはどうやって建設したのか気になりましたw
 本編中での技術的なものは、戦闘機械に関する技術がほとんどですね。巻末に付録で解説がされていたりします。裏設定というか、細かな設定がたくさんあるようですね。
 その戦闘機械がおもしろかったです。高速思考戦闘を可能にする機構だとか、超振動ナイフとか。ただのロボットではないところが興味を引きました。

 登場人物は、というか「手品師」に所属しているメンバーのコードネームがルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』の登場人物たちに依拠したものになっています。が、『アリス』を用いた裏設定みたいなものは特になさそうです(2巻までしか読んでいませんが)。
 ところで、ヒロインの名前はキャロルですが、彼女によくからんでいる男性主人公のコードネームが「三月兎」なのはなぜでしょうか?個人的には「白兎」の方が合っている気がするのですが。ちなみに「白兎」はちゃんと居て、女性です。

 一巻は長編、二巻は中・短編集のような感じでした。
 三巻以降はどうしようか迷っています。あらすじを見る限りでは、個人的には興味がわかない方向に向かっているようなので。 面白くなくはなさそうなのですが、楽しめるのかなと。
 余談ですが、個人的には一巻よりも二巻の方が楽しめました。


 最後に注意というか、難点をば。 
 この小説ですが、独特な読みをさせるというかルビを振るので、読みにくい部分がありました。そこが気にならなければ、楽しめると思います。

じんたね『キミ、色、トウメイ』 (ぽにきゃんBOOKS)

キミ、色、トウメイ (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)キミ、色、トウメイ (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)
(2014/08/03)
じんたね

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 あらすじに惹かれて購入。 ぽにきゃん…。

評価(☆5が満点)
☆2.5

あらすじ
 主人公、氏家要(うじいえかなめ)の通う夏丘学園には一つの噂がある。
 曰く、「自分の身体の一部が透明になり、最終的には消えてしまう」。
 この噂の出所を突きとめるよう、学園の生徒会に依頼された氏家は、学園の有名人の椹目美智子(さわらめみちこ)とともに調査にあたることになる。学園内でもいわくつきの場所に潜入することになった氏家は、そこで学園に通っていながら今まで知らなかった信じがたい事実と直面することに。
 
感想
 微妙でした…。
 ミステリー風ラブコメ風小説でした。

 学園の設定にまず突っ込みたくなりました。いや、そりゃねえよってw
 制度的にはあり得ない訳ではないのですが、違和感がすごい。この学校には絶対通いたくないと思いましたね。エリート(笑)がいっぱいいそうで。

 一番の謎は、透明化現象が一体どういうものなのかが不明なままだと言うこと。
 謎解きがお話のメインなのに、肝心な謎が残されたまま。お話の展開上、続編は出にくいと思うので、謎は謎のままになりそうです。
 そもそも一番興味を引くであろうはずの透明化現象の謎解きがされていないという…。噂の出所なんて別に…、それが終わったら現象そのものの謎解きしましょうよ。


 登場人物も微妙です。
 メインヒロインの子は、悪くはないと思います。が、サブヒロインの椹目さんが微妙。てかサブヒロインかな?名前が読みづらい系のキャラでした。言葉遣いが変です。
 他の超常人物たちは影が薄かったですね。基本的に主人公とヒロインの刀屋理樺(かたなやさとか)のから実をメインに、時々サブヒロインが絡む感じで進みます。それ以外のキャラはいてもいなくてもいい感じでした。

 てかこの本、キャラクターの名前が読みにくくてイライラします。
 特徴はそれぐらいでした。後はストーリーも含めて、微妙です。 購入は考えてもいいかもしれません。
 ポニキャン文庫でアタリを引いた記憶が無いorz
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ゆーいち

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ゆーいちです。

このブログでは特にジャンルを絞らず、自分が読んだ作品の感想を書いていこうと思います。
記事中の作品についての評価は、おススメ度と見てください。

出来るだけ週一程度のペースで更新していきたいと思います。

よろしくお願いいますm(- -)m

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