野村美月 『“藤壺” ヒカルが地球にいたころ⑩』(ファミ通文庫)

“藤壺“藤壺
(2014/04/28)
野村美月

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 ライトノベルです。好きな作家さんの最新作。
 タイトルからわかるように『源氏物語』の要素をストーリーに取り込んだ作品になっています。この十巻でシリーズ完結になっています。

評価(☆5が満点)
☆4.5

あらすじ
 恋多き学園のアイドル、帝門ヒカル(みかどひかる)が突然死んだ。そのヒカルの幽霊が、どういう訳か目つきが悪く悪名高い、赤城是光(あかぎこれみつ)の元に現れた。
「心残りがあるんだ」。
 そう言ったヒカルを成仏させるために是光の奔走が始まる。
 しぶしぶ協力をすることにした是光だが、ヒカルの「心残り」というのは彼が大切にしていた少女たちに纏わることで…。
 「葵」、「夕顔」、「若紫」、「朧月夜」、「末摘花」、「朝顔」、「空蝉」、「花散里」、「六条」、「藤壺」。
 『源氏物語』の各ヒロインに材を採った話が、一巻一人のペースで展開します。

感想
 純粋に面白かったです。
 綺麗に伏線も回収されて、きっちり終わりましたね。始めから十巻構成と言われていましたが、きっちり終わる辺りさすがです。ただもう少し見ていたかったなとも思います(^_^;)

 本作は先にも書いたように『源氏物語』に材をとっていますが、『源氏物語』を詳しく知らずとも十二分に楽しめるように書かれています。
 管理人も『源氏物語』は詳しくありません。葵の上、紫の上、藤壺の女御、六条の御息所ぐらいはさすがに知っていましたが。
 前シリーズの「文学少女シリーズ」でもそうでしたが、材をとった作品の雰囲気を活かした話作りはさすがの一言です。

 「文学少女シリーズ」では、主人公を想うヒロインの一人が幸せにはなれませんでした。
 ですので、今回も是光を想う式部帆夏(しきぶほのか)の想いは届かないのかと心配していました。結果的には心配が的中せずによかったですwww
 キャラの性格も琴吹さん(前述のヒロイン)と似ていたので心配だったので。 

 本シリーズは、各巻毎に一人のヒロインに焦点を当ててストーリーが進んでいきます。そして各ヒロインの話がサブストーリーとして、本筋を彩るという構成になっています。この辺も元の『源氏物語』に沿った構成です。
 徐々に明かされていくヒカルの死に関しての謎、それが最終巻である今作でついに明かされます。ヒカルは殺されたのか。それとも…。

 最後のシーンでは、感動が待っています。
 ヒカルの約束、果たされましたね。エピローグもまたよかったです。
 ヒカルの死という、いわば不幸から始まった今作品ですが、最後に幸せがあってよかったです。

 来月末発売の新シリーズも楽しみです。次回作は吸血鬼ものだそうです。

「ヒカルが地球にいたころ」シリーズ一巻目です。(何故かタイトルが表示されない…)

『葵 ヒカルが地球にいたころ①』

(2011/05/30)
野村 美月

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※前作の「文学少女シリーズ」も名作ですので、是非一読をお勧めします。
 下にはシリーズ前作セットを貼っておきます。
 個人的には『ビブリア古書堂の事件手帖』より断然面白いと思います(>_<)

“文学少女“文学少女
(2011/09/08)
野村 美月

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横槍メンゴ 『クズの本懐(3)』 (ビッグガンガンコミックス)

クズの本懐(3) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐(3) (ビッグガンガンコミックス)
(2014/04/25)
横槍 メンゴ

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 コミックスです。
 表紙絵に惹かれて購入した作品w

評価(☆5が満点)
☆4

あらすじ
 互いに叶わぬ恋に身を焦がし、慰めのために「契約上の恋人」関係を築いている花火と麦。表面上は理想の美男美女カップルでありながら、実体は叶わぬ恋の代償としての仮の関係。互いに愛する人の温もりを相手に重ねて自分を慰める日々。
 花火、麦のそれぞれの恋心、花火の友人絵鳩早苗(えばとさなえ)の想い。純粋ながらも歪んだ恋心は、それぞれの心と体を縛っていく…。

感想
 ちょいエロ青春ストーリーです。
 性的描写がありますので、苦手な方は注意が必要かも。とは言え、直接的な描写はほとんどありませんが。前作『君は淫らな僕の女王』よりは控えめですw

 書名が『クズの本懐』なのですが、話を読んでいてもどこら辺がクズなのか、誰がクズなのか管理人はよく分かりません(^_^;)
 ごく普通の恋愛模様というか、青春模様が展開されているようにしか思えないのですが…。私がおかしいんでしょうか?
 強いて言えば、三巻にて麦の意中の相手の音楽教師がクズいと思いましたw

 作品そのものは登場人物の心理描写もしっかりしていて、あまり突飛な発想などもなく、地に足が付いた作品になっています。恋のもどかしさ、苦しさなどが上手に表現されているのではないでしょうか。
 三巻の帯にあるように、「痛いくらいの『人間らしさ』」を描いた作品ではないでしょうか。もちろん、性的な面も含めてです。

 個人的には絵鳩(えばと)ちゃんを応援しているので、今後も頑張って欲しいと思います!作品内で最も叶わぬ恋をしている彼女ですので、もっと報われてもいいのではないでしょうか?

 絵が少々少女漫画チックですので、絵が苦手な方もいるかも知れません。ですが、絵が上手ですし、話も面白いので一読の価値は十分あると思います。

八重野統摩『犯罪者書館アレクサンドリア 』 (メディアワークス文庫)

犯罪者書館アレクサンドリア ~殺人鬼はパピルスの森にいる~ (メディアワークス文庫)犯罪者書館アレクサンドリア ~殺人鬼はパピルスの森にいる~ (メディアワークス文庫)
(2014/04/25)
八重野統摩

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今月発売のメディアワークス文庫の作品です。
 メディアワークス文庫の作品は気が向いたら時々買っているので、この本もその一環で買いました。書店が舞台という点に惹かれてかった作品でした。

評価(☆5が満点)

☆2

あらすじ
 多額の借金を残して死亡した父親の代わりに借金を返済することになった神田六彦(かんだろくひこ)。借金トラブルからその筋の人間に殺されかけているところを謎の女性、夏目凛(なつめりん)に救われる。
 借金の肩代わりの条件に夏目が提示したのは、彼女が勤める書店「アレクサンドリア」で働くこと。しかしこの「アレクサンドリア」は、裏社会の人間たちが常連として通う犯罪者書館だった。
 さらには最近になって、「アレクサンドリア」の常連客たちが「シャーロック・ホームズ」を名乗る人物によって次々と殺害されているという話を聞き…。


感想
 端的に言って、微妙でした。
 分類をミステリーにしましたが、ミステリーといっていいのかわかりません。

 ミステリー要素も目次や謳い文句で言っている程強くはなく、どちらかというとキャラクターノベルです。犯人、トリックも特にひねりはなく、素直に推理ができます。というか先読みが簡単です。
 結構あっさりと犯人に辿りつけると思うので、ミステリー的な楽しみは薄いです。

 また最もいただけなかったのは、終盤の犯人当ての段階での探偵役の人間による犯人への説得場面ですね。犯人指名後の「説得」は蛇足でしかないと個人的には思うので、余計でした。
 探偵役が役に流された揚句に、青臭い説教を垂れ流すのは止めて欲しかったです。

 サブストーリーにあたる部分はテンポもよく、面白く読めていたので、上述のミステリー部分がイマイチだったのが残念でした。丁寧に面白さを積み上げていたのに、最後の最後で少しズレた感じになっています。

 書店にやって来る客はそれぞれ殺し屋などの犯罪者という設定ですが、この設定に必要性をあまり感じませんでした。一般の、だけどちょっと変わった性格の客ということで十分だったのではないでしょうか。
同様に夏目凛の過去話もまた突飛もなさ過ぎて、現実味が皆無でした。
こうした設定にも違和感を持たざるを得ませんでした。

 ミステリー作品を求めて本作を手にするのはおススメしません。ちょっとした読書に向いた本だと思います。
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ゆーいち

Author:ゆーいち
ゆーいちです。

このブログでは特にジャンルを絞らず、自分が読んだ作品の感想を書いていこうと思います。
記事中の作品についての評価は、おススメ度と見てください。

出来るだけ週一程度のペースで更新していきたいと思います。

よろしくお願いいますm(- -)m

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