慶野由志『つくも神は青春をもてなさんと欲す』 (スーパーダッシュ文庫)

つくも神は青春をもてなさんと欲す (スーパーダッシュ文庫)つくも神は青春をもてなさんと欲す (スーパーダッシュ文庫)
(2013/11/22)
慶野 由志

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※※ライトノベルです
 長いタイトル系ラノベ。
 ジャンルは、癒し系でしたw

評価(☆5が満点)
☆4

あらすじ
 骨董品店に生まれて、物の修理が得意な主人公、物部惣一(もののべそういち)。彼はある日気になるクラスメイトでどこか陰のある少女、月野原鞘音(つきのはらさやね)が呪いにも似た力に悩まされていることを知る。
 彼女を救いたいけれどどうしたらいいのか悩んでいる時に、世界中を飛び回っている祖父から小包が届く。その小包の中には茶釜が入っており、「箱から出して」と言葉を話す。祖父から届けられた茶釜は、付喪神(つくもがみ)とよばれる存在だった。
 人かたをとった茶釜の精に「つくも」と名付けた惣一は、つくもと一緒に悩みを抱える鞘音を救うために動き出す。

感想
 ほんのりでき、楽しむこともできる良作でした。
 ヒロイン(?)のつくもは、本来の姿が茶釜ということもあり、茶道の心得「おもてなし」を基本にしています。おもてなしの心によって、周囲の人間や他の付喪神たちを癒して、救っていきます。
 またつくも自体の性格も裏表がなく、素直で、明るい性格なのもあって、作品全体もやさしい雰囲気になっています。

 主人公の惣一くんは、物の修理が得意です。というか「在るべきかたちになっていないものが気に入らない」性格が影響して、「在るべき姿に戻す」ために修理をしている感じです。常に修理道具を持ち歩いている変人。
 十月十日(とつきとおか)というふざけた名前の友人(男)は、端的に変人。授業中におっぱい談義を始めるくらいには変人。
 紙漉粋華(かみすきすいか)という少女は、ボクっ子で巫女。明るくてノリ良し。
 ヒロインの月野原鞘音は、不幸体質で影を背負った巨乳女子。

 とまぁ、主だった所のキャラを見てもこの通り、濃いですw
 これらのキャラが絡んでのドタバタ劇が基本なのですが、テンポもよく、読ませてくれます。ちょくちょくあるネタもちゃんとしていて、彼らのやり取りに笑わせてもらえます。


 付喪神にはそれぞれ元になった器物に応じて、「つくも能力」と呼ばれている力が設定されています。つくもは茶釜なので茶道のおもてなし精神、といった具合です。
 とはいえ、異能バトルの要素はほぼありません。そもそもバトルものではないので、購入の際はその辺を注意してください。

 登場する付喪神は元になった器物がみな有名どころですので、その点でも楽しめるかもしれません。ただそれらも、まさか数百年後に美少女キャラとして登場するとは思わなかったでしょうがw
 つくもは、誰もが聞いたことがある有名な茶釜です。
 二巻で登場の比良(ひら)も茶釜ですが、こちらも知る人ぞ知る茶釜ですw爆発です。
 この比良の元の器物こそ、本当に400年以上たってからツンデレツインテール娘にされるとは思ってもみなかったことでしょうwww
 彼らの元が何なのかを推理するのも楽しいかもしれません。

 難点というか、苦言が一点あります。
 時々ですが、挿絵のクオリティが少々残念な時があります。表紙絵が素晴らしいだけに、残念です。

 ちなみに二巻の表紙の子が、比良ちゃんです。
つくも神は青春をもてなさんと欲す 2 (集英社スーパーダッシュ文庫)つくも神は青春をもてなさんと欲す 2 (集英社スーパーダッシュ文庫)
(2014/03/25)
慶野 由志

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桜井光 『殺戮のマトリクスエッジ』 (ガガガ文庫)

殺戮のマトリクスエッジ (ガガガ文庫)殺戮のマトリクスエッジ (ガガガ文庫)
(2013/11/19)
桜井 光

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※ライトノベルです
 何の気なしに手に取ってみた作品。イラストは『東京レイブンズ』のすみ兵さんでした。そのせいかも…。

評価(☆5が満点)
☆3

あらすじ
 20XX年、東京湾上に建設された都市、トーキョー・ルルイエ。この都市には闇にまぎれて人間を襲い、電脳を食べる怪物「ホラー」が存在する。
 主人公、小城ソーマは「ホラー」を狩ることを仕事にしている「ライダー」だった。ソーマはその中でも特別なライダー、ソロのライダーだった。人間の身体能力を圧倒するホラーには、通常複数人でチームを組んで対処するのがセオリーの中、ソーマは誰とも組まずに仕事をこなしていた。
 いつもと同じホラー狩りの時、ソーマは不思議な少女と出会う。彼女はなぜかソーマを気に入り、懐いてきた。基本的な個人情報が公開されている都市内にあって、名前以外の情報が一切不明な謎の少女「ククリ」。彼女との出会いが、ソーマを都市内における陰謀に巻き込んでいく。

感想
 サイバーパンクだそうです。
 が、かと言って『攻殻機動隊』や『ブレードランナー』など程ぶっ飛んではいません。大人し目なサイバーパンク。
 電脳、サイボーグ、機械化、量子コンピューターなどなど基本的要素は揃っています。

 主人公、小城ソーマは、学校では目立たない学生、しかし本職は凄腕のハッカーであり戦士でもあるという、よくあるタイプの主人公です。まぁ、そんな主人公が謎めいた少女と出会ったらお話が始まらない訳がないという、そんな展開ですw
 「オレ強えー」とか「オレは実は…」みたいなキャラクター造詣が好きな人にはおススメできます。が、そうではない人には最早、食傷気味な主人公君でした。


 また話全体として、一巻目から続巻前提の話作りになっていて少々不親切です。そこかしこで伏線を張りつつも全く回収せず、「次巻以降に期待してください」とばかりに投げっぱなしです(ちなみに一応続巻である2巻も4月末に出てます)。
 こうした形のものは止めた方がいいと個人的には思うのですが…。 
 「試しに買ってみようかな」と思って購入する人間には不親切極まりないですし。話自体のまとまりも無くなると思うのですが。未完成の作品を見せられている気にもなりますし。大きな全体の物語の一部であったとしても、一巻一巻はそれぞれ独立した物語として成立させるべきでしょう。


 もう一点、サイバー感もパンク感もそこまでありません。
 高度な電子化の一方の退廃、都市とスラム、犯罪。こうした要素が薄いです。綺麗な都市上層部と地下層、表通りと裏通りみたいなものはありますが、都市全体の描写が少ないせいでサイバー感は少ないです。
 またネット空間でのクラッキングバトルの描写が残念でした。『攻殻』の電脳戦のイメージなのでしょうがショボイ。


 帯に某きのこさんが推薦文書いていて、「重厚、冷淡、しかれど可憐」とか書いてましたが、嘘ですw
 世界観の広がりは感じますが、重厚とは言い難い。「冷淡しかれど可憐」は何を指してるのか不明です。ククリか?

 
 『攻殻機動隊』のようなものを期待して購入されるのはよした方がいいと思います。
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ゆーいち

Author:ゆーいち
ゆーいちです。

このブログでは特にジャンルを絞らず、自分が読んだ作品の感想を書いていこうと思います。
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出来るだけ週一程度のペースで更新していきたいと思います。

よろしくお願いいますm(- -)m

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