相沢沙呼『スキュラ&カリュブディス: 死の口吻』 (新潮文庫nex(ネックス))

スキュラ&カリュブディス: 死の口吻 (新潮文庫nex(ネックス))スキュラ&カリュブディス: 死の口吻 (新潮文庫nex(ネックス))
(2014/09/27)
相沢 沙呼

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 以前紹介だけしていた相沢さんの作品です。
 予定通り出版されたので、購入しました。

評価(☆5が満点)
☆3

あらすじ
 初夏。
 街では少女連続変死事件が相次いでいた。まるでオオカミにでも喰いちぎられたかのような凄惨な死体。同時期に広まったクスリ。恍惚の表情のまま死んでいく少女たち。
 自身も死を願う高校生、此花ねむり(このはなねむり)は、同級生の少女・鈴原楓(すずはらかえで)との出会いをきっかけに事件に興味を持ち始める。
 生と死、エロスとタナトスのその果てに垣間見えるものとは。

感想
 相沢さんの作品は、これが三作目なのですが、読む作品ごとに違う作風を見せてくれていますね。

 『午前零時のサンドリヨン』では青春ミステリ。
 『ココロファインダ』では少女たちの青春群像劇。
 そして今作、『スキュラ&カリュブディス』では伝奇。

 結構作品の幅が広い、作風が広いですが、それぞれがきちんとまとまっていて面白いのはすごいと思います。


 さて、上記した通り、今作は伝奇ものです。
 どうも、伝奇というと「奈須きのこ」を思い出すのですが(^_^;) というか、伝奇ものをあまり読んでいないからですかね?
 本作はその奈須きのこ風(特に『空の境界』)で、ミステリー仕立ての伝奇ものとなっておりました。
 というか、相沢さんはミステリー出身なので自身の分野に引きつけた結果なのかもしれませんね。

 ただ、伝奇ものということで異能者が当然のように存在している世界観となっているので、ミステリーとしての面白さはそこまでありません。
 犯人当てはかろうじて可能かもしれませんが。
 ということで、本作はあくまで伝奇ものとして読まれる方がいいと思います。
 作品は十分に伝奇としての雰囲気を持っているので、楽しめると思います。生と死が混沌と入り混じった作品世界を楽しめるでしょう。


 異能者が登場すると言いましたが、「異能」そのものは作品の背景としてある程度で、表にはそこまで出てきません。ですので、異能バトルものが苦手な方でも読めると思います。
 他方奈須きのこ的なものがお好きな方には物足りないと思います。
 伝奇的世界観を持ったミステリー作品として考えてください。

 相沢沙呼によるラノベな感じですかね?
 というか、このレーベル自体がそんな感じ。
 ラノベ作家による一般書籍であり、文芸作家によるライトノベル。

 次は谷川流『絶望系』です。
※※前回「新作」と紹介しましたが、「レーベル移行で改題の上再販」が正しいようです。
   誤解を招くようなことをしまして申しわけありませんでした。
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