神西亜樹 『坂東蛍子、日常に飽き飽き』 (新潮文庫)

坂東蛍子、日常に飽き飽き (新潮文庫)坂東蛍子、日常に飽き飽き (新潮文庫)
(2014/08/28)
神西 亜樹

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 新創刊された「新潮文庫NEX」刊行第一弾の一作です。
 第一回新潮NEX大賞の大賞受賞作だそうです。

評価(☆5が満点)
☆3.5

あらすじ
 その女子高生、名前を坂東蛍子(ばんどうほたるこ)という。タクシーに乗れば誘拐事件、出歩けば十重二十重のストーカー包囲網、恋に落ちようものなら世界が震撼する。
 だがそれも本人は預かり知らぬこと。彼女自身は、無邪気に素晴らしき青春を謳歌し、今日も今日とて道のど真ん中を闊歩して人生の大海原を自由気ままに航海するのである。

感想
 本当は、同時刊行された河野裕『いなくなれ、群青』を購入するつもりでいてこちらはサブの予定でした。知らない作者さんでしたので。河野さんはスニーカー文庫で『サクラダリセット』を出されていたので名前は知っていました。

 肝心の作品ですが、表現が難しい作品です。
 『森見登美彦と万城目学を足して8掛けした人が、『涼宮ハルヒの憂鬱』を書いたような感じ』だと思いました。
 森見さんと万城目さんの遊び心というか、訳分からなさでもって、『ハルヒ』のような小説を書いた感じです。
 ちなみに、褒めています。

 自分の周りではとても不思議な、人によっては大変な事件が起きているのに中心にいる人間、蛍子はそれに気付けない、というか気付かない。
 知らず知らずのうちに事件の中心に居座る。
 そんな主人公です。


 現実味を維持していた第一話から読んでいる内にあれよあれよと別次元に連れていかれ、最終的には宇宙人が地球に攻めてきました。どうしてこうなった…。
 何を言っているのか分からないと思いますが、私にもわかりませんw
 しゃべるぬいぐるみ、人形。宇宙人、CIA、哲学する猫。
 
 色々なものが盛りだくさんで、ドタバタしているコメディーなのですが、意外に破綻をきたしていない。そこに作者さんの上手さを感じました。
 文体は三人称や一人称がごちゃごちゃしていて、混乱しますが、慣れてくると不思議と気になりません。私は読み始めの時イライラしましたw
 話の展開もテンポが良く、読んでいて飽きさせません。 また所々でクスッと笑わさせてくれました。


 タイトル的には地雷臭がしないことも無いのですが、読んでみて損はしない作品だと思います。
 ぬいぐるみのロレーヌがお気に入りです。
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志倉千代丸『Occultic;Nine 1』 (オーバーラップ文庫)

Occultic;Nine1 -オカルティック・ナイン- (オーバーラップ文庫)Occultic;Nine1 -オカルティック・ナイン- (オーバーラップ文庫)
(2014/08/22)
志倉千代丸

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 『シュタインズ;ゲート』でご存じの方も多いであろう、志倉千代丸さんのラノベデビュー作だそうな。
 何故ラノベ?
 まぁ、気になってというかまんまとマーケティングにハマって購入w

評価(☆5が満点)
☆2.5

あらすじ
Q.幽霊を信じますか? ―A.そんなのいるわけないっしょ!
 高校生の我聞悠太(がもんゆうた)は、地元密着系オカルトまとめブログ『キリキリバサラ』の管理人。運営しているブログは、オカルトネタっぽいニュースをバサバサ切り捨てるのが信条のアフィリエイトサイトで、アフィリエイト収入で一攫千金を目指していた。そんな悠太が運営するブログを中心に、見ず知らずの9人の運命が交錯し始める。
 黒魔術、死後の世界、超能力、占い、異次元、予言、催眠術、都市伝説。
 この世界はインチキで満ちている!

感想
 個人的にはまったく信頼の持てないオーバーラップ文庫さんですが、作者に釣られて購入w
 が、意外としっかりしてました。作者が違うと変わるもんですね。

 今回は『シュタゲ』の科学系ではなく、超常科学系のお話だそうです。
 でもまたまた暗躍する何かの組織の陰謀を中心に、登場人物たちが右往左往するお話でした。
 登場人物は、タイトルにもあるように9人。それぞれとても個性的な性格をしていました(^_^;) というか、個性的過ぎてついていけない感じが…。

 『シュタゲ』の時もキャラは濃かったですが、今回は濃すぎて。「りょーたす」ぐらいでおなかいっぱい。
 ぶっ飛び過ぎていて、ときどき引きました。
 でもこれが「今っぽい」高校生なんでしょうか?

 ストーリーとしては、二巻目以降に引き続くということでさわりだけ、キャラ紹介だけに留まっていますね。
 謎は提示だけされていて、答えは今後といった感じです。
 『シュタゲ』のように諸々の伏線が上手に、綺麗に回収されていくことを期待しています。
 現状、淡々とというか混沌とした感じで話が進行していますが、今巻では盛り上がりには欠けている気がします。次回以降で全ての登場人物が絡み始めてから、面白くなっていくと思います。


 基本的にキャラがうざい、話の盛り上がりはまだない、ということで全体としての評価はイマイチです。
 今後に期待な作品でした。
 やっぱり「オーバーラップ」かorz

PSYCHO-PASS サイコパス (上) (角川文庫)

PSYCHO-PASS サイコパス (上) (角川文庫)PSYCHO-PASS サイコパス (上) (角川文庫)
(2014/08/23)
深見 真

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評価(☆5が満点)
☆3.5

感想
 同名のアニメを原作とした、ノベライズ版です。
 最初にアニメが放送された時に見てから、結構好きな作品です。
 実は角川文庫から出版される以前にも出版されているのですが、角川文庫版の今回購入しました。現在、原作アニメの方はフジテレビのノイタミナ枠で新編集版として再放送されているので、そちらもどうぞ。

 本作ですが、現在放送されている新編集版のようにところどころに槙島聖護(まきしましょうご)や鮫噛慎也(こうがみしんや)のモノローグなどが追加されていました。そうしたちょっとした追加要素以外は、特に大きな変更はありません。あの人が居なくならなかったり、居なくなったりはしてませんw
 あ、でも六合塚(くにづか)さんと唐乃杜(からのもり)先生との関係にはびっくりですw 本編見てた時、別に気にしてなかった。 


 アニメ版が好きな方は読んでみても損はないと思います。
 また、今秋から二期が放送され、冬には劇場版が公開される予定だそうですので、それに向けての予習・復習にもいいかもしれません。
 てか、二期はどんな話になるのでしょう? 楽しみです。

 他方で、この本から入られる方でも十二分に楽しめると思います。
 ジャンルとしては、未来の日本を舞台にしたミステリー仕立ての警察小説になっています。『攻殻機動隊』をより警察寄りにしたものと言えばいいでしょうか。
 基本的にはミステリーです。複数の事件を追ううちに、その背後にあるより大きな犯罪に気がついて、その捜査を進めていく形でストーリーが展開します。
 ただ、タイトルからも想像されるようにグロテスクな犯罪もあります。実際、現在再放送中の或るストーリーは放送が中止されました。ナイスボート。

 ですので、そういったものが苦手な方は、注意してください。
 作品自体は、しっかりした作りの話です。ミステリー部分もしっかり考えられていますし、その他の部分もしっかり作られています。 『色モノ』という色眼鏡を外して、ぜひ、読んでみてください。SFものとしてもミステリーとしても楽しめるかと思います。

山元渚『吉野北高校図書委員会』 (角川文庫)

吉野北高校図書委員会 (角川文庫)吉野北高校図書委員会 (角川文庫)
(2014/06/20)
山本 渚

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評価(☆5が満点)
☆3

あらすじ(このあらすじは一巻のものです)
 男友達だった同級生の大地が、後輩の女の子と付き合い始めた。彼女なんてつくらないと言っていたはずなのに。
 彼らと同じ委員会で接するうちに、自分の大地への微妙な思いを自覚していくかずら。
 また、同じ図書委員でクラスメイトの藤枝は、大地への想いにフタをしようとするかずらに、もどかしいを想いをしていた。いじましいかずらの振る舞いに、もどかしさを押さえられず…。

感想
 すがすがしいほどに青春小説でした。
 そして、同じ程度に日常系。びっくりするぐらい何も起りませんw
 イベントが無いだけであって、山なし谷なしという訳ではないのでご安心を。

 あと一つ注意を。
 私がここに感想を書いていているものは、実はMF文庫から出版されたものであって、現在角川文庫から再販されているものではありません。 にも拘らず、紹介先のものは角川になっています。これは単に最近再版されたものということで、新しい方を紹介した方がいいと思ったためです。


 さて、作品の方に話を戻します。
 先に書いたように実にすがすがしい青春小説でして、誰もが経験したであろう高校時代の、あのもどかしい思いをした時期を思い出せますよ。
 現在暗黒面に堕ちている人は、彼らのまぶしさに当てられてダメージを受けかねないほどの青春ですw

 登場人物は、タイトルにもあるように吉野高校の図書委員会のメンバーです。
 委員長、岸本一(きしもとはじめ 愛称:ワンちゃん)
 副委員長、武市大地(たけいちだいち)
 副委員長、川本かずら(かわもとかずら)
 書記、藤枝高広(ふじえだたかひろ)
 委員、西川行夫(にしかわゆきお)
 委員、上森あゆみ(うえもりあゆみ)
 司書教諭、牧田先生
 彼ら図書委員会のメンバーを巡って起こる、様々な葛藤などを描いた作品です。

 一巻のメインは、大地とあゆみのカップルを見つめるかずらのお話です。そしてかずらを見つめる藤枝の話でもあります。
 このかずらと藤枝の二人が、まぁよくある「仲が良い男女の友達」なんですわ。 
 ということは…。というぐらいよくあるお話ですが、不思議と楽しめました。登場人物のみんなが、裏表のない素直な子たちだからでしょうか?

 また本作は、二巻、三巻とありまして、他の図書委員会のメンバーにもスポットライトを当てながら、高校生という誰もが経験する青春の一時期を見事に描いております。
 二巻では、ワンちゃんこと委員長の初恋模様がえがかれます。
 三巻では、再びかずらと藤枝の二人を中心としたお話です。


 携帯小説のような、ドラッグ・援交・DVといった「現代的」らしい話とは違う、何時までも変わらずにそこにあるような、すがすがしい青春小説でした。

吉野北高校図書委員会〈2〉委員長の初恋 (角川文庫)吉野北高校図書委員会〈2〉委員長の初恋 (角川文庫)
(2014/08/23)
山本 渚

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犬村小六『とある飛空士への誓約 6』 (ガガガ文庫)

とある飛空士への誓約 6 (ガガガ文庫)とある飛空士への誓約 6 (ガガガ文庫)
(2014/08/19)
犬村 小六

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 『とある飛空士』シリーズの最新刊です。
 このシリーズは、劇場アニメ化もされた『とある飛空士への恋歌』以来の長いおつきあいです。

評価(☆5が満点)
☆3.5

あらすじ
 敵対する三つの勢力へとバラバラに分かたれた「エリアドール」の七人は、あの時交わした誓約を胸にそれぞれの場所で頭角を現しつつあった。秋津連邦首都・箕郷防空任務に就いた清顕(きよあき)は、軍部の思惑により英雄として祭り上げられ、今や敵対するセントヴォルト帝国のエースとなったイリアの撃墜を強いられる状況に追い込まれる。
 両国の威信を掛けた最新鋭機をそれぞれ託された二人は、単機で戦局を決めうる力を秘めた翼に乗り、戦場で再会を果たす。葛藤と煩悶の末、互いを、そして仲間を想いあう二人は戦場の空での一騎打ちへと誘われる。
 第二次多島海戦争編完結。

感想
 清顕とかぐらが捕縛状況からヴォルテック航空隊の面々のおかげで解放された前巻から、舞台はいよいよイリアとの決戦へ。
 物語序盤でも描かれた、イリアが夢で見たイリアと清昭の決戦の巻でした。敵と味方に分かれてかつての仲間と干戈を交える。今では現実には想像し難いことですが、かつては実際にもあったのでしょうね。


 さて、作品中の話に戻りますが、本作品のクライマックスであろうところのイリアと清顕の決闘ですが、結末的にはよかったと思います。
 その脇から見ている分には良かったと思える結末を得る上で、多大な犠牲がありましたが。それでもああいう形で落ち着けたことは、イリアと清顕的にも救いにはなるのかもしれません。 まぁ、かと言って彼らが自分を許すことはないとは思いますけど。

 結末としてはある程度予測できたとは言え、最後までドキドキしながら読ませてもらいました。
 ひとまずはよかったと言わせてもらいます。イリアには色々頑張って欲しいです。
 清顕、許すまじw


 個人的には、本作は単なる戦争を舞台にしたフィクションではなく、きちんとした心理描写なり、人物描写、戦争描写がされているところがすばらしいと思います。
 それに伴う臨場感がより一層物語を盛り上げているのではないでしょうか。

 また同時に、戦争というものを見せものに貶めていないところも素晴らしいですね。
 悲惨さや痛み、苦悩、煩悶もきちんと描かれている。戦争を舞台装置としてだけの利用で終わっていない。
 どこぞのゲームとは違うと思いますね。まぁ、あれは戦争を舞台にしただけのキャラゲーですし。
 それはそれとして、あのゲームを見て「戦争したいのか」とかいう気にもなりません。この主張、的はずれもいいところな気がします。

 
 さて、この6巻で第二部が終了して、7巻から第三部になるそうです。
 身を委ねる先を変えた彼らのお話がどこに向かうのか気になりますね。特に、ウラノス側の大展開がありましたし。また前シリーズのイスラの面々、前前作の女王さまたちとの絡みも加えた、この作品世界の展開も気になります。

 個人的には、メインヒロインはイリアなのかミオなのかが気になるこの頃です。
 現状ミオが一歩リードですかね、既成事実的な意味でもw
 頑張れイリア!

武者サブ 『冴えない彼女の育てかた 恋するメトロノーム』 (ビッグガンガンコミックス)

冴えない彼女の育てかた 恋するメトロノーム(1) (ビッグガンガンコミックス)冴えない彼女の育てかた 恋するメトロノーム(1) (ビッグガンガンコミックス)
(2014/04/19)
丸戸 史明、武者 サブ 他

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 丸戸史明さんによる『冴えない彼女の育て方』というライトノベルのスピンオフコミックです。

評価(☆5が満点)
☆3

あらすじ
 『冴えない彼女の育て方』のヒロイン、霞ヶ丘詩羽(かすみがおかうたは)をメインヒロインに据えたスピンオフ作品。
 定期試験で学年一位を譲ったことのない、秀才で美人な先輩、霞ヶ丘詩羽。実は、彼女は現役女子高生ライトノベル作家、『霞詩子(かすみうたこ)』だった。
 霞詩子の作品、『恋するメトロノーム』の大ファンだった安芸倫也(あきともや)は、彼女のサイン会に参加したことをきっかけに霞ヶ丘詩羽本人と知り合うことになる。先輩後輩としてつきあっていたある日、突然彼女の担当編集に任命されることに。

感想
 先に書いたように、同名のライトノベルのコミック版です。
 原作も読んではいるので、楽しめました。
 本作は、原作を読んでいなくても楽しめるようなつくりにはなっていると思います。というか、基本的に主人公の倫也と詩羽先輩以外の登場人物はいません。ただ一人、元担当編集の町田さんだけが出てきます。あとは名無しのモブ。

 コミックスの一巻は、原作最新刊の『冴えない彼女の育て方FD ファンディスク』に収録されている詩羽先輩のストーリーを基にしています。
 二巻は、原作で語られた詩羽先輩の物語の拡張版のようになっています。作家デビューする前と、デビューしてから原作の時間に至るまでの過去編。それと倫也と詩羽先輩の「ある出来事」を巡る確執・葛藤と、克服のお話でした。
 確執と葛藤のお話は、解決はされません。
 というか、原作でも解決してないし、解決したら詩羽先輩エンドになってしまうwww それはそれでOKですが。

 個人的には、詩羽先輩の過去編が明かされた二巻が好きです。
 過去編は原作でも書かれていなかったお話なので、新鮮な感じで読めました。
 あと、また個人的に『冴えない彼女~』のヒロインたちの中でも詩羽先輩が好きなので、非常に楽しめました(*^。^*)
 原作絵もいいのですが、コミック版の武者サブさんの描かれる先輩もエロ可愛くて最高です♪
 話の方も、原作を壊すことなく、きっちりしていて安心できます。まぁ、原作の丸戸さんが監修しているようなので当然かもですが。

 来年の冬、原作の『冴えない彼女の育て方』がフジのノイタミナ枠でアニメ化されるようなので、興味がある方は予習されてみてはいかがでしょうか?
 原作は、7巻(本編6巻とファンディスク1巻)。
 コミックスの方は、二巻まで出版されています。

冴えない彼女の育てかた (富士見ファンタジア文庫)冴えない彼女の育てかた (富士見ファンタジア文庫)
(2012/07/20)
丸戸 史明

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入間人間『安達としまむら (3)』 (電撃文庫)

安達としまむら (3) (電撃文庫)安達としまむら (3) (電撃文庫)
(2014/08/09)
入間人間

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評価(☆5が満点)
☆3.5

あらすじ(3巻のあらすじです)
 2月4日、バレンタインデーの10日前。
 「14日に、しまむらは何か、用事ありますか?」
 放課後に二人で出かけたモール内のドーナツ屋の前で安達が聞いてきた。安達は鼻の上に加えて、手の甲まで真っ赤に染まっていた。そんな安達の決意に感心した私はこう答えた。
 「いいよ。今年はバレンタインやっちゃおうか」
 バレンタインデーまでの10日間、安達のドキドキな10日間がしまむらの日常にも彩りを加えていく。

感想
 表紙を見てもらえればある程度分かると思いますが、ゆりゆりしているお話です。
 いいですよね、百合。 『マリア様が見てる』とか、『キャンディーボーイズ』とかも面白いですよね。
 あ、そういう方向がダメな方はそっとタブかブラウザを閉じてくださいね。

 『ゆるゆり』か何かを意識して始めたらしいのですが、あまりそれっぽさはないです。コメディっぽさがないので。どちらかといえば『キャンディーボーイズ』の方が近いですね。『マリア』とは方向性が違います。


 この作品は、安達の可愛さがすべてですね!
 モジモジ感といい、テレっぷりといい素晴らしいですw 「恋してる」感じを前面に押し出してます。
 恋する乙女全開なところがいい。そしてやりすぎたかなとあとで凹むところとかもさらにいいw
 見た目(表紙左側)的には自分からぐいぐいアプローチに行きそうなのに、実は奥手というギャップもいいですよね。

 現状しまむらがなびきそうな感じは薄いですが、頑張れ安達!
 個人的にはキャラ絵が『ココロコネクト』の稲葉に見えてしょうがないですw が、稲葉んは好きなのでむしろアリ。

 続巻が出るのか分かりませんが、ぜひ書いて欲しいと思います。
 今回の終わり方だと出そうな気がしますが。2年生になった二人に期待です。


 さて、話は少し変わりまして、実は私入間人間の作品は基本的にあまり好きではありません。
 何故かと言うと、何を言っているのか分からないからです。文章が下手とかではなく、言っている内容に付いていけないのです。
 『青春女~』とか『壊れた~』も数巻読んでみましたが、数巻で挫折しています。

 どうしてそんな話をしたのかというと、この作品だけは普通に読めているからです。あ、宇宙人の彼女は別ですがw 何故この作品にもいるのかも謎ですね。
 ですので、これまで私と同じように入間作品が苦手だったと言う人にもおススメの作品です。好き嫌いは別ですが。苦手だからという理由で敬遠している方、読んでみてください。
 個人的には、一巻が出た時に敬遠せずに買ってみて正解だったと思っています。


ちなみに一巻目は、二人の馴れ初めというか、安達が自分の気持ちに気付くぐらいの時期のお話です。
二巻目は、二人の関係がだんだん進んでいくと言うか、安達が悶々とする時期のお話です。距離感に悩んだりしていますし、ヤシロ宇宙人が出てきます。

 
安達としまむら (電撃文庫)安達としまむら (電撃文庫)
(2013/03/09)
入間 人間

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安達としまむら (2) (電撃文庫)安達としまむら (2) (電撃文庫)
(2013/09/10)
入間人間

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鴨志田一『青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない 』(電撃文庫)

青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない (電撃文庫)青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない (電撃文庫)
(2014/08/09)
鴨志田一

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 『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の続編です。

評価(☆5が満点)
☆3.5

あらすじ
 前回の騒動からしばらく経ち、タレント活動に復帰した藤島麻衣(ふじしままい)。梓川咲太(あずさがわさくた)は、ようやく麻衣と付き合えることになり浮かれていた。
 しかしそんな咲太が告白のOKを貰えた翌日眼を覚ますと、前日に戻っていた。例によって「思春期症候群」が原因だと考えていた咲太の前に現れたのは以前尻を蹴り合った後輩、古賀朋絵(こがともえ)だった。なんと朋絵は、友人の意中の相手である先輩からの告白を避けるために逃げ回っているところだと言う。
 彼女の相談に乗っていると、咲太と朋絵が交際していると言う噂が校内に広まってしまうことに。しかも朋絵はこれ幸いと、咲太に恋人のふりをして欲しいと「偽の恋人」関係を望んできて…。
 咲太と麻衣の交際はどうなるのか!?

感想
 前回も面白かったですが、今作も面白かったです。
 今回はさらにタイムループものの要素も加わって、その分も面白かったです。

 藤島先輩は相変わらずツンデレさんでしたね。でもいい、かわいいからw
 ついに咲太の執念が実って、付き合うことになるようです。ツンデレで構ってちゃんって、いいですね。

 そしてただのサブキャラだと思っていた尻を蹴って来た後輩、朋絵が今作のメインになるとはw
 朋絵は、タイトルにもあるとおり小悪魔系でしたね。そこまでの小悪魔ではなく、本来は素直ないい子みたいですが。てか、本質的には由比ヶ浜ゆいと同じでしたね。『俺ガイル』のゆいちゃんです。

 理科室の双葉ちゃんも気になりますね。次回のメインキャラな気がしますw 
 頭が回る子のようなので、「思春期症候群」が発症したらメンドクサイことになりそうですね。逆にアッサリ解決するかもですが。本人の協力次第で。


 肝心のストーリーは、上手にタイムループものを活かしていて楽しく読めました。
 無意味にループが繰り返されるのではなくて、意味と必要があるものだったので読んでいても飽きませんでした。そのうえ、ループ毎に全てがリセットされるので、あったはずの咲太の麻衣への告白と麻衣の返事が無かったことにされます。
 そのために咲太と麻衣の恋の行方にもやきもきすることになります。その上、朋絵との「偽の恋人」関係も加わるので、さらにやきもきできますよ~w 
 

 『ペットな彼女』よりも個人的にはこっちのシリーズの方が好みです。 『ペットな彼女』は、途中でやめましたし。すみません。
 まぁ、いずれにせよ次回も出るようなので3巻目にも期待です。

森晶磨『黒猫の遊歩あるいは美学講義』 (ハヤカワ文庫JA)

黒猫の遊歩あるいは美学講義 (ハヤカワ文庫JA)黒猫の遊歩あるいは美学講義 (ハヤカワ文庫JA)
(2013/09/05)
森 晶麿

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 人気シリーズと帯にあったので購入。
 美学という馴染みのない学問が関わっているとのことなので、そこも気になりました。

評価(☆5が満点)
☆2

あらすじ
 美学・芸術額を専門にする若き大学教授、通称「黒猫」と、彼の付き人の大学院生。黒猫と彼女は、エドガー・アラン・ポオの講義を通して謎を解き明かしてゆく。
 でたらめに描かれた地図に隠された真実、しゃべる壁に隔てられた青年、川に振りかけられる香水、失踪した研究者と入れ替わるように現れた元研究者、消えた頭蓋骨を求める映画監督、楽器を使わずに奏でられる音楽。
 幻想と現実が混ざり合う時、日常に潜む謎が顔をのぞかせる。
 第一回アガサ・クリスティー賞受賞作。

感想
 個人的には楽しめませんでした。
 
 24才の大学教授、付き人(助手のような立ち位置でした)は同期生の女性。って、なんじゃそりゃ。
 設定もさることながら作中で頻出する教授黒猫による知識の披露。これでもかと繰り返されます。非常にうんざりしました。講義という副題ですが、単なる知識自慢にしか聞こえない。
 また黒猫先生には、ホームズのような傲慢さが見えますね。個人的にはホームズ氏は嫌いです。自分の知識をひけらかして他人をバカにする人種なので。


 本編はあらすじに書いたように、各章ごとに独立した連作短編集になっています。
 ですので、各話ごとに黒猫先生の蘊蓄が繰り出されることになります(´Д`)
 それはさておき、本作のテーマ、通奏低音的に全体を貫いているものがエドガー・アラン・ポオの美学的解釈ということになります。
 個人的にはこの作品で展開されている解釈は、ポオの作品を離れたものに思えてなりませんでした。
 ポオ作品には親しんでいないので、もしかしたら森さんの解釈の方がしっくりくる方もいるのかもしれません。その方が正しいのかもしれません。そこの部分の判断はつきかねると言うことはお断りしておきます。
 が、個人的には好き勝手に都合のいいようにこねくり回しているように感じられました。ちなみに、似たようなこと(作品そのものを離れた解釈の気ままな運用)は作中で黒猫先生その人が戒めていますwww ですので欺瞞に感じました。


 ですが、そうした表面的な部分を離れると、個々の短編毎のストーリー展開は面白かったです。
 「頭蓋骨を探す映画監督」のように、どういった話なのか予想がつかないものにもちゃんとオチが付けてあります。読み終えるとそれなりに納得のできるお話になっていました。
 ですので、個々のお話自体はそれなりに楽しめると思います。

 が、いかんせんいわゆるミステリーの仕様にはなっていません。読者も謎解きに参加して、先を、トリックを予測しながら読むようにはなっていませんでした。
 黒猫先生による、華麗な解決を見せられるだけの作品です。
 衒学趣味の方には楽しめるかもしれませんが、そう言った趣向が苦手な方にはおススメできません。また個人的には、黒猫のスカした感じも鼻に付きました。

北山大詩『犯罪共鳴 壊兎 タナトス症候群』 (富士見L文庫)

犯罪共鳴 壊兎 タナトス症候群(シンドローム) (富士見L文庫)犯罪共鳴 壊兎 タナトス症候群(シンドローム) (富士見L文庫)
(2014/08/09)
北山 大詩

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 最近創刊された、富士見L文庫レーベルから出版された作品です。
 物は試しと早速購入してみました。

評価(☆5が満点)
☆3

あらすじ
 近頃都内を騒がせている、「女子高生連続誘拐殺人事件」と「連続放火事件」。
 多数の犠牲者を出していることとその猟奇性から、数年前に発生した史上最悪の猟奇殺人事件の逃亡犯「タナトス」の再来かと騒がれていた。皆が慄き、警察もなかなか犯人逮捕に至らず捜査は困難を極めていた。
 近々新しい学校に着任することになっていたスクールカウンセラーの各務原更紗(かがみはらさらさ)は、公園で行き倒れていた匂いフェチの高校生、支倉海斗(はせくらかいと)を拾う。普段は普通の高校生の海斗だが、ある事件の際に「あの犯行にはユーモアが無い」と言い放つ。
 犯罪の思考に共鳴してトレースできる感受性を持つ海斗。彼はさらに「タナトスの弟」という秘密を抱えていた。海斗がこの二つの事件に巻き込まれることになったのは偶然なのか、それとも…。

感想
 ミステリーということで、レーベルの他の作品を置いて選びました。
 実のところあまり期待はしていなかったのですが、予想外に面白かったです。
 北山先生、すみませんw(>_<)

 「犯罪共鳴」とタイトルにあるので、サイコメトリーのような超能力を用いたなんちゃってミステリーかと思いきや、きちんとミステリーをしていました。海斗君の力は、まぁ特殊能力のようなものですが、その力に任せたトンデモ解決や力技は無く、好感が持てました。

 登場人物が多く(冒頭の一覧によれば20人)、人間関係がややこしいですw が、文章が分かりやすいため、読んでいて混乱することはそうありません。時々久々に出てきた人物を誰だか忘れているぐらいですw
 各登場人物も、現実離れしたキャラクター付けがされておらず、適度な現実味を持っているので作品が締まっている気がしました。突飛なストーリーではなく、現実にもありそうな感覚を持たせる感じになっています。

 そうした現実味を帯びたミステリーという部分がこの作品の特徴になっていると思います。かと言って二時間ドラマのようなどろどろした人間関係はなく、現代的というか結構あっさりした事件になっています。
 主人公海斗の能力の特異さにも関わらず、地に足がついた作品になっています。
 

 この作品ですが、時節柄よく出せたなぁと思いました。作品中、結構残酷な描写があったり、そもそも猟奇的な殺人事件が題材なので。しかも高校生がメイン被害者…。がんばりましたね、富士見書房さん。

 次巻が出版されたら、また購入しようと思います。そう思えるほどには面白かった作品です。
 海斗と久遠刑事との過去の関係とか、タナトス事件に絡んだ裏側(アキ姉の話とか)とか。まだまだ気になる話がありますし、今後の展開も気になります。あと、更紗のたち絵が気になります。あとがきに更紗のキャラデザは可愛いとあったのが気になります(*_*) 本編では登場していなかったので。

 次作以降もあまり猟奇的な方向に走ることなく、このままの調子で作品を作って欲しいです。出版されるためにもw

榊一郎『ザ・ジャグル〈1〉』 (ハヤカワ文庫JA)

ザ・ジャグル―汝と共に平和のあらんことを〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)ザ・ジャグル―汝と共に平和のあらんことを〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)
(2010/01/30)
榊 一郎

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 SF第4弾ですw  『神曲奏界ポリュフォニカ』の榊さんの作品だそうです。『ポリュフォニカ』読んだこと無いんですけどね。

評価(☆5が満点)
☆3

あらすじ(一巻のものです。シリーズ全5巻。完結)
 地球国家群間の大戦終結後、復興と平和のシンボルとして建設された永久平和都市オフィール。軌道国家群から軌道エレベーターでやって来たキャロルとシオリは、仕事として都市の取材をしていくうちに表層に見える平和に疑問を抱く。
 やがて取材を続けるうちに都市に対するテロや大規模犯罪などを発生前に闇へと葬る特殊部隊「手品師ザ・ジャグル」の噂を耳にする。さらに取材を続けるうちに、「永久平和都市」を名乗るこの都市の危うさと真実の姿に触れることになる。

感想
 最近の個人的ブームであるSF作品の4つ目でした。

 今回は軌道エレベーターが登場しましたね。これまでの三作品では登場していなかったので、新鮮でした。
 大林組は本当に建設するのでしょうか?
 材料は?予算は?と、現実世界で実現されるにはまだまだ課題は多そうです。

 物語は大戦で荒廃した地球を舞台にした物です。終戦から間もなく(5年後)、「平和」を謳っているオフィールにも争いの影が見え隠れしています。
 その危うい平和を維持している特殊部隊と、都市外から来たキャロルとシオリを中心にストーリーが展開します。平和維持の当事者と部外者の二つの視点から、オフィールという都市が孕む問題が描き出されています。

 軌道エレベーターはどうやって建設したのか気になりましたw
 本編中での技術的なものは、戦闘機械に関する技術がほとんどですね。巻末に付録で解説がされていたりします。裏設定というか、細かな設定がたくさんあるようですね。
 その戦闘機械がおもしろかったです。高速思考戦闘を可能にする機構だとか、超振動ナイフとか。ただのロボットではないところが興味を引きました。

 登場人物は、というか「手品師」に所属しているメンバーのコードネームがルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』の登場人物たちに依拠したものになっています。が、『アリス』を用いた裏設定みたいなものは特になさそうです(2巻までしか読んでいませんが)。
 ところで、ヒロインの名前はキャロルですが、彼女によくからんでいる男性主人公のコードネームが「三月兎」なのはなぜでしょうか?個人的には「白兎」の方が合っている気がするのですが。ちなみに「白兎」はちゃんと居て、女性です。

 一巻は長編、二巻は中・短編集のような感じでした。
 三巻以降はどうしようか迷っています。あらすじを見る限りでは、個人的には興味がわかない方向に向かっているようなので。 面白くなくはなさそうなのですが、楽しめるのかなと。
 余談ですが、個人的には一巻よりも二巻の方が楽しめました。


 最後に注意というか、難点をば。 
 この小説ですが、独特な読みをさせるというかルビを振るので、読みにくい部分がありました。そこが気にならなければ、楽しめると思います。

じんたね『キミ、色、トウメイ』 (ぽにきゃんBOOKS)

キミ、色、トウメイ (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)キミ、色、トウメイ (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)
(2014/08/03)
じんたね

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 あらすじに惹かれて購入。 ぽにきゃん…。

評価(☆5が満点)
☆2.5

あらすじ
 主人公、氏家要(うじいえかなめ)の通う夏丘学園には一つの噂がある。
 曰く、「自分の身体の一部が透明になり、最終的には消えてしまう」。
 この噂の出所を突きとめるよう、学園の生徒会に依頼された氏家は、学園の有名人の椹目美智子(さわらめみちこ)とともに調査にあたることになる。学園内でもいわくつきの場所に潜入することになった氏家は、そこで学園に通っていながら今まで知らなかった信じがたい事実と直面することに。
 
感想
 微妙でした…。
 ミステリー風ラブコメ風小説でした。

 学園の設定にまず突っ込みたくなりました。いや、そりゃねえよってw
 制度的にはあり得ない訳ではないのですが、違和感がすごい。この学校には絶対通いたくないと思いましたね。エリート(笑)がいっぱいいそうで。

 一番の謎は、透明化現象が一体どういうものなのかが不明なままだと言うこと。
 謎解きがお話のメインなのに、肝心な謎が残されたまま。お話の展開上、続編は出にくいと思うので、謎は謎のままになりそうです。
 そもそも一番興味を引くであろうはずの透明化現象の謎解きがされていないという…。噂の出所なんて別に…、それが終わったら現象そのものの謎解きしましょうよ。


 登場人物も微妙です。
 メインヒロインの子は、悪くはないと思います。が、サブヒロインの椹目さんが微妙。てかサブヒロインかな?名前が読みづらい系のキャラでした。言葉遣いが変です。
 他の超常人物たちは影が薄かったですね。基本的に主人公とヒロインの刀屋理樺(かたなやさとか)のから実をメインに、時々サブヒロインが絡む感じで進みます。それ以外のキャラはいてもいなくてもいい感じでした。

 てかこの本、キャラクターの名前が読みにくくてイライラします。
 特徴はそれぐらいでした。後はストーリーも含めて、微妙です。 購入は考えてもいいかもしれません。
 ポニキャン文庫でアタリを引いた記憶が無いorz

佐島佑『ハサミ少女と追想フィルム』 (角川ホラー文庫)

ハサミ少女と追想フィルム (角川ホラー文庫)ハサミ少女と追想フィルム (角川ホラー文庫)
(2014/07/25)
佐島 佑

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 最近の角川ホラー文庫、キャラミスとかの作品の分類に困っている管理人です(笑)
 ホラーなのか、ミステリーなのか。それともラノベの変種なのか…。手法がライトノベルに似ているので、ラノベでもいいのかも。

評価(☆5が満点)
☆3

あらすじ
 美術大学になんとなく入学した草食系男子、都築道郎(つづきみちろう)は、ひょんなきっかけで知り合ったおかしな先輩、檜垣鷹士(ひがきたかし)に誘われ、どういう訳かホラー映画を作ることに。
 勉強のためにと渡されたホラー映画を見る羽目になった道郎が、あまり乗り気になれないままに映画を見ていると、再生していたPC画面から突如大ハサミを持った少女が現れる。カルミンと名乗る少女につきまとわれることになった道郎は、やがてこの世のものではないもの、カルミンが「ハザマ」と呼ぶ世界が見えるようになり…。
 映画作りに奔走しつつも、ハザマが起こす不思議な事件をカルミンとともに解決していく。

感想
 『ホーンテッドキャンパス』の二番煎じ系かと思いきや、二番煎じでしたw
 が、キャラクターたちが立っているので、別物として十二分に楽しめる作品になっていました。

 管理人的には、ヒロインの速水理緒(はやみりお)が好きですね。
 ヒロインを好きになれるかどうかが、こうした作品のキモだと思うのですが、成功していますねw
 女の子女の子しておらず、サッパリしているというか、べらんめぇ?
 そこはかとない漢(おとこ)を感じますw かと言って可愛さが欠片もないわけでもないという不思議な女の子です。

 お話そのものは、基本的に『ホーンテッドキャンパス』を思い出してもらえればいいと思います。ただ、より現実味は薄くなっていますね。
 また同じように短編連作集の形をとっています。間延びせず、テンポ良く話が進んでいてスイスイ読めます。が、難点としては、ホラー要素がますます薄くなっているので怖くはないですし、かなりライトノベル寄りです。

 そもそも論として「キャラクターノベル」として作り、売り出している時点でライトノベルに近くなりますし、人によってはライトノベルそのものだと言うかもしれません。
 だからと言って、面白くないとかいう訳ではありません。ラノベだから、ラノベっぽいからという理由で敬遠しないで欲しいなと思います。面白い作品ならラノベだろうと一般書籍だろうと構わないと思います。
 

 ちなみに本書(続巻が決定しているようですが)では、まったく映画の撮影には入りませんでした。そして、映画論や撮影論などの話もほとんどありません。キャスト選びと、シナリオ作成に入ったところです。
 映画の話を期待されていると、肩透かしを食う可能性があります。反対に、小難しい映画論のような理論考察はまったくないので、ド素人でも入りやすいと思います。
 
 それはさて置き、結局ぼっちだった道郎くんはぼっちではなく、草食系と言いつつクラスの女子に囲まれるリア充でした…。サギですねw よくある展開なので、別にいいのですが。

 個人的には、「黄昏ノート」の話がおススメです。
 イイハナシダナー。

上田早夕里『華竜の宮』 (ハヤカワ文庫JA)

華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)
(2012/11/09)
上田 早夕里

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 またまたSFですw

評価(☆5が満点)
☆3

あらすじ
 ホットプルームの上昇による海底隆起により、陸地の大部分が海に沈んだ25世紀の地球。
 人類は未曽有の危機を辛くも乗り越え、激変した地上に適応して安定を取り戻した。地上に残った人類、陸上民は、僅かに残された土地と海上都市を中心に高度な情報社会を維持していた。他方海に適応するため遺伝子改造された人類、海上民は〈魚舟うおぶね〉と呼ばれる生物船を用いて、海上で自給自足の生活を営んでいた。
 外交官、青澄誠司(あおずみせいじ)は、狭くなった地球で人類が共存していくために日々様々な組織との交渉をこなしていた。そんな日々のなかで、もたらされたいつもと変わらない海上民との折衝のなかでツキソメという名の不思議な海上民の女性と出会う。そして彼女との出会いが、彼と人類をさらなる過酷な運命の変調へと導く。

感想
 純粋なSFでありながら、外交官の物語でもあるという面白い本でした。
 プロローグと終盤からエピローグにかけてがSF色が強く、中盤というか本編は「外交官青澄」といった感じが強いです。
 またプロローグが現代(2017)を舞台にしているので、物語の中心となる25世紀がさほど遠く感じないようになっています。書き出しから引き込まれました。

 また本作は、最新の地球惑星科学の理論を基にした世界観を持っているので、そこもいい意味でのリアリティの醸成に一役買っています。
 プルームテクトニクスとかプレートテクトニクスだとか、大学時代の講義を思い出しますねw とは言え、分かりやすさと読みやすさを作者さんが意識されているので、決して難しいことはなく、前知識が無くとも理解できるかと思います。


 作品は陸上民である青澄、海上民であるツキソメの二人の視点を交互に置いて書かれています。陸上から見た海上、海上から見た陸上という二つの視点から世界を見ることになります。
 また青澄の視点は、彼に付けられているアシスタント知性:マキによる一人称で語れています。ぱっと見は三人称の文体ですが。
 これも面白いですね。 最後の展開を考えると、色々ありそうですw


 個人的にはもっとSF的な背景、世界設定が気になるところです。
 魚舟とか、それから派生した獣舟とか。
 この時代の遺伝子改良技術とか。人間を完全に別の生物に作り替える技術があるとか、興味が尽きません。
 袋人とか。そうしたものが生み出された当時の時代のことも描いて欲しいですね。
 本書の越末に向かう数十年間のお話は、別作品として発表されているようなのでそちらは見てみようかと思います。
 

 本作品の終わり方は珍しいような気がしますが、どうなんでしょうか?
 管理人は判断しかねるので、「へぇ~こう言う終わりなんだぁ」と思いましたがw
 賛否はありそうですけどね。
 本書のテーマを考えた時、個人的には以外にありなのではないかと思います。

 印象に残ったのは、終盤の青澄の上司である桂大使のあるセリフです。
 すべてを受け入れてもなお進もうとする、桂大使の人間性が現れているいいセリフだと思いました。

伊藤計劃『ハーモニー 』(ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)
(2010/12/08)
伊藤 計劃

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 『スワロウテイル人工少女販売処』を読んで、SF作品を読みたくなり購入。
 ひとまず有名どころからということで、伊藤計劃さんの『ハーモニー』です。

評価(☆5が満点)
☆3

あらすじ
 21世紀前半、〈大災渦〉と呼ばれる世界的な大混乱を経て、人類は新しい社会形態、大規模福利厚生社会を作り上げていた。医療分子研究の進展によって人間社会から、殆どの病気、風邪までもが駆逐され、人間同士の想いやり、優しさ、倫理観が広がり、理想社会=ユートピアが実現していた。
 しかしそんな社会に蔓延るやさしさや思いやりを、見せかけにすぎないと考え、そんな社会で生きていくことに産んだ三人の少女は、餓死による自死を決行した。それは自死こそが、唯一許された自己表現だったから。
 事件から13年後、死ねなかった少女:霧慧トァン(きりえとぁん)は、突如として世界を覆い始めた大混乱の影に13年前に死んだ少女の影を見る。

感想
 面白かったです。
 
 ただ管理人は失敗しておりまして、先に前作である『虐殺器官』を読んでいなかったのです。
 読んでおくべきだった気がします(^_^;)
 もちろん今作『ハーモニー』単体でも十分楽しめますし、一冊で完成していますが、より深く楽しめたのではないかと。皆様は注意を。


 理想的な社会、ユートピア。
 聞いていると素晴らしい気がしますけど、やっぱりどこか胡散臭いですよね。餅に描いた絵というか…。
 今作では、そんなユートピアがある程度実現された世界でのお話となります。ある程度というのは、政治対立によって達成されていない地域が各地にのこされているためです。

 人間はみんな5歳を迎えると、体内に医療分子を入れ、常に体内をモニタリングすることで病気から免れています。それにより人間は老衰以外で死ぬことがほとんど無くなり、争いが無くなった社会となっています。
 生老病死の四苦の内、病とそれに伴って生も駆逐した形でしょうか。生きることが苦しみではない社会ですし。

 でもこれってよく考えるととても怖い気がしますけどね。 24時間常に監視されているとも言えますし。
 ユートピアに見せかけたただのディストピアですねぇ。
 そこに気付いたのが、主人公のトァンたち少女ということになります。主犯というか、気付きを与えたのは「死んでしまった」ミァハですが。

 京極夏彦『ルー・ガルー』、アニメ『PSYCHO; PASS』なんかの社会制度を思い出しました。
 理想的な管理社会。見せかけの平和。
 現実世界もその内そうなったりしそうで嫌ですねwもうなりかけているとも言えますが。


 そう言えば、この作品には大掛かりな仕掛けが施されています。
 本作品の結末に関わるものですので書きませんが、芸の細かさにびっくりです。
 ただ、個人的には本作品の結末は無いと思っています。非合理性と合理性が同居するのが人間、生命であると思うので、合理性のみになった場合、人間として、生命として在り続けられるのかと。


 伊藤さんの他の作品も読んでみようかと思います。
 伊藤さんが夭折されていなかったら、今はどんな作品を書かれていたのでしょうか。それも気になりました。

籐真千歳『スワロウテイル人工少女販売処』 (ハヤカワ文庫JA)

スワロウテイル人工少女販売処 (ハヤカワ文庫JA)スワロウテイル人工少女販売処 (ハヤカワ文庫JA)
(2010/06/30)
籘真 千歳

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 久々の更新です(^_^;)
 読む方に忙しくて更新が遅れました。この『スワロウテイル』も読み終えてからだいぶ経ってしまいました…。
 では感想です。

評価(☆5が満点)
☆4.5

あらすじ(シリーズ一巻目のもの:『スワロウテイル/人口少女販売処』)
 『種のアポトーシス』の蔓延により、関東湾の男女別自治区に隔離された感染者は、人間を模して造られた人工妖精(フィギュア)と生活している。
 その一体である揚羽(あげは)は、死んだ人工妖精の心を読む力を使い、自警団の曽田陽平(そだようへい)と共に連続殺人犯「傘持ち(アンブレラ)」を追っていた。被害者の全員が子宮を持つ男性という不可解な事件は、自治区の存亡を左右する謀略へと発展し、その渦中で揚羽は身に余る決断を迫られる。

感想
 ぜひとも一読をお勧めします。 SFが苦手な方も是非。

 個人的には、とても面白く読めました。
 本自体は以前から知っていたのですが、何故か触手が伸びていなかったのです。が、気にはなっていたので今回試しに買ってみるかということで購入したんですが、大当たりでした。

 「SF」としての背骨である舞台設定、世界設定が好みでした。
 いいですよね、人工知性。
 人工的に生み出された第三の性、男性と女性の間にあり、人間の友となる人工知性体。
 人工妖精:フィギュアのそんな設定が好きです。
 アンドロイドやガイノイドのような従来の人間の下僕的な、それこそロボットのような人工知性体とは違うところに魅力を感じます。あ、もちろん人間の下僕的なアンドロイドたちばかりではないでしょう。
 『イヴの時間』のような人工知性でしょうか?でもこちらはこちらで、人間に従属的なものもいたし…。

 
 もちろんキャラクターも魅力的で、文句無しです。
 主人公の揚羽も、鏡子もいいですねぇ。
 揚羽は無邪気な部分と大人な部分のアンバランスさがすばらしい。それでいて、少女らしさも失っていないところが上手だなと思いました。
 鏡子は、イイ年した大人なんですが、子供っぽい部分がありますね。個人的には、彼女のニヒリズム的な思考傾向が結構好きでした。毒を吐いてるのに嫌味がない感じ。
 あ、男性である曽田さんはシリーズを通して出てきますが、別にどうでもいいですw

 この後、シリーズを通して揚羽の成長物語が語られていきます。
 と同時に、「人間とは何か」、「人間らしさとは何か」といったテーマもえがかれています。人に似せて人に作られた生命、人工妖精、彼女たちによって人間を見るという視点です。
 彼女たち、人間の友人たるべくして作られた存在に人間はどのように映るのか?そうしたところも考えながら読むと面白いのではないでしょうか。

 何時も難点を書く管理人ですが(^_^;)、今作は値段が高いことぐらいですw 一冊1000円です。
 
 もう少しシリーズを見てみたいお話でした。
 個人的には鏡子さんの過去話、椛子閣下の誕生話など過去編を見てみたいですねぇ。
 語られなかった部分の話を作品化してくださると、とても嬉しいです(^_^)

スワロウテイル/幼形成熟の終わり (ハヤカワ文庫JA)スワロウテイル/幼形成熟の終わり (ハヤカワ文庫JA)
(2011/09/22)
籘真 千歳

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スワロウテイル序章/人工処女受胎 (ハヤカワ文庫JA)スワロウテイル序章/人工処女受胎 (ハヤカワ文庫JA)
(2012/09/07)
籘真 千歳

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スワロウテイル/初夜の果実を接ぐもの (ハヤカワ文庫JA)スワロウテイル/初夜の果実を接ぐもの (ハヤカワ文庫JA)
(2013/07/24)
籘真 千歳

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別シリーズになるこちらもどうぞ。こちらがデビュー作だそうです。こちらは全身ギタイの女の子のお話です。
【θ/シータ】 11番ホームの妖精: 鏡仕掛けの乙女たち (ハヤカワ文庫JA)【θ/シータ】 11番ホームの妖精: 鏡仕掛けの乙女たち (ハヤカワ文庫JA)
(2014/07/10)
籐真 千歳

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プロフィール

ゆーいち

Author:ゆーいち
ゆーいちです。

このブログでは特にジャンルを絞らず、自分が読んだ作品の感想を書いていこうと思います。
記事中の作品についての評価は、おススメ度と見てください。

出来るだけ週一程度のペースで更新していきたいと思います。

よろしくお願いいますm(- -)m

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