野村美月 『“藤壺” ヒカルが地球にいたころ⑩』(ファミ通文庫)

“藤壺“藤壺
(2014/04/28)
野村美月

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 ライトノベルです。好きな作家さんの最新作。
 タイトルからわかるように『源氏物語』の要素をストーリーに取り込んだ作品になっています。この十巻でシリーズ完結になっています。

評価(☆5が満点)
☆4.5

あらすじ
 恋多き学園のアイドル、帝門ヒカル(みかどひかる)が突然死んだ。そのヒカルの幽霊が、どういう訳か目つきが悪く悪名高い、赤城是光(あかぎこれみつ)の元に現れた。
「心残りがあるんだ」。
 そう言ったヒカルを成仏させるために是光の奔走が始まる。
 しぶしぶ協力をすることにした是光だが、ヒカルの「心残り」というのは彼が大切にしていた少女たちに纏わることで…。
 「葵」、「夕顔」、「若紫」、「朧月夜」、「末摘花」、「朝顔」、「空蝉」、「花散里」、「六条」、「藤壺」。
 『源氏物語』の各ヒロインに材を採った話が、一巻一人のペースで展開します。

感想
 純粋に面白かったです。
 綺麗に伏線も回収されて、きっちり終わりましたね。始めから十巻構成と言われていましたが、きっちり終わる辺りさすがです。ただもう少し見ていたかったなとも思います(^_^;)

 本作は先にも書いたように『源氏物語』に材をとっていますが、『源氏物語』を詳しく知らずとも十二分に楽しめるように書かれています。
 管理人も『源氏物語』は詳しくありません。葵の上、紫の上、藤壺の女御、六条の御息所ぐらいはさすがに知っていましたが。
 前シリーズの「文学少女シリーズ」でもそうでしたが、材をとった作品の雰囲気を活かした話作りはさすがの一言です。

 「文学少女シリーズ」では、主人公を想うヒロインの一人が幸せにはなれませんでした。
 ですので、今回も是光を想う式部帆夏(しきぶほのか)の想いは届かないのかと心配していました。結果的には心配が的中せずによかったですwww
 キャラの性格も琴吹さん(前述のヒロイン)と似ていたので心配だったので。 

 本シリーズは、各巻毎に一人のヒロインに焦点を当ててストーリーが進んでいきます。そして各ヒロインの話がサブストーリーとして、本筋を彩るという構成になっています。この辺も元の『源氏物語』に沿った構成です。
 徐々に明かされていくヒカルの死に関しての謎、それが最終巻である今作でついに明かされます。ヒカルは殺されたのか。それとも…。

 最後のシーンでは、感動が待っています。
 ヒカルの約束、果たされましたね。エピローグもまたよかったです。
 ヒカルの死という、いわば不幸から始まった今作品ですが、最後に幸せがあってよかったです。

 来月末発売の新シリーズも楽しみです。次回作は吸血鬼ものだそうです。

「ヒカルが地球にいたころ」シリーズ一巻目です。(何故かタイトルが表示されない…)

『葵 ヒカルが地球にいたころ①』

(2011/05/30)
野村 美月

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※前作の「文学少女シリーズ」も名作ですので、是非一読をお勧めします。
 下にはシリーズ前作セットを貼っておきます。
 個人的には『ビブリア古書堂の事件手帖』より断然面白いと思います(>_<)

“文学少女“文学少女
(2011/09/08)
野村 美月

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横槍メンゴ 『クズの本懐(3)』 (ビッグガンガンコミックス)

クズの本懐(3) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐(3) (ビッグガンガンコミックス)
(2014/04/25)
横槍 メンゴ

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 コミックスです。
 表紙絵に惹かれて購入した作品w

評価(☆5が満点)
☆4

あらすじ
 互いに叶わぬ恋に身を焦がし、慰めのために「契約上の恋人」関係を築いている花火と麦。表面上は理想の美男美女カップルでありながら、実体は叶わぬ恋の代償としての仮の関係。互いに愛する人の温もりを相手に重ねて自分を慰める日々。
 花火、麦のそれぞれの恋心、花火の友人絵鳩早苗(えばとさなえ)の想い。純粋ながらも歪んだ恋心は、それぞれの心と体を縛っていく…。

感想
 ちょいエロ青春ストーリーです。
 性的描写がありますので、苦手な方は注意が必要かも。とは言え、直接的な描写はほとんどありませんが。前作『君は淫らな僕の女王』よりは控えめですw

 書名が『クズの本懐』なのですが、話を読んでいてもどこら辺がクズなのか、誰がクズなのか管理人はよく分かりません(^_^;)
 ごく普通の恋愛模様というか、青春模様が展開されているようにしか思えないのですが…。私がおかしいんでしょうか?
 強いて言えば、三巻にて麦の意中の相手の音楽教師がクズいと思いましたw

 作品そのものは登場人物の心理描写もしっかりしていて、あまり突飛な発想などもなく、地に足が付いた作品になっています。恋のもどかしさ、苦しさなどが上手に表現されているのではないでしょうか。
 三巻の帯にあるように、「痛いくらいの『人間らしさ』」を描いた作品ではないでしょうか。もちろん、性的な面も含めてです。

 個人的には絵鳩(えばと)ちゃんを応援しているので、今後も頑張って欲しいと思います!作品内で最も叶わぬ恋をしている彼女ですので、もっと報われてもいいのではないでしょうか?

 絵が少々少女漫画チックですので、絵が苦手な方もいるかも知れません。ですが、絵が上手ですし、話も面白いので一読の価値は十分あると思います。

八重野統摩『犯罪者書館アレクサンドリア 』 (メディアワークス文庫)

犯罪者書館アレクサンドリア ~殺人鬼はパピルスの森にいる~ (メディアワークス文庫)犯罪者書館アレクサンドリア ~殺人鬼はパピルスの森にいる~ (メディアワークス文庫)
(2014/04/25)
八重野統摩

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今月発売のメディアワークス文庫の作品です。
 メディアワークス文庫の作品は気が向いたら時々買っているので、この本もその一環で買いました。書店が舞台という点に惹かれてかった作品でした。

評価(☆5が満点)

☆2

あらすじ
 多額の借金を残して死亡した父親の代わりに借金を返済することになった神田六彦(かんだろくひこ)。借金トラブルからその筋の人間に殺されかけているところを謎の女性、夏目凛(なつめりん)に救われる。
 借金の肩代わりの条件に夏目が提示したのは、彼女が勤める書店「アレクサンドリア」で働くこと。しかしこの「アレクサンドリア」は、裏社会の人間たちが常連として通う犯罪者書館だった。
 さらには最近になって、「アレクサンドリア」の常連客たちが「シャーロック・ホームズ」を名乗る人物によって次々と殺害されているという話を聞き…。


感想
 端的に言って、微妙でした。
 分類をミステリーにしましたが、ミステリーといっていいのかわかりません。

 ミステリー要素も目次や謳い文句で言っている程強くはなく、どちらかというとキャラクターノベルです。犯人、トリックも特にひねりはなく、素直に推理ができます。というか先読みが簡単です。
 結構あっさりと犯人に辿りつけると思うので、ミステリー的な楽しみは薄いです。

 また最もいただけなかったのは、終盤の犯人当ての段階での探偵役の人間による犯人への説得場面ですね。犯人指名後の「説得」は蛇足でしかないと個人的には思うので、余計でした。
 探偵役が役に流された揚句に、青臭い説教を垂れ流すのは止めて欲しかったです。

 サブストーリーにあたる部分はテンポもよく、面白く読めていたので、上述のミステリー部分がイマイチだったのが残念でした。丁寧に面白さを積み上げていたのに、最後の最後で少しズレた感じになっています。

 書店にやって来る客はそれぞれ殺し屋などの犯罪者という設定ですが、この設定に必要性をあまり感じませんでした。一般の、だけどちょっと変わった性格の客ということで十分だったのではないでしょうか。
同様に夏目凛の過去話もまた突飛もなさ過ぎて、現実味が皆無でした。
こうした設定にも違和感を持たざるを得ませんでした。

 ミステリー作品を求めて本作を手にするのはおススメしません。ちょっとした読書に向いた本だと思います。

あざの耕平 『東京レイヴンズ1 SHAMAN*CLAN』 (富士見ファンタジア文庫)

東京レイヴンズ1  SHAMAN*CLAN (富士見ファンタジア文庫)東京レイヴンズ1 SHAMAN*CLAN (富士見ファンタジア文庫)
(2010/05/20)
あざの 耕平

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※※ライトノベルです※※

 最近読んで面白かったので紹介。
 実は3巻までは、各巻の発売時に買っていたのですがいつの間にか買うのを忘れていた作品(^_^;) んで、去年アニメ化されたのを機に買い直して最新刊まで一気に行きましたw
 アニメ自体も放送されていた昨年秋から冬は忙しくて見れてておらず最近見たので、最新作まで読んだのも最近です。
 では感想です。

評価(☆5が満点)
☆4.0

あらすじ
 陰陽術の祖、安部清明。彼の末裔である土御門夜光が大戦末期に禁呪に失敗。夜光の失敗により東京は霊的に乱れ、「霊災」と呼ばれる霊による災害が頻発するようになった。
 時は下って現代、人々は陰陽術を駆使して霊災を抑えていた。そしてその陰陽術を使うものを、陰陽師〈レイブン〉と呼んだ。


感想
 面白いです!
 
 種別としては現代ファンタジーですかね。現代社会を舞台にしたファンタジー小説です。
 ただ陰陽術というあまり馴染みのないギミックを話の中に組み込んでいるところが、他のファンタジー作品とは違うところですね。野村萬斎さん主演の映画『陰陽師』のアレです。
 もっとも、密教・道教・衆験道などの要素も入っているようなので、厳密な陰陽道ではないようです。とは言っても、元々の陰陽道自体寄せ集めでもあるそうなので違うとも言い難いのかもしれませんが…。

 お話は主人公、土御門春虎(つちみかどはるとら)と彼の幼馴染みの土御門夏目(つちみかどなつめ)の二人を中心に進みます。春虎と夏目は、夏目が土御門本家の人間、春虎が分家の人間という関係でもあります。
 春虎は陰陽師としての才能がなく、一般人として生活をしていたのですが、とある事件をきっかけに陰陽師としての才能を得て陰陽師としての一歩を踏み出すことになります。
 夏目は土御門の次期当主にふさわしい実力を持ったエリートです。また「しきたり」によって、女の子でありながら男子の格好をしている男装女子です。

 また夏目には、過去東京に霊災をもたらした人物である夜光の生まれ変わりであるという噂があり、この噂をめぐって様々な出来事に巻き込まれていくことになります。
 夏目と春虎は序盤で陰陽師育成学校「陰陽塾」に入るのですが、そこで出会った倉橋京子(くらはしきょうこ)、百枝天馬(ももえてんま)、元々の春虎の友人阿刀冬児(あととうじ)、とある事件で知り合った大連寺鈴鹿(だいれんじすずか)らと友情を育むとともに、迫りくる様々な事件に立ち向かっていきます。

 春虎や夏目、友人たちや周辺の人物たちがとても魅力的に描かれていて、物語を盛り上げています。
 特に夏目がいいです。かわいいです。
 何でしょうかあのいじましさ、独占欲。あざといのにあざとさを感じさせない…。おそろしい子w


 作品は9巻までで、第一部が完ということになっています。
 7巻から9巻にかけての疾走感というか、盛り上がりがすごいです。どうなるのかハラハラしながら読み進めました。
 8巻の最後には驚かされましたが、安易にあの展開に持っていった訳ではなく、あざの耕平さんはしっかりと考えた上でのことのようですので、今後第二部でどのように活かされていくのか楽しみです。

 10巻から第二部ということで、主人公が交代しています。
 第一部は春虎を主人公にすることで、陰陽師とは何か、陰陽術とは何か、土御門夜光とは何者かといったことを描き出していたと思います。
 第二部では夏目が主人公になり、第一部で提示された様々な謎の答えが徐々に明らかにされていくようになっています。
 最新刊(11巻)が最近出たばかりですが、早く続きが読みたいです(>_<)
 
 ところで10巻で、春夏秋冬がでそろったのですが何か意味があるのでしょうかね?
 春虎、夏目、秋乃、冬児…。それぞれ四方、四神に対応するとか?もう一人「黄」か「龍」とか付く人が出て、五人で五行で…。とか想像が膨らみますwww

東京レイヴンズ11change:unchange (富士見ファンタジア文庫)東京レイヴンズ11change:unchange (富士見ファンタジア文庫)
(2014/04/19)
あざの 耕平

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東京レイヴンズ 文庫 1-9巻セット (富士見ファンタジア文庫)東京レイヴンズ 文庫 1-9巻セット (富士見ファンタジア文庫)
(2013/03/19)
あざの 耕平

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 アニメの方も原作をしっかりと踏襲していて、面白いですよ。映像でも楽しめます。
 こちらでは、原作9巻の最後まで、つまり第一部の最後までが映像化されています。全部で24話になっています。
 終盤の盛り上がりが最高です!
 ただ原作に追いついているので、アニメの続編はあるにしてもだいぶ後(2,3年後ぐらい?)になりそうですね。

東京レイヴンズ 第1巻 (初回限定版)(書き下ろし文庫小説(東京レイヴンズ lost-girl with cat)+イベント応募券付き) [Blu-ray]東京レイヴンズ 第1巻 (初回限定版)(書き下ろし文庫小説(東京レイヴンズ lost-girl with cat)+イベント応募券付き) [Blu-ray]
(2013/12/25)
ジェネオン ユニバーサル エンターテ

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小野不由美 『黄昏の岸 暁の天 十二国記』 (新潮文庫)

黄昏の岸 暁の天 十二国記 (新潮文庫)黄昏の岸 暁の天 十二国記 (新潮文庫)
(2014/03/28)
小野 不由美

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 今回は小野不由美さんの『十二国記』です。 もはや説明不要の名作ですね。
 とは言え、管理人が読みだしたのは最近のことですのであまり偉そうには語れませんが(^_^;) シリーズの他の作品は読み終わっていたのですが、最近『黄昏の 岸暁の天(そら)』を読み終わりました。
 実は発売日に手に入れてはいたのですが、忘れていました…orz
 そんな訳で感想を書きますw

評価(☆5が満点)
☆4.5

あらすじ
 周囲の人間や環境に違和感を感じつつも普通の女子高生として暮らしていた陽子(ようこ)の前に、「ケイキ」と名乗る人物が突然現れる。彼は陽子の前に跪くと、陽子を異界へと連れ去った。陽子が連れ去られた世界は、それまで暮らしていた世界とは全く異なる異形の獣らが跋扈する異界だった。
 故郷への思いを胸に様々な困難を乗り越えようとする陽子の前に、やがて途轍もなく過酷な運命が提示される。すべては途轍もない「決断」への幕開けにすぎなかった。(シリーズ一作目『月の影 影の海』あらすじ)


感想
 ファンタジーであるはずなのに、圧倒的なリアリティを感じさせる名作です。
 お話自体は異世界ものという一般的な素材ですが、小野さんの筆力によって「生」が吹き込まれています。ゲームやライトノベルのような仮想現実感は、殆ど感じられません。それは小野さんが登場人物たちをしっかり描いているからであって、圧倒的な存在感を持って読んでいる人間に迫ってきます。
 単純な善悪や、勧善懲悪、成功の物語ではなく、迷い悩みながらも自分たちの足で進んでいく「人間」のお話です。

 さて『十二国記』では、各巻毎に主人公となる人物、国が変わります。
 タイトルにもあるように、この世界には十二の国があり、各国には国王が存在します。
 国王となるべき人物は麒麟によって選定され、国家を統治します。麒麟に、ひいては天に選ばれた王は不老不死となり統治を行いますが、「道」を逸れた統治を行うなどした場合天意を失い死亡します。また首をはねられるなどすれば死亡するため、完全な不死ではありません。

 基本的に、シリーズ各作品とも一国の王の即位までの話、ないし即位後の話となっています。ただ一作目の主人公である陽子は、例外的に複数作で主人公となっています(『月の影 影の海』、『風の万里 黎明の空』、『黄昏の岸 暁の天』など)。『黄昏の岸 暁の天』などは李斎が主人公とも言えますが。

 ですので一作目から読んで、陽子が気に入ったのなら陽子が主人公の話を選んで『月の影 影の海』のその後の話を追いかけるということもできます。他方他の国の話を読みたいと思ったのなら、別作品を読む。といった読み方をすることもできます。管理人は陽子を追いかけて読みました(笑)

 また作品ごとの書き方も工夫されていて、ファンタジー、ロードノベル、ミステリー要素を持つものなど様々な演出方法で物語が語られていることも本シリーズの特徴だと言えると思います。

 短編集も含めて多数の作品が出版されている本シリーズですが、個人的なおススメは六作目『図南の翼』です(『魔性の子』を除いて、上・下巻構成のものは一作として数えています)。
 
 この作品は、「恭」という国の話です。主人公となるのが、珠晶という12歳の少女です。恭国では王が倒れて国が乱れているにもかかわらず、大人たちは人任せにして自分が王になろうとはしない。そんな大人たちを見限った珠晶は、自ら王になることを決めて旅に出ます。
 この作品では、この珠晶が王に即位するまでの苦難の旅路を描いたものになっています。

 んで、この珠晶が小気味いい性格をしているのですよ。即断即決というか、空竹を割ったような性格をしていて気分がいい。我儘というか世間知らずでもあるんですが、それを補って余りある魅力的なキャラクターです。
 『図南の翼』もぜひ読んでみてください。

 他の作品や登場人物たちも色々書きたいところですが、長くなりすぎるのでこの辺にします(^_^;)
 それぐらい、この小野不由美さんの『十二国記』は面白い作品だと思います。大人でも十分、いえ、十二分に楽しめるファンタジーだと思います。
 シリーズ内の他の作品も、その内に別記事で紹介するかもしれません。


月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫)月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫)
(2012/06/27)
小野 不由美

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月の影 影の海(下) 十二国記 (新潮文庫)月の影 影の海(下) 十二国記 (新潮文庫)
(2012/06/27)
小野 不由美

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図南の翼 十二国記 (新潮文庫 お 37-59 十二国記)図南の翼 十二国記 (新潮文庫 お 37-59 十二国記)
(2013/09/28)
小野 不由美

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葉月抹茶 『一週間フレンズ。(1)』 (ガンガンコミックスJOKER)

一週間フレンズ。(1) (ガンガンコミックスJOKER)一週間フレンズ。(1) (ガンガンコミックスJOKER)
(2012/06/22)
葉月 抹茶

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 葉月抹茶さんの『一週間フレンズ』の感想です。

 評価(☆5が満点)
 ☆3.5

 あらすじ
 いつも教室でひとりでいるクラスメイトの藤宮香織。そんな彼女が気になる長谷祐樹は、香織に声を掛ける。
 「友達になってください」。
 しかしそんな祐樹に香織は冷たく接する。それでもめげずに声を掛ける祐樹に、香織は自分の記憶が一週間しか持たないことを告げる。一週間後には友達だったことも忘れてしまうのだと。だから友達はいらないと。
 一週間後、祐樹は香織に声を掛ける。「友達になって下さい」。


 感想
 この作品、今期アニメ化されて人気だそうですね。管理人は見ていないのでアニメ版の感想は言えませんが、人気になるのも分かる気がします。
 なにしろ管理人、この作品の表紙に惹かれてかった人間なので(^_^;) 可愛いですよね。

 肝心のお話ですが、記憶喪失ものとなっております。
 一週間ごとに記憶がリセットされるヒロインとの恋愛模様を描いた、青春グラフィティです。記憶喪失となると重い展開になりがちですが、シリアスになりすぎず、程良い真面目さで描きだされています。
 
 主人公の祐樹、ヒロインの香織、この二人がほのぼのした性格をしているのも、作品自体が重くなるのを防いでいます。という、ほのぼのしすぎですw
 彼らの周囲の友人たち、とくに祐樹の友人、桐生将吾(きりゅうしょうご)が、毒を吐きつつもよく祐樹をフォローしていて、すごく良い友人として彼らを支えています。

 全体の流れとしては、一週間で記憶がリセットされてしまう香織と祐樹の恋愛模様を中心にしていますが、一方で友達とは何かということも書かれています。
 記憶があるから、覚えているから友達なのか。それとも消えない絆で結ばれた人間が、友人なのか。
 そんなことも考えさせられます。

 4巻からは、香織が記憶喪失の症状を見せるようになる事故前の友人なども登場して話も進んでいきます。まぁこの友人が男なので、祐樹がやきもきしたリして彼らの恋模様にも一波乱あります。
 将吾にもなにやら起こりそうですが、どうなるでしょうか。しかし将吾のあいて、見た目が幼女なので並ぶと犯罪臭がすごいです…。

 最後に。この作品は本の構成が特徴的になっています。
 大抵の場合、各話の前半は4コマ構成で話が展開されます。後半になって通常の漫画と同じ紙面構成になります。
 こうした特徴がありますので、慣れない内は違和感がすごいと思います。管理人はそうでした(^_^;)

 今後、作品がどの様な展開になっていくのかに期待して☆3.5です。

 ちなみに『一週間フレンズ』は、現在5巻まで刊行されています。

一週間フレンズ。 (5) (ガンガンコミックスJOKER)一週間フレンズ。 (5) (ガンガンコミックスJOKER)
(2014/03/22)
葉月 抹茶

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石田スイ 『東京喰種トーキョーグール 11』 (ヤングジャンプコミックス)

東京喰種トーキョーグール 11 (ヤングジャンプコミックス)東京喰種トーキョーグール 11 (ヤングジャンプコミックス)
(2014/04/18)
石田 スイ

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石田スイ『東京グール 11』の感想です。

 評価(☆5が満点)
 ☆3.5

 あらすじ
 嘉納捜索編完結です。
 前回<アオギリ〉のグール鯱(しゃち)との激闘の果て、とうとう嘉納発見に成功したカネキ。しかし突然の四方(よも)の乱入により、嘉納とともに探していたリゼは四方に連れ去られてしまう。
 鯱との戦闘に敗れ、「弱さ」を突きつけられたカネキは狂気に身を委ねていく。狂気の果てにカネキの赫子(かぐね)に変化が現れ、「半覚者」となる。
 しかし同時に嘉納の隠れ家に潜入したCCG捜査官たちとの戦闘も始まる。特等捜査官篠原との死闘の果てにあるものは…。


 感想
 待ってました最新刊。
 今回の見どころは、なんと言っても篠原さんとの決闘でしょうね。特等捜査官との直接対決、それも梟(ふくろう)と戦ったことのある篠原さんとです。
 いやぁ~、YJ本誌掲載時もワクワクしながら見ていましたが、単行本でじっくり見られるのを楽しみにしてました。

 カネキくん、強いですねぇ。戦闘能力は、もはや有象無象を寄せ付けないのではないでしょうか。
 ただ鯱さんが指摘しているように、頑なさが心配ですね。
 頑なさは強いですが、折れた時にもろいですから…。
 そして篠原さんも言ってましたが、カネキくんのイカレ具合もいい感じです。人間としての弱さ、グールとしての狂気・強さを兼ね備えるようになって来た感じです。

 他の見どころとしては、亜門・アキラ組ですかね。二人の関係も見ものです。結構近づいてきているんじゃないでしょうか。
 酔いつぶれたアキラを自宅まで送り届けたものの、アキラの介抱で帰るに帰れなくなった亜門さんが、「女子と一緒の部屋で寝る訳にはいかん」的な考え方からベランダで一夜を明かした時は笑えました(笑)しかも一晩中腕立て伏せするとかwww
 CCGといえば他にも、異色の捜査官鈴屋什造(すずやじゅうぞう)に迫る過去編も見所です。

 あとはおバカなグール、ナキがいいですね。本作は全体的にシリアス目ですが、ナキが良い息抜きしてくれます。
 「孤独で泣くよりゃ痛くて泣く方が何倍もマシなんだよ!!」は、彼の名言(ガチな方)です。

 管理人はトーカちゃんが大好きなのですが、最近はあまり出番がなくて寂しい限りです。彼女にもっと出番を!
 本編最新話では、舞台は20区の「あんていく」になるようなのでトーカちゃんの出番も増えるかも。ただ「梟討伐戦」なので、どうなるでしょうか。

 あと『東京グール』は7月からアニメ化されるそうです。おめでとうございます!今から期待(>_<)

末次由紀 『ちはやふる(24)』 (Be・Loveコミックス)

ちはやふる(24) (Be・Loveコミックス)ちはやふる(24) (Be・Loveコミックス)
(2014/04/11)
末次 由紀

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 末次由紀さんの『ちはやふる』の感想です。

 評価(☆5が満点)
 ☆3.5


 あらすじ
 かるたの最高峰、名人戦・クィーン戦開幕。
 念願の名人位への挑戦権を手にしたちはやの師匠、原田先生。ついに原田先生の名人位への挑戦が始まる。
 一方、現クィーン若宮志暢(わかみやしのぶ)にも挑戦者である元クィーン猪熊遥の挑戦が。

 盤石かと思われた現名人周防久志、クィーン若宮志暢の防衛。
 しかし勝負の行方は予想外の方向へ進み出し…。


 感想
 はじまりましたね、名人・クィーン戦。
 熱い原田先生の熱いかるたが見られますw 挑戦者決定戦での原田先生の戦いは、白熱しましたね。新くんにも買って欲しいし、原田先生に勝って欲しい。そんな名勝負が展開されてました。
 もう一方のクィーン戦の方も、挑戦者はちはやちゃんと戦ったこともある元クィーンの猪熊さんということもあって、どちらを応援して良いやら。

 ただ今回は現名人である周防さんが、謎の行動を見せております。
 やる気があるのかないのかわからない。試合を悪戯に伸ばそうとしているかのような振る舞いを見せる。さらには試合の合間に頻繁に電話連絡をする。こうした不審な行動が目につきます。
 
 誰かのために頑張る人たちの熱い戦いを見ることが今回もできます。
 少女漫画とは思えない、少年漫画のような熱い展開が楽しめます(笑)少女漫画だと思って敬遠していた方々にも是非読んでもらいたい作品です。
 恋愛要素:熱血が2:8ぐらいの割合ですので、べたべたした恋愛模様が苦手な人にもおススメです。

 かるたや百人一首の知識がなくても十二分に楽しめるよう計算されてお話が作られていますので、管理人のようなこの分野の知識がない人間にも楽しめます。一巻から読めば十分、かるたに関しての知識も身に付きます。

 あと本編とは関係ありませんが、巻末の4コマ漫画も毎回楽しませてくれます。
 こうしたちょっとしたお遊び要素も少年漫画チックです。

青山剛昌 『名探偵コナン 83』 と劇場版感想

名探偵コナン 83 (少年サンデーコミックス)名探偵コナン 83 (少年サンデーコミックス)
(2014/04/18)
青山 剛昌

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 今回は、『名探偵コナン』最新刊と新劇場版の紹介です。

 評価(☆5が満点)
 ☆3(原作漫画83巻)
 ☆4(劇場版『異次元の狙撃主』)

 83巻のあらすじ
 83巻に収録されている話は次の通り。
 ・「赤女 解決編」
 ・「恋愛小説家編」
 ・「麻薬取引編」
 ・「水色の想い出 (過去)」
 以上の4編になっています。最初の「赤女編」は、前巻の82巻からの続きで、今回で解決しています。「恋愛小説家編」、「麻薬取引編」は短編です。「水色の想い出編」は事件が発生した段階で終わり、次巻に続いています。


 感想
 今回は、世良さんが活躍していたので個人的にはよかったですね。
 「赤女」でのお風呂場でのトリックは、少々無理があるのではないかと思いますが(^_^;) 死体の隠し方とか、唐突な想定外の人物の登場とか…。
 「恋愛小説家」は、作中作のトリックが個人的には綺麗で好きです。後味が悪い系。
 「麻薬取引」は、普通です。服部が出てきたので期待しましたが、彼らのイチャツキぶりを見る回でした。
 「水色の想い出」は感想なしです。


 劇場版『異次元の狙撃主』感想
 先日(4/19土)に公開された劇場版を見てきました。公開初日に劇場に行くという熱心さ(笑)
 世良さんの劇場版初登場作でした。
 先にも書きましたが、個人的には世良さんが好きなので活躍してくれているとうれしいのです。ですが、劇場版では途中退場となってしまい残念でした(T口T)
 
 ストーリーとしては、シンプルで無理のない話の展開でしたかね。トンデモ展開も少なかったです。
 一軒の狙撃事件を皮切りに、日米をまたにかけた事件の連鎖が始まります。
 この事件は復讐なのか、無差別殺人なのか…。
 犯人が現場に残していくダイスの意味とは。
 謎が謎を呼ぶ展開で、二時間程の長丁場も飽きずに楽しめました。
 話の内容も難しすぎず、子どもも大人も楽しめるものになっているかと思います。
 
 

 ※※以下多少のネタバレを含みます※※
 よろしいでしょうか?

 トリックに関係する部分ですが、二次元のものを三次元で把握することが重要になります。が、この点を持って「異次元」と言われても納得が難しいです。
 個人的には、不可能な射撃を実行するから「異次元」なのかと思っていましたので。例えば、狙撃不可能地点からの狙撃を成功させる犯人とか。

 あとは原作でも明言されていなかった「あの人」に関する情報が明らかになります!!
 よくよく確認してみると、それぞれの登場に矛盾するところがないことに驚きと感心します。青山剛昌スゲーw
 誰の何のことなのかは、劇場にて確認してください。

 『異次元の狙撃主』おもしろかったです。
 今週末は原作漫画と劇場版、金曜ロードショウとコナン尽くしでしたね。

地本草子 『路地裏テアトロ』 (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)

路地裏テアトロ (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)路地裏テアトロ (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)
(2014/04/03)
地本草子

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※※ライトノベルです※※
 おもしろそうだと思って買った本です。読み終えたので感想。

 あらすじ
 斜に構えた性格で、何かに熱心になることがない大学生、斎藤三郎太(さいとうさぶろうた)。ある日、大学の同級生に強引に連れ出されていかれた映画館〈テアトロ座〉で、受け付けにいた少女蒔村夏姫(まきむらなつき)に一目惚れをする。
 その日から映画にほとんど興味がなかった三郎太は、夏姫に近づくためにテアトロ座でアルバイトとして働き始める。夏姫に近づくことが目的のアルバイトだったが、夏姫の映画へのひたむきな思いや彼女の祖父五郎の思いなどを知ることで、三郎太の気持ちも変わっていく。
 しかしそんな中、三郎太はテアトロ座が抱える問題に直面することに…。


 評価(☆5が満点)
 ☆2.5

 感想
 表紙とあらすじに釣られて購入した本です。普通のボーイミーツガールものです。映画という要素がそこに味付けしているので、そういった意味では少し特殊かもしれません。

 見どころとしては、映画館の裏側や映画業界の現状などの映画裏話がおもしろいです。
 
 が、言ってしまえばそれだけということもできるかなと思いました。
 「場末の寂れた個人経営の映画館が経営難に陥っている。経営者の孫の夏姫は映画館に愛着があり、映画も好きなのでどうにかしたい。主人公の三郎太はそんな夏姫を手助けしたい(下心もアリで)。しかし最終的には周りの人たちの手助けもあって、当面の危機はどうにかなりました。」
 こんな感じにまとめられるかと。

 映画館の裏側を描いているのはいいのですが、そのことに偏り過ぎで、それ以外のことの描写が少なかったのがもったいないかなと思いました。最後の場面の盛り上がりに欠けるのはそのせいかもしれません。
 映画館の周辺の人々がどうしてテアトロ座に再び行こうと思うようになったのか。そうした人と映画の関係の話がもうすこしあっても良かったのではないかと思います。

 本作の話の展開は、映画『ニューシネマパラダイス』に大筋で沿っているようです。
 「ようです」というのも、管理人はこの映画を見たことがないので(^_^;) ただ本書後半で触れられる『ニューシネマパラダイス』のあらすじを見ると、類似点が見られました。

 ただ結末がご都合主義的で、言ってみれば「あるべきところに納まった」感のあるものなので、普通の感想しか持てませんでした。もちろん奇を衒った結末がいいと言っている訳ではありませんが、もう少し工夫して欲しかったです。終盤のアレコレがネックではないでしょうか…。 

 あと主人公の言行に少しイライラしました。斜に構えている性格とかですかね。
 主人公は「ちょっとした事にもすぐ気付ける」と地の文で紹介されながら、人の気持ちの機微には鈍感という矛盾した特徴を持つ青年です。

 管理人が読んだ同様の映画館小説としては、関口尚さんの『シグナル』があります。こちらは一般書籍です。 
 管理人的には、『シグナル』の方がおもしろかったです。ひきこもりの映写技師でヒロインのルカが、ミステリアスな魅力を発揮しています。こちらはおススメです( ..)φメモメモ

シグナル (幻冬舎文庫)シグナル (幻冬舎文庫)
(2010/10/08)
関口 尚

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周木律 『眼球堂の殺人 ~The Book~』 (講談社ノベルス)

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社ノベルス)眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社ノベルス)
(2013/04/04)
周木 律

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 今回の紹介は、周木律さんの『眼球堂の殺人』です。第47回『メフィスト』賞受賞作。
 この本、別な本を探しに立ち寄った書店でたまたま出会った本だったりします。オビの森博嗣さんの推薦文に惹かれてかった本です(^_^;) 
 管理人、森博嗣さんの作品が好きなのです。おススメはすべてがFになる THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)です。というか「SMシリーズ」が好きです。
 とまぁ、オビに惹かれてかった本ですが、面白かったので紹介を。


 あらすじ
 天才建築家である驫木煬(とどろきよう)は、自身の設計した「眼球堂」に各界の天才と呼ばれる人々を招待する。その中に「放浪の数学者」十和田只人(とわだただひと)も含まれていた。そして彼を追うルポライター陸奥藍子(むつあいこ)、彼らを待っていたのは奇妙な建築と「建築こそが至高」と公言する狂気に憑かれた驫木だった。
 驫木と招待客の間に不穏な空気が流れる中、驫木の変死体が発見される。しかしそれは、この奇妙な館「眼球堂」で起こる惨劇の始まりに過ぎなかった…。

 評価
 ☆4

 感想
 本書の帯には森さんのコメントとして「懐かしく思い出した。本格ミステリの潔さを」とありますが、潔さを感じましたw奇想天外すぎたり、ご都合主義的だったりすることはなく、素直な推理小説だと思いました。

 ミステリーの系統としては、綾辻行人さんの「館シリーズ」に通じるものがありました。トリックに関わることでもあるのであまり触れませんが、オビコメントをした森さんよりも綾辻さんの方に近いと思いました。
 森さんとの近しさで言うと、主人公十和田只人が数学者であることでしょうか。いわゆる「理系ミステリー」の系統でしょうか。もう一点上げると、著者周木律さんが「某国立大学建築学科卒業」(本書掲載情報)であり、森さんも建築学科の准教授だと言うことでしょうか…。もしかしたら師弟関係だったりするのかもしれませんね。

 トリックなどにも無理がなく、理詰めで到達できる結論になっていたと思います。が、事件の犠牲者が淡々と亡くなっているような印象を受けました。本書のトリックなどにより仕方のない面もありますが、あっさりしすぎな気がしました。
 ただ本書の面白さを損なうほどのものではありませんので、そこまで気にする必要もないかと思います。
 先にも触れましたが、本書は綾辻行人さんの「館シリーズ」と似ているので、綾辻さんの作品がお好きな人には一読をお勧めします。

 また本書には数学の話も当然出てきますが、話の本筋・本質にはからんできませんので安心して読んでください。実際文系人間の管理人も無理なく読めました(>_<)
 どちらかというと続編の『双孔堂の殺人』(講談社ノベルズ)の方が、数学用語が出てきます。
 管理人は文系人間なので、理系の話は真新しくその点でも興味深く読むことができました。同じく理系ミステリーとしては、喜多喜久さんの作品も好きですね。『ラブケミストリー』、『猫色ケミストリー』、『リプレイ2.14』など。
 
 只今続編の『双孔堂の殺人』を読書中ですが、三作目の『五覚堂の殺人』も楽しみです。


双孔堂の殺人 ~Double Torus~ (講談社ノベルス)双孔堂の殺人 ~Double Torus~ (講談社ノベルス)
(2013/08/07)
周木 律

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五覚堂の殺人 ~Burning Ship~ (講談社ノベルス)五覚堂の殺人 ~Burning Ship~ (講談社ノベルス)
(2014/02/06)
周木 律

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櫛木理宇 『ホーンテッド・キャンパス 恋する終末論者』 (角川ホラー文庫)

ホーンテッド・キャンパス 恋する終末論者 (角川ホラー文庫)ホーンテッド・キャンパス 恋する終末論者 (角川ホラー文庫)
(2014/02/25)
櫛木 理宇

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 今回紹介する本は、櫛木理宇さんの『ホーンテッドキャンパス』です。
 刊行は角川ホラー文庫となっていますが、ホラー要素は殆どないと言っていいほどですので苦手な方にもおススメです。

 あらすじ
 霊感を持つ大学生の森司(しんじ)は、サークル仲間で高校時代からの知り合い、こよみに片思い中。
 森司とこよみが所属しているのは、雪越大学オカルト研究会。このサークルには、心霊現象と思われるトラブルに悩まされている学生たちからの相談を受け付けている。
 大学祭が間近に迫ったある日、森司は参加した飲み会で高校時代の同級生、果那と再会する。彼女のストーカートラブル解決のために彼氏役を引き受けた森司は、片思い相手であるこよみも所属するサークル内であらぬ疑いをけけられるピンチに!しかも果那がさらなる相談を持ち込んできて…。


 感想
 このシリーズも五巻目に入りましたね。面白いのでもっと続いて欲しいです。 
 先にも触れましたがホラー要素は薄く、気軽に読める作品になっています。
 ライトノベルのようにも見えますが話の内容はしっかりしていますので、読書の楽しみをちゃんと味わえます。装丁を見て敬遠されていた方、騙されたと思って読んでみることをおススメします!
 
 作品の構成は、一巻目から共通して一話完結の短編集の体裁です。各話でオカルト研究会に持ち込まれる相談事を、サークルメンバーで解決していきます。ただしすべての話が円満解決するのではなく、「救えないものもある」といったどこか冷徹な部分もあります。この辺は香月日輪さんの作品などと似ていますね。

 個人的には「何でもかんでも救える」、「すべての者は救われなければならない」といったお題目は胡散臭く感じるので、こうしたスタンスを採っていない点も個人的に好きな理由です。同様に香月日輪さんの作品も大好きです(^_^)

 登場キャラクターたちもイキイキと動き回っていて、「こんな大学生活を送りたかったなぁ~」と思わせてくれること請け合いです(>_<) 在学生の方々には、ぜひこのようなキャンパスライフを送ってもらいたいですね。
 作品の舞台になってる大学のモデルが地元の大学のようなので、その点でも親近感を感じる作品です。実際の大学にオカルト研究会があるのかは知りませんがw


 今作について感想を述べると、森司くんとこよみちゃんとの恋愛模様に進展が見られたことがよかったですね。ヘタレな森司くんを見ているのも楽しいのですが、今作のように嫉妬しているこよみちゃんを見るのもいいものですw
 個々の話も、オカルトに関する蘊蓄や考察を含めて楽しく読めます。短い中にしっかりと起承転結があり、あまり強引な話の展開もなく、一つの話だけでも十分楽しめます。

 評価は☆4です。
 4月なので、新大学生のみなさんにはキャンパスライフのお伴に『ホーンテッドキャンパス』おススメです。あ、「ホーンテッドマンション」とは何の関係もありませんのであしからず。

ホーンテッド・キャンパス (角川ホラー文庫)ホーンテッド・キャンパス (角川ホラー文庫)
(2012/10/25)
櫛木 理宇

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虎虎 『中二病でも恋がしたい! (3)』 (KAエスマ文庫)

中二病でも恋がしたい!  (3) (KAエスマ文庫)中二病でも恋がしたい! (3) (KAエスマ文庫)
(2014/03/25)
虎虎

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※※ライトノベルです※※

 今回は虎虎さんの『中二病でも恋がしたい』です。作者名は「とらこ」と読むようです。
 この作品はアニメ化されて、大ヒットした作品ですのでご存じの方も多いのではないでしょうか。管理人もアニメ化された作品ということで興味を持って読んでみた口です(^_^;) アニメは数話だけ見ました…。

 今作のあらすじ
 主人公勇太と恋人で中二病の六花(りっか)。ある日二人が一緒に登校すると、いきなり土下座をするを人物が。
 その人物が言うことには「貴方の恋人を私に下さい!!」とのこと。
 動揺する二人がよくよく話を聞くと、その人物、天虹旱(あまにじ ひでり)は一緒に演劇に出演してくれる人間を探しており、六花に目を付けたと言う。彼女の話を聞いた二人は、旱のために演劇に出演することに。
 あの人たちも登場する、文化祭編スタート。


 感想
 「ザ・ライトノベル」な読後感です。良くも悪くもライトな読み応え。
 基本的には、主人公の勇太と彼の彼女の六花の二人の間のお話です。時々周辺の人物が絡んでくるそんな作品。
 まぁ、六花ちゃんのキャラが立っているので飽きずに楽しめます。
 ただこの六花ちゃん、いわゆる中二病なので言動が痛々しいことが多々あります。そこに目をつぶればかわいい子なのですが…。

 『中二病~』は今作が三作目だそうですが、一作目の終盤で主人公と六花ちゃんは付き合ってます。なので基本的にはこの二人のイチャツキぶりなどの恋愛模様を楽しむ作品です。
 前作の二巻目では、勇太くんのかつて仲よくしていた女の子、七宮智音(ななみやさとね)が登場して六花との関係が揺らぐという波乱がありました。
 が、今作ではそんなこともなく、二人の仲を温かい目で見つめる作品となっていますw

 さて、最初にアニメ化という話を書きましたが、アニメ版とは雰囲気は異なるかと思います。
 アニメ版をすべて見ている訳ではないのですが、アニメ版の方はラブコメ要素が強いのに対し、原作は基本的に勇太と六花の二人の関係の中で話が進む感じです。
 
 また、アニメ版のキャラクターたちの何人かは原作には出てきませんでした(過去形の理由はあとで書きます)。
 五月一日くみん先輩は、原作では登場しません。この三巻目からの登場です。
 凸森早苗も原作では登場しません。こちらも今作からの登場です。
 六花のお姉さんは、存在すらしていません。六花の家庭事情などの重い話もありません。

 なのでアニメ版から入ると、その違いにショックを受けるかもしれません。が、面白さは大して変わらないかと思います。
 というより、アニメ版がヒットしたためか作者さんがアニメの要素を原作に逆輸入したのではないかと思います。その結果のくみん先輩と凸森の登場なのではないかと…。でも登場の仕方が少々強引な印象を受けました。
 アニメ化の影響の負の点でしょうか。原作が変わるとか…。
 「極東魔術昼寝結社」も今作の最後で結成されています。

 評価は☆2.5。 キャラ読みと時間つぶしに向いています。

中二病でも恋がしたい! (2)中二病でも恋がしたい! (2)
(2011/12/28)
虎虎

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中二病でも恋がしたい!中二病でも恋がしたい!
(2011/05/15)
虎虎

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鴨志田一 『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』(電撃文庫)

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない (電撃文庫)青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない (電撃文庫)
(2014/04/10)
鴨志田一

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 ラノベです。苦手な方はページをそっ閉じでどうぞ。

 あらすじ
 江ノ電沿線にある高校に通う主人公、梓川咲太はある日立ち寄った図書館でバニーガールに遭遇する。しかもそのバニーガールは自分の高校の有名人の先輩、桜島麻衣だった。
 咲太が麻衣に話を聞くと、麻衣の姿が数日前から周囲の人間に認識されなくなってきたおり、それを確認するために目立つ格好をしていたとのこと。
 その現象に心当たりがあった咲太は麻衣とともに原因を突き止めることに。しかしそんな二人にさらなる困難が降りかかる。


 鴨志田さんの新シリーズだそうです。前作は『さくら荘のペットな彼女』1~10巻。
 前作は途中でやめたのですが、面白そうなお話なので今作を買ってみました。

 いやぁ、予想が外れることがなくてよかったです。
 素直に面白かったです。決してバニーガールに惹かれた訳ではありません(^_^;)
 お話的にはよくあるボーイミーツガールものです。ただし出会い方があらすじに書いたように突拍子もないものですが。
 
 主人公咲太は、過去の事情などから人間不信のひねくれ者。
 ヒロイン麻衣は、元売れっ子芸能人ですこしスレた性格。

 この二人が『麻衣の姿が周囲の人間に認識されなく現象』を追って行くうちに心を通わせていく過程を楽しむ作品です。お互いに素直ではないので、最初の内はすれ違いというか互いを見ているようで見ていない感じです。ニヤニヤできます(^-^)
 
 『麻衣の姿が周囲の人間に認識されなく現象』ですが、作中で理由などが明確にされません。が、謎は謎のままで楽しめる仕上がりでした。作中では「思春期症候群」という都市伝説的な噂と関係があることが匂わされています。
 この都市伝説との関わりがどうなるかによって、今後の作品の面白さが左右されそうですが今作では上手くいっているのではないでしょうか。オカルティックな方向に傾斜するのでもなく、かと言って単なるうわさとして放置している訳でもなく、物語を彩る要素として上手くマッチしていると思います。

 前作『さくら荘~』とは異なりラブコメの要素は多くはありません。が、テンポはよく飽きずに読めます。
 でも「リア充爆発しろ」と言いたくなるような展開ですので、苦手な方は注意を。
 主人公は友達が少ないですが、「青春ブタ野郎」ですのでw
 
 次巻も出るようですので、今回あまり掘り下げられなかった他のキャラたちの活躍にも期待するところです。
 個人的には鴨志田さんの前作よりも好きでした。
 
 今後の展開に期待しつつの、☆4.5です。

岡崎琢磨 『珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは』

珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
(2014/03/24)
岡崎 琢磨

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 今日は岡崎琢磨さんの『珈琲店タレーランの事件簿』です。
 本作は『このミス』大賞2012年度の隠し玉ということで発売された作品の三作目にあたります。
 前二作が連作短編集のような形で話が進んでいましたが、今作は長編です。
 ミステリ作品なので、出来るだけ核心に触れないような記述にします。


 あらすじ
 関西バリスタ大会(架空の大会)に出場することになった、コーヒー店≪タレーラン≫で働くバリスタの切間美星。しかし大会期間中に出場者たちを次々と異物混入事件が襲う。互いを犯人と疑い、疑心暗鬼に陥っていく。
 美星は混入事件を止めるべく、ともに会場入りしていたアオヤマとともに犯人を突き止めるべく奔走することに。
 第二、第三の混入事件が起こる中、次第に明らかになっていく過去大会でのとある事件。過去と現在が結び付き明らかになる事件の真相とは。


 以下感想です。
 先に書きましたが、今作は全二作とは違い長編作品になっています。個人的には前作までのような短編集の形式の方が良かったのではないかと思いました。それでもバリスタ大会期間中の事件ということで、大会の一日目、二日目と区切られていますが。

 全体的にもったいない気がします。
 本編冒頭にバリスタ大会会場の見取り図が掲載されていますが、トリックにはほとんど活用されません。建築物の構造を活かしたトリックを期待させながら、殆ど活用しないとは…。
 肝心のトリック自体も、ご都合主義的なものになっています。事件の計画性と悪質性を追求している割に、行き当たりばったり感が感じられてしまっています。そしてあとから明らかになる情報。 

 一方で、もはや恒例と言っていいコーヒーに関する知識・ウンチクは健在です。コーヒー知識が全くない管理人には真新しい知識ばかりで面白いです。ただ、バリスタ大会の裏側での事件という本書の設定のため、バリスタ大会の雰囲気が非常にギスギスした、悪印象を抱かせるものになっています。そのためか、より一層話に現実味がかけているような印象を受けました。

 まぁ何がいいたいかというと、本作ではミステリ小説というよりは「コーヒー小説」になっているように感じられたということです。「このミス」大賞関連作として出されているので、ミステリー部分にももう少し力が入っていたら面白かったのではないかなと思います。
 このシリーズの第一巻、珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)は、個人的にはお気に入りだったので残念でした。

 次回作は日常の謎を解いて行く形式の短編集を期待したいです。
 星での評価は☆3.5です。


珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
(2012/08/04)
岡崎 琢磨

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珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る (宝島社文庫)珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る (宝島社文庫)
(2013/04/25)
岡崎 琢磨

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宮原るり 『僕らはみんな河合荘 1』 (ヤングキングコミックス)

僕らはみんな河合荘 1 (ヤングキングコミックス)僕らはみんな河合荘 1 (ヤングキングコミックス)
(2011/05/30)
宮原 るり

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 今回はコミックスの紹介です。
 宮原るりさん『僕らはみんな河合荘』を紹介します。

 タイトルにある「河合荘」というのは、主人公の宇佐(うさ)君が下宿することになったアパートの名称です。んで、「河合荘」は「かわいそう」と読んで、お察しの通り「可哀想」とのダブルミーニングになっています。
 
 この作品は、「河合荘」に住んでいる住人たちの日常を描いた残念系下ネタ日常コメディーになっています。
 この「河合荘」の住人はみなさまは基本的に残念です。
 主人公  宇佐君  …変人に好かれる、あだ名「変ショリ」(変人処理班)
 ヒロイン 律ちゃん …表紙の子、読書魔、ぼっち、あだ名「ぼっち先輩」
 住人1  シロさん  …変態、ドM
 住人2  真弓さん  …美人OL(中身はオヤジ)、下ネタ好き、「吸引力の変わらないダメ男掃除機」
 住人3  彩花さん …大学生、トラブルメイカー、驚きのメイク術
 大家   住子さん …大家、律ちゃんの大叔母(祖父の妹)、毒舌

 改めてみると、ヒドイw
 以上に書き出したメインの登場人物の他にも、学校関係者や近所の人たちも巻き込んでのコメディです。
 基本的には河合荘での日常の光景が中心に語られますが、大人しい人間がいないので何かしら騒ぎになります。

 シロさんは、「城崎」からのシロさんです。下の名前は現状(最新刊の5巻の時点)では不明です。
 宇佐くんは、主人公でありながら最新刊まで下の名前が不明でしたw
 
 ギャグは下ネタになることも多いので下ネタが苦手な方には強く勧められませんが、下ネタ抜きでも十二分に面白いです。
 位置付け的にはラブコメでもあるので、宇佐くんと律ちゃんの恋愛模様も楽しめるかと思います。まぁ、残念ならがら、律ちゃんが朴念仁なのであまり進展してませんが。


 コメディとしても楽しめますし、恋愛モノとしても楽しめます。
 どちらかに偏り過ぎることもなくバランスがとれているので、「恋愛モノが苦手」、「下ネタはちょっと」と言った方にも楽しめるかと思います。
 
 現在最新刊5巻が発売中です。またアニメも4月から放送開始しています。

僕らはみんな河合荘 5 (ヤングキングコミックス)僕らはみんな河合荘 5 (ヤングキングコミックス)
(2014/03/26)
宮原 るり

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西尾維新 終物語 (下) (講談社BOX)

終物語 (下) (講談社BOX)終物語 (下) (講談社BOX)
(2014/04/02)
西尾 維新、VOFAN 他

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 西尾維新さんの「物語シリーズ」の最新刊にして最終巻です。まぁ、『続・終物語』が今夏発売予定だそうですので、正確には最終巻ではないようですが、本編の最終巻です。

 内容的には最終巻にふさわしく、様々な伏線を回収してます。最初の『化物語 上』が発売されてから10年だそうですが、早いですね。管理人は『化物語』の原作が売れ出してから買った後発組ですので、『メフィスト』連載時からのファンの方からしたらにわかかもしれませんw

 というか実際のところ、「物語シリーズ」は作者言うところのファーストシーズンで終わっていて良かったのではないかと思ってました(実は今も)。せめて『傷物語』と『猫物語 上・下』ぐらいではないでしょうか。
 その他は結構蛇足というか、くどいというか。
 せっかく『化物語』が一話完結で、各話ともに上手にまとまっていたのでもったいない気がしました。
 まぁ、先にあげたように個々の作品自体は面白いものもありましたが。
 
 実は『終物語』、上巻を読んでみて、続刊は買わずに放棄しようかと思っていました。実際、中巻は読んでいません。
 合わないというか、管理人的には以前のような面白さを感じられませんでした。
 
 が、下巻は本当に本編の最後ということでせっかくなので買ってみました。
 先に触れましたが、この下巻はこれまでの伏線を回収しています。正直「あ~、そんなこともあったねぇ」的なものもありますがw
 収まるところに収まった、そんな読後です。
 帯やシールなどで散々「青春に怪異は憑きものだ」とか「青春」を押し出していただけあって、青春の物語だったということを感じさせられました。
  
 何が正しいのか分からなくて、それでも、間違ってでも一生懸命突き進む。

 そんな登場人物たちの成長の物語でもあったということでしょう。
 これまで友人たちを救い続けてきた阿良々木くんが、やっと自分を救うことができた話でした。というか、彼が初めて自分を受け入れられたという話とも言えます。
 
 「自己の受容物語」としてみると、アイデンティティの確立といった青春モノでもありますね。
 こうしてみると蛇足だと言った、セカンドシーズンの各話も「無駄」=蛇足では無かったということでしょうか?まぁ、終了までのとんでもなく長い前置きだったということでしょうw
 最後に。『終物語』、この一巻で十分じゃね?三分冊するほど内容あったか?あ、いつものことか…。
 
 ☆評価は、☆3.5です。ここまでシリーズを通して追いかけてきた人は、読むといいのではないでしょうか。

綾辻行人 Another

AnotherAnother
(2009/10/30)
綾辻 行人

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 今回は、前回の記事の最後の方で触れた綾辻行人さんの『Another』について書こうと思います。
 ジャンルとしては、学園ホラー+ミステリーです。

 あらすじ
 大学教授である父親の海外赴任に伴って、地方都市である夜見山市の母方の祖父母の元へ移ることになった主人公榊原恒一。それに合わせて地元の中学校へと転入するのだが、やがて彼の在籍するクラスでクラス関係者が次々死ぬという事態が。そしてそこには「三年三組のミサキ」という噂が関係していた。
 クラス関係者の死の真相。
 ミサキとは誰なのか。
 そして死の連鎖を止めることはできるのか。
 これらのクラスを取り巻く謎に、主人公榊原恒一は不思議な雰囲気のクラスメイト見崎鳴とともに挑むことに。
 ミステリアスな謎と正体不明の恐怖に彩られた学園ホラーの名作です。 


 綾辻行人さんの新境地とでも言えばいいんでしょうか。
 「館シリーズ」のような本格ミステリーではない、ホラーとミステリーの融合作品となっています。この点を見れば、先に紹介した霧越邸殺人事件<完全改訂版>(上) (角川文庫)と同系統と見ることもできます。こちらもホラーとミステリーの融合が試みられています。
 ただ『霧越邸殺人事件』ではホラー対ミステリーの比率が、2:8ないし3:7(ホラー2、ミステリー8)程度であるのに対し、『Another』では7:3(ホラー7、ミステリー3)程度と逆転しています。
 さらに、ホラーとミステリーのバランスも上手にとられていて、見事に融合しています。謎が謎を呼ぶ展開に、お話の中に引き込まれていきました。

 この『Another』、色々と書いて魅力を紹介したいところですが、最後の最後で驚きのネタが仕掛けてあるのであまり詳しく紹介できません(^_^;) 
 またこの作品は様々なメディアミックスがなされていて、ここの媒体によって終盤の展開が異なっているという凝った仕掛けがされていました。個人的には原作小説版のものが一番です。
 メディアミックスは、清原紘さんによる漫画版、テレビアニメ版、実写映画版とあります。
 漫画版は清原さんの美麗なイラストによって、さらなる彩りが加えられています(全4巻)。
 Another(1) (角川コミックス・エース)
 「原作小説を読むのはちょっと…」、という方はテレビアニメ版をお勧めします。ただし終盤での展開や、何人かの登場人物の描かれ方が原作とは違います。とは言え、原作ではあまり触れられなかったキャラたちにも陽の目が当っているので、より楽しめるかとも思います。
 Another コンプリートBlu-ray BOX
 実写劇場版は、お勧めしません。橋本愛さん、加藤あいさんを見たいのでしたらどうぞという感じです。それ以外の見どころは皆無です。失敗実写化のいい例です(^_^;) どうしてこうなった…。
 様々な媒体で展開された作品ですので、お好みの媒体で作品に触れて見られると良いのではないでしょうか?

 星による評価をするなら、原作小説、漫画版、アニメ版は☆5です。
 それぞれにそれぞれの良さがあるので楽しめます。実写版は時間とお金がもったいないです。


 同様の学園ミステリーとしては、管理人は恩田陸さんの『六番目の小夜子』が大好きですw
六番目の小夜子 (新潮文庫)六番目の小夜子 (新潮文庫)
(2001/01/30)
恩田 陸

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綾辻行人 霧越邸殺人事件(上) (角川文庫)

霧越邸殺人事件<完全改訂版>(上) (角川文庫)霧越邸殺人事件<完全改訂版>(上) (角川文庫)
(2014/03/25)
綾辻 行人

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霧越邸殺人事件<完全改訂版>(下) (角川文庫)霧越邸殺人事件<完全改訂版>(下) (角川文庫)
(2014/03/25)
綾辻 行人

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 栄えある最初に紹介する本は、綾辻行人さんの『霧越邸殺人事件(上)(下)』(ともに角川書店)です。
理由は最近読了したから、です(^_^;)

 綾辻さんの作品は、十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)から入りました。
以後、他の館シリーズも新装改訂版を読みました。他の本についは追々書くかもしれません。

 『霧越邸殺人事件(上)』のあらすじですが、劇団「暗色天幕」の一行が信州旅行の際に道に迷い、「霧越邸」という建物に辿りついたところから始まります。悪天候に阻まれ、いわゆる「クローズドサークル」と化した館を舞台に連続殺人事件が起こります。次々に殺害されていく劇団員たち。果たして犯人は誰なのか。館内に潜む存在は何なのか。
「見立て殺人」、「クローズドサークル」といった様々なミステリーのガジェットを駆使した、これぞミステリーといった醍醐味が味わえます。
 
 では感想です。ミステリーなので出来るだけネタバレなどしないように書くつもりです。
 実は私、本書の書名は知っていたものの本書については全くの初見でした。ですので、「館シリーズ」と同じような作品かと思って読みはじめました。が、結果としては別系統の作品でした。「館シリーズ」では建物の仕掛けをも含んだトリックが前提として在りますが、本作では館の存在そのものはトリックには関係していないなどの差異があります。なので「館シリーズ」のような仕掛けを期待していると、肩透かしを食らった感じになるかもしれません。
 また「見立て殺人」の道具として作中にとある童謡が登場するのですが、私が無知なために初めて目にしたので戸惑いを覚えました(^_^;) 作者が有名人なので、有名な作品なのでしょうが知りませんでした。
 戸惑ったり、引っかかりを感じたところはそれぐらいでしょうか。
 あっと驚くような大仕掛けのトリックはなくものの、整然と構築された推理で読ませてくれます。犯人の犯行動機に関しては疑問を持つことはありましたが、作品全体の評価を落とすものではないと思います。また綾辻さんがしっかり丁寧に書いてくださっていて、犯人についてはわりと早目に目星が付きました。
 もう少し欲を言えば、物語後半で登場するとある人物の登場はもう少し早めでも良かったのではと思いました。「ロッキングチェアーディテクティブ(揺り椅子探偵)」(いわゆる状況説明からのみで真相を解き明かす探偵のこと)なのですが、それまで物語に絡んでいなかったのに急に登場するので、違和感を感じました。もう少し、物語への参加に説得力があったら良かったのではないかと思います。

 以上をまとめて、作品全体の評価は☆4です(☆5が満点として)。
 綾辻さんの『ANOTHER』から入った読者の方は、戸惑うかもしれませんね。
 ああもう一つ、本書冒頭の献辞「もう一人の中村青司氏に捧ぐ」を読んでくすりとしました。同時期に小野不由美『十二国記 黄昏の岸 暁の天』を買っていたので、下巻末のインタヴューを見て不思議な感じがしましたw


 以降もこのような感じで書いて行こうと思います。
 ご意見、ご要望などありましたらコメントよろしくお願いします。

紹介…

ブログを始めた理由を書こうと思います。

と言っても、大層な理由ではありません。
何か新しいことをしようと思ったことと、どうせならこれまで某SNSで書いていたことをブログ
で書いてみようと思ったからです。

某SNSでは、折に触れてその時読んでいた本の感想を書いて投稿していたので、
ブログでも本の感想をメインにして書いていきたいと思います。

本のジャンルは、特に決めていません。
ただ管理人はノンフィクションや啓発書の類は読みませんので、それらの感想は書けません。
それ以外はわりと幅広く読むので、一般小説・新書からライトノベルや漫画までになるかと思います。


こんな感じでボチボチやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

ちなみに最近読んだ本は、綾辻行人『霧越邸殺人事件〈完全改定版〉上・下』角川文庫です。

初投稿

ブログはじめました。
まだまだわからないことだらけなので、ボチボチやっていきます。

主に読んだ本などの感想を書いて行こうかと思っています。

よろしくお願いします。
プロフィール

ゆーいち

Author:ゆーいち
ゆーいちです。

このブログでは特にジャンルを絞らず、自分が読んだ作品の感想を書いていこうと思います。
記事中の作品についての評価は、おススメ度と見てください。

出来るだけ週一程度のペースで更新していきたいと思います。

よろしくお願いいますm(- -)m

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