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誉田哲也 『ルージュ ガラスの太陽』 他…

 久しぶりの更新になってしまいました。 
 今回は結構溜まっているので、いつもの評価と若干の本の感想にさせてもらいたいと思います。

新刊
・誉田哲也      『ルージュ ガラスの太陽』       ☆4
・清水朔       『奇譚蒐集録 弔い少女の鎮魂歌』  ☆3.5
・草森紳一      『随筆 本が崩れる』           ☆4
ラノベ・コミックス
・丸戸史明     『冴えない彼女の育て方 FD2』      ☆4
・入間人間     『やがて君になる 佐伯沙弥香について』 ☆4
・末次由紀     『ちはやふる 40』              ☆3.5
・広江礼威     『BLACK LAGOON 11』           ☆4
・濱田浩輔     『はねバド! 14』               ☆4
・アfロ        『MONO 1』                 ☆4

既刊
・太田紫織     『あしたはれたら死のう』       ☆3
・早瀬乱      『レテの支流』             ☆3.5
・貫井徳郎     『追憶のかけら』            ☆4
・――        『天使の屍』              ☆4
・内藤了       『COPY』               ☆3
・養老孟司     『身体巡礼』              ☆4
・パトリシア・コーンウェル   『死体農場』        ☆4
・――        『私刑』                 ☆4
ラノベ
・犬村小六     『やがて恋するヴィヴィ・レイン 1∼7』 ☆4


感想

『奇譚蒐集録』
 南の島に伝わる奇妙な葬送儀礼を調査する民俗学ミステリー
 葬送儀礼にまつわる話はとても面白い。 が、終盤やや唐突に伝奇物風になるのはいかがなものか。そこがなければ最高。

『本が崩れる』
 6万冊に迫るという本との戦いをユーモラスに描くエッセイ。 他には、喫煙・野球少年時代を振り返るエッセイも併録。

『やがて君になる 佐伯沙弥香について』
 コミックス『やがて君になる』公式スピンオフ小説。 本編で少しだけ触れられていた沙弥香の中学時代のエピソード。

『BLACK LAGOON 11』
 フォン編完結。 読んでいるうちにフォンさんが可愛くなってくる。

『MONO』
 『ゆるキャン△』の作者さんによる別作品。 山梨(甲府市周辺)をメインにした女子高生・アウトドアグッズもの。舞台が共通ということで、この巻では『ゆるキャン△』のキャラクターが登場する話・聖地巡りの話も。

『追憶のかけら』
 事故で妻を亡くしたうだつの上がらない大学講師の、逆転を掛けた物故作家の未発表作品についての論文作成と、そこに待ち受けていた思いもよらない悪意を描くサスペンス。
 過去と現在、虚と実が入り混じり、二転三転する展開が見どころ。最後に待ち受けるシーンは感動もの。

『天使の屍』
 中学生の連続自殺事件を追うミステリー。 最愛の息子を亡くした父親の苦悶を描く。 次第に明らかになる事件の全貌と、少年たちの覚悟に脱帽。

『やがて恋するヴィヴィ・レイン 1∼7(完)』
 ブックオフに並んでいたので購入。 『とある飛行士への追憶』から追いかけていた作者さんでしたが、全く別シリーズということで読んでいなかった作品。
 ファンタジー戦記物。全体的な雰囲気は、『とある~』シリーズを踏襲。ある人物のトリックスターというか、道化ぶりが好き。


 今回はこんなところです。
 来月には、小川一水さんの『天冥の標』シリーズの最終巻の上が出ますね。 楽しみです。
 久々にアニメを見ていますが、アニメ版『やがて君になる』、面白いです。 原作の雰囲気そのままに綺麗にアニメ化されていました。 どこまでやるんでしょうか? 生徒会劇の終わりぐらいまでやるんでしょうか。

 それではまた次回ノシ
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澤村伊智 『などらきの首』他感想…

 もうすっかり秋、というか朝晩は冷えて冬間近といった感じですね。 おこたスタンバイしました。

 それでは、今回の分の感想と紹介です。

新刊
・澤村伊智     『などらきの首』       ☆3.5
・櫛木理宇     『ホーンテッド・キャンパス 夏と花火と百物語』   ☆3.5
・森博嗣      『人間のように泣いたのか?』  ☆3.5

ラノベ・コミックス
・葵せきな     『ゲーマーズ! 11 ゲーマーズと初恋マルチエンド』  ☆4
・あざの耕平    『東京レイヴンズ16』       ☆3.5
・青山剛昌     『名探偵コナン 95』        ☆3
・あfろ        『ゆるキャン△ 7』        ☆4
・矢吹健太郎    『ダーリン・イン・ザ・フランキスXX 3』  ☆3
・得能正太郎    『NEW GAME! 8』        ☆3.5

既刊
・北山猛邦   『踊るジョーカー 名探偵音野順の事件簿』  ☆3.5
・神林長平   『宇宙探査機 迷惑一番』   ☆4
・澁澤龍彦   『快楽主義の哲学』       ☆4
・スティーグ・ラーソン  『ミレニアムⅠ ドラゴン・タトゥーの女 上・下』 ☆4
・酒井田寛太郎  『ジャナ研の憂鬱な事件簿 1,2』  ☆3.5


感想

『などらきの首』
 『ぼぎわんが、来る』、『ずうのめ人形』のヒロイン、比嘉姉妹の昔話を中心に据えた短編集。 作中の現在では故人なので、美晴の話も読めたのは面白かった(話の内容はだいぶ悲しいが)。「居酒屋脳髄談義」の「嫌さ」加減もすごい。いい話から、嫌な話まで多岐にわたる短編集。

『ホーンテッド・キャンパス』

 十四巻目。今巻の三話目『金泥の瞳』が面白かった。能面というガジェットが良い。無表情の奥の虚無感がただでさえ割と不気味なのに。 それだけでも時間に裏打ちされた怖さみたいなものがあるかな、と。森司とこよみは、もう告白とかいらないからそのまま行っちゃえばいいんじゃないかな。
 二話目は櫛木版『ぼぎわんが、来る』といった話。

『人間のように泣いたのか?』
 「Wシリーズ」完結。 関係するシリーズ内外の伏線(の様なもの)は、一応回収された模様。 ただ、もう一歩でも二歩でも踏み込んで欲しかったかな、と。若干の物足りなさを感じる。「森博嗣的人間論」を読みたかった。

『ゲーマーズ! 11』

 さんざん迷走・錯綜した恋模様に決着。 結果は分かっていたようなものの、千秋の巻き返しに拍手。裏の方で静かに、アグリたちの方も落着。
 ラブコメには終止符が打たれたものの、本編は今巻で完結ではなく、次巻もある模様。

『東京レイヴンズ16』

 過去編完結。 夜光から続く相馬家との因縁や、東京が零細に見舞われる原因になったという夜光の「泰山府君祭の失敗」の真実が明らかに。次はいよいよというか、とうとう本編の完結でしょうか。
 今巻を読み終えてから、これまでの話を読み返すとより面白いかと(とくにある人物たちのやり取りが)。

『名探偵コナン 95』
 黒ずくめの男たちのボスがついに判明。 意外というか、なんというか。割とぽっと出のモブのイメージでした、あの人w
 それよりも、最近登場した怪しい三人さんのそれぞれの正体の方が気になります、私。

『ゆるきゃん△ 7』

 「なでしこひとりキャンプをする」の巻。 実は世話焼きなりんちゃんが可愛い。 何気になでしこ姉の名前が判明したり。

『ダリフラ3』

 限界を迎えつつあるヒロの体。 キッシングを狙った叫竜の大群による襲撃。ゼロ・ツーへの帰還命令。ピンチですね。
 アニメ本編は観ていないのですが、まだまだ先は長そうなのに刊行ペースがゆっくり過ぎな気がする。

『NEW GAME 8』
 はじめプロデュースによる新作ゲームのキャラコンペ。 青葉・紅葉・ゆん、三つ巴の結果は。 そして、パリではコウとほたるんの邂逅が。

『踊るジョーカー』
 コミカル・ミステリー。おっかなびっくり推理をする小動物系探偵、音野順が可愛い。 コミカルではあるが、その実しっかりした本格ミステリーで、一粒で二度おいしい。

『宇宙探査機 迷惑一番』
 こちらはコミカルなSF。 コメディタッチでありながら、神林SFのエッセンス、「言葉」、「意識」、「機械」が存分に盛り込まれている良作。

『快楽主義の哲学』

 澁澤版『書を捨てよ、町へ出よう』といった感のあるアジテーゼに満ちたエッセイ集。 「幸福な(退屈な)人生など糞くらえ」。
 自分の生き方に対して少し背中を押してもらえるかもしれない本。

『ミレニアム』
 言わずと知れた北欧ミステリーの雄。
 今更ながら読んでみた。 非常に面白い。 40年前の事件を掘り起こすという地味なミステリーかと思いきや、のっけから財界のフィクサーみたいな男が登場したり、パンチの利いたビジュアルのヒロインが出てくる。しかも本書の下地には、現代スウェーデンが抱える問題を据えた社会派ミステリーでもある。どこに連れていかれるのかわからい面白さがある。
 ただ、スウェーデン人の名前に馴染みがなさすぎるせいで、個人名がややこしい。しかも登場人物が非常に多い。が、本書の面白さを損なうほどではないので、ぜひご一読を。

『ジャナ研 1,2』
 前回か前々回かで紹介した、学園ミステリーもの。 やっと発見。 評価・感想は変わらず。


 今回はこれぐらいです。
 『ミレニアム』は、三部作全部購入しました。 2、3は、追々紹介していければと思います。
 
 それではまた次回ノシ

市川哲也 『放課後の名探偵』他感想…

 ご無沙汰しております。 またまた久しぶりの更新となってしまいましたが、よろしくお願いします。
 「新刊」と言いつつ、発売日から日にちが経っているものもありますが、ご了承ください。
 それでは、今回の分の紹介と感想です。

新刊
・市川哲也    『放課後の名探偵』        ☆4
・誉田哲也    『武士道ジェネレーション』    ☆4

ラノベ・コミックス
・鏡貴也原作   『終わりのセラフ 17』       ☆3.5
・中谷鳰      『やがて君になる 6』       ☆4.5
・いみぎむる    『この美術部には問題がある』 ☆4
・赤坂アカ     『かぐや様は告らせたい 11』  ☆4

既刊
・市川哲也    『屋上の名探偵』       ☆4
・三津田信三   『シェルター 終末の殺人』  ☆3
・二階堂黎人   『吸血の家』          ☆4
・――       『悪魔のラビリンス』      ☆3.5
・法月倫太郎   『密閉教室』          ☆3.5
・笠井潔      『サマー・アポカリプス』    ☆3.5
・深町秋生    『果てしなき渇き。』      ☆3
・中山七里    『ヒポクラテスの誓い』     ☆4
・小林泰三    『脳髄工場』           ☆2
・石持浅海    『わたしたちが少女と呼ばれていた頃』  ☆3.5
・篠田真由美   『黒影(かげ)の館』      ☆3.5

・植芝理一    『謎の彼女X 12(完)』

感想

『屋上の名探偵』、『放課後の名探偵』
 「名探偵シリーズ」主人公・蜜柑花子の高校時代を描くスピンオフシリーズの一作目と二作目。 どろどろとした展開もなく、さわやかに日常の謎を追う学園ミステリー短編集。 トリックも謎解きもしっかりしており、楽しめる。

『武士道ジェネレーション』
 武士道シリーズ完結編。 『エイティーン』から6年後の香織と早苗を描く。早苗の結婚や桐谷道場の後継問題など、山あり谷あり、進値は違えど直向きに「武士道」を追う二人の姿が美しい

『終わりのセラフ』
 徐々に明かされる真相。優一郎と第六のラッパ吹きとの激闘篇。

『やがて君になる』
 生徒会劇編。 燈子の念願だった生徒会劇の上演。目的地にたどり着いた燈子に訪れる変化とは。そして侑にも変化が。
 祝TVアニメ化。 放送地域外なのでネット放送で見るしかないか…。

『この美術部には問題がある』

 新キャラ登場。 絶賛片想い中の宇佐美さんだが、なにやら内巻くんに変化があるような。小山内先生の孫準レギュラー化。

『かぐや様は告らせたい』

 次巻以降、急展開を見せそうな予感がするが、スカされそうな気が…。 「柏木さんの彼氏」の名前がついに判明(笑)

『シェルター』
 人類が滅んだ終末において殺人は行われるのか、その理由は何かをテーマにしたミステリー。 クローズドサークルものとしては面白いが、折に触れて描かれるホラー要素は若干浮いているかも。オチも含めてどっちつかずの印象。

『吸血の家』
 谷崎潤一郎的な美人三姉妹が暮らす旧家で起こる殺人事件を追うミステリー。「二階堂蘭子シリーズ」の四作目。過去の事件と現在の事件がリンクする。「足跡なき殺人」をテーマにした力作。

『魔王ラビリンス』

 シリーズものミステリー恒例の悪役登場。魔王ラビリンスによる犯罪劇を追う中編三編を収める。

『密閉教室』

 密室状態の教室で発見されたクラスメイトの死の謎を追うミステリー。話は風呂敷が広がりすぎて胡散臭いが、ミステリー部分は面白い。 昔の学園ミステリーのお堅さというか生徒の背伸び感は何なのか…。主人公が「古野まほろ」(作家・古野まほろの小説に登場する同名の主人公)に似ている。

『サマー・アポカリプス』
 「矢吹駆シリーズ」第二作。 今回の舞台は、南仏ラングドック地方。カタリ派の因縁を窺わせながら行われる連続殺人事件を追う。 個人的には、ミステリー部分よりもカタリ派蘊蓄が面白かった。というか、歴史・哲学議論の方が比重が大きい気が…。
 あと、「名探偵は犯人のもっとも良きパートナー」という皮肉がよくわかる巻。

『果てしなき渇き。』
 失踪した娘を必死になって探す父親の姿を描くサスペンス。 捜索の疾走感と徐々に明らかになる事件の背景は面白い。
 が、主人公である父親のキャラクターが最低・最悪。論理・倫理皆無。不必要なほどの過剰な暴力性。早々から読んでいてうんざりした。映像で見る必要性を感じない(映画化されている)。

『ヒポクラテスの誓い』
 いくつかの中山作品に登場する法医学医・光崎藤次郎を主人公にした法医学ミステリー。 口は悪いが腕は一流の光崎による推理が見もの。各編はほぼ独立しているが、時折見せる光崎の行動の謎が最後に明らかになる仕掛け。

『脳髄工場』
 人間の自由意志を問う表題作だけはまだ良かった。あとは途中で止めた…。

『わたしたちが少女と呼ばれていた頃』
 「碓氷優香シリーズ」。 タイトルの通り、碓氷優香の高校時代の出来事を描いたミステリー。 この頃から「壊れて」というか、他人に興味がなかったことが分かる。とは言え、サイコパスでもソシオパスでもなさそうな不思議なキャラクター。

『黒影の館』
 「建築探偵桜井京介シリーズ」。 謎多き「桜井京介」という人間の背景が語られる。 本書は、シリーズの卓尾を飾る次巻『燔祭の丘』への序章の様な感じで、一つの作品としてのカタルシスはイマイチだった。『燔祭の丘』は未購入なのでまたいつか。 

『謎の彼女X』
 完結巻。 よだれから始まった話ですが、最後までよだれでした(笑) こう書くと汚く感じますが、読んでいると不思議と気にならない面白いラブコメでした。昨今のエロ押しではない、硬派なラブコメですが。


 駆け足になってしまいましたが、今回はこんなところです。
 少しは積読が消化できた気がします。まだまだありますが…。
 来週は、『ゆるキャン 7』が発売なので楽しみです。 

 それではまたノシ

相沢沙呼 『小説の神様』 他感想…

 今回の北海道の地震で被害にあわれた皆様にお見舞いを申し上げます。 一刻も早い日常生活への復帰がなされるよう応援させていただきます。

 それでは今回の分の紹介と感想です。

新刊
・相沢沙呼    『小説の神様 あなたを読む物語 上』    ☆3.5
・彩坂美月    『夏の王国で目覚めない』            ☆3.5
・小松左京    『復活の日』                    ☆4
・月村了衛    『機龍警察 火宅』                ☆4
・森岡浩之    『星界の戦旗Ⅵ 帝国の雷鳴』         ☆4
・紡木椎哉    『きみといたい、朽ち果てるまで』        ☆3.5

ラノベ・コミックス
・あまさきみりと   『キミの忘れかたを教えて』        ☆2.5
・高木敦史      『僕は君に爆弾を仕掛けたい。』     ☆3
・石塚千尋      『ふらいんぐうぃっち 7』          ☆3.5

既刊
・倉知淳         『幻獣遁走曲』                 ☆4
・吉川英梨        『女性秘匿捜査官・原麻希 アゲハ』    ☆2.5
・オマル・ハイヤーム  『ルバイヤート』                 ☆4
・酒井田寛太郎     『ジャナ研の憂鬱な事件簿 3、4』      ☆4


感想

『小説の神様 あなたを読む物語』
 以前刊行された同タイトル小説の続編(サブタイトルの有無で区別)。 今回は「上巻」(下巻は今月20日刊行予定)。
 前作と同じく、「小説を書くこと」、「小説家であること」についてを中心にした話。恐らく現実の業界の裏話というか事情を踏まえたうえでの話は、興味深い。ただし、読者の側を腐している(バカにしている)セリフが多いところが気になる。主人公たちがラノベ・キャラ文庫レーベルの作家という部分もあるのだろうが、ちょっと言い過ぎでは…
 話は変わるが、個人的には「酉乃さんシリーズ」、「マツリカシリーズ」の続きが読みたい。

『夏の王国で目覚めない』

 カルト的人気の作家の未発表作品を巡って展開されるミステリー。
 作品世界の現実が、作品内作品の出来事に次第に浸食されていくのに翻弄される主人公たちの造詣・描写がうまい。またミステリーファンを楽しませる数々の趣向も良かった
 ただ主人公の少女の成長物語としての一面は、イマイチかも。こんな状況に置かれた後は、引き籠りになりそう。

『機龍警察 火宅』

 刊行順に『暗黒市場』が来るのかと最初思っていた。 なぜ『火宅』から(単行本版を読めば納得できるのかな)? 
 今回文庫化された『火宅』は、シリーズの短編小説集。 由起谷や沖津、ライザなど、特捜部の面々を主人公に据えた、個々の活躍が描かれた短編が楽しめる。 短編でも、本編の面白さは健在なので、ファンの人もそうではない人も是非。

『復活の日』(新装版)
 『日本沈没』とならぶ小松左京さんの代表作。 いきなり訪れた人類の滅亡と、僅かに生き残った人々による人間文明の復活への端緒までの道程を描くSF作品。
 キューバ危機など冷戦期の米ソ対立を背景とした世界観などは、若干古めかしさを感じさせるが、細部の瑞々しさは失われていないところが凄い。綿密な取材と作家の技の妙か。 ところで作中の某国のシルヴァーランド大統領が、現在の某大統領に似ているように思えるのは気のせいか…。

『星界の戦旗Ⅵ』
 第二部開幕。 帝都ラクファカール失陥という非常に気になる引きのまま待たされていた本編ですが、ようやく続きが読める
 舞台は前作、『星界の戦旗Ⅴ』のラストから10年後。 いよいよ満を持してのアーヴによる反攻作戦が開始される。幾分戦闘続きの本作ですが、懐かしの登場人物たちのその後を見るのも楽しみの一つ。

『きみといたい、朽ち果てるまで』

 社会からの疎外者の集まる街イタギリを舞台にした、ボーイミーツガールもの。 ホラー小説大賞(優秀賞)受賞作。
 スラムでの過酷な生活と少女との出会いを描く中盤までは面白い。終盤のとある事件の後は、グロテスクなものが好きな人にだけはおススメか。

『キミの忘れかたを教えて』
 表紙買いをして失敗した作品。 昔流行った「携帯小説」風。 既刊作品のタイトルを見てから買うべきだった…。

『僕は君に爆弾を仕掛けたい』
 『“菜々子さん”の戯曲』おススメ)の作家さんの久々のラノベ作品。 かまってちゃんなヒロインとのラブコメ、スクールミステリー。

『ふらいんぐうぃっち 7』
 掲載誌は読んでいないので、かなり久々。 ふんわり・のほほ~んとした世界観が変わっていないので安心。 ちびマンドラゴラたちが可愛い。

『幻獣遁走曲』

 猫丸先輩シリーズの連作ミステリー短編集。
 事件や謎解きも面白いが、なにより主人公猫丸先輩の奇妙奇天烈なキャラクターが面白いこのシリーズ。今回は猫丸先輩が一風変わったアルバイト先で遭遇した5つの事件を描く。

『アゲハ』
 女性を主人公にした警察もの。面白くない感情に任せて突っ走り、かき回したあげく、特段の貢献をしない主人公。続編(!?)のあらすじを見たら「天才捜査官・原麻希が~」と書かれていて驚いた。

『ルバイヤート』

 11世紀のペルシアの詩人オマル・ハイヤームによる四行詩(ルバイヤート)集。 随所にみられる無常観に照らされた詩句が素晴らしい。悲観的ではあるが厭世的ではなく、陰鬱としていない。

『ジャナ研~ 3、4』

 シリアス系学園ミステリーラノベ。 表紙からほんわかミステリー系ラノベを想像していると、裏切られるかも。
 基本的に1話完結の中短編で構成されているので、途中からでも読みやすい。 1、2巻が近所になかったので途中から(既刊4巻)。


 今回はこんなところです。
 誉田哲也『武士道ジェネレーション』が積読になっています。
 今月から来月にかけて、追いかけている作品の新刊が多くてうれしいです。

 それではまたノシ

澤村伊智 『ずうのめ人形』

 お久しぶりです。 お盆を挟んだためか、ずいぶんと久しぶりの更新になってしまい、済みません。
 最近は涼しくなっているので、過ごしやすいですね。

 それでは、今回の分の紹介と感想です。

新刊
・澤村伊智      『ずうのめ人形』        ☆4
・宮内悠介      『アメリカ最後の実験』    ☆4

ラノベ・コミックス
・時雨沢恵一    『GGO 8 セカンドスクワッドジャム(中)』  ☆4
・川上稔       『境界線上のホライゾン Ⅺ(上)』     ☆4
・末次由紀      『ちはやふる 39』              ☆4
・宮原るり      『僕らはみんな河合荘 11(完)      ☆4.5


既刊
・市井豊      『聴き屋の芸術文化祭』        ☆3.5
・今村彩      『少女Aの殺人』             ☆3.5
・有川浩      『空飛ぶ広報室』             ☆4
・柴田よしき    『朝顔はまだ咲かない』         ☆3.5
・桜庭一樹     『荒野』                  ☆4
・伊岡瞬      『代償』                   ☆4
・米澤穂信     『追想五断章』              ☆3.5
・道尾秀介     『ソロモンの犬』              ☆3.5
・中村文則     『去年の冬、きみと別れ』        ☆3.5
・HERO(原作)   『ホリミヤ 1∼12』             ☆4


感想

『ずうのめ人形』
 映画化され、最近盛んに紹介を打っている『ぼぎわんが、来る』(映画タイトルは『来る』)に続く、文庫化。
 今作はよりサスペンスホラーになっており、よりホラー感を楽しめる。 また今作は『リング』を意識した作りがされており、『リング』が好きな人は一層楽しめるのではないかと。 「感染する呪い」に立ち向かうのは、前作に引き続き霊能力者の比嘉真琴とフリーライターの野崎のコンビ。
 前作とは違い、エンタメ感は抑えてあるので、前作が苦手だった方も是非。

『アメリカ最後の実験』
 音楽バトル×ミステリーな作品。 難関音楽学校の入学試験と父親捜し、試験にも影を落とす謎の連続殺人事件。
 終盤に向けて、綺麗にストーリーが収束していく様は流石。 ただ、ジャズという音楽に関してある程度の知識がないと楽しめないかも。 私は知識がないので、音楽理論を語っているくだりはチンプンカンプン。まぁ、そこは枝葉なので気にしなくてもいいかも。

『GGO 8』
 前回、「次回下巻で完結」と書きながら長くなって「中」が出たもよう。
 前回ラストで結託組に入っていたSHINC。 彼女たちの行動の理由の謎が明らかに。SHINCやファイヤーとの決着は次回。

『ホライゾン Ⅺ(上)』
 最終章開幕。
 前回までドンパチやっていたとは思えないほどの羽柴勢の馴染み方。 さすが家族。 ほのぼの団欒からのほのぼの関ヶ原の再現も終わったかと思いきや、最後にまさかの人登場。 次回、いよいよ大詰めとなるヴェストファーレン会議はどうなるのか。


『ちはやふる 39』

 クイーン戦挑戦者決定。 一方もつれる名人戦挑戦者決定戦。 不遇な主人公の一人・太一の見せ場が続く。 
 挑戦者決定戦というか、どっちが千早と付き合うかというノリ。 色々な意味でどちらが勝つのやら

『河合荘 11(完)』

 遂に完結。 おめでとうございます。 本編完結までと、河合荘メンバーのその後の話が収録。
 大学生になった律ちゃんは可愛い。 個人的にはロングの方も好き。 あと、愛美さんが可哀想可愛い。

『聴き屋の芸術文化祭』

 とある芸術大学の文化祭で起きた謎を追うミステリー。 ユーモラスでありながら、毒を含んだ文章が良い。
 キャラクターやその他若干のツッコみどころはあれど、ミステリーとしての出来は良い。

『少女A』
 家庭環境に悩み、「このままでは殺人を犯してしまうかもしれない」という悩みをラジオに投稿した少女。 自身の通う学校に似た家庭環境にある生徒を見つけたものの、該当者は3人。 いったい誰が。
 丁寧に構成された作品。 少女Aは誰かを考えながら読むと楽しめるかも。

『空飛ぶ広報室』
 久々の(?)、有川さんの自衛隊もの。 今回は、航空自衛隊の広報室が舞台。
 作品の舞台の珍しさもさることながら、自衛隊ならではの苦労など、ちょっと違う視点からの話が面白い。取材の丁寧さが窺われる。 3.11の松島(空自の基地がある)の自衛官を描く『あの日の松島』も併録。

『朝顔はまだ咲かない』

 引き籠りになった小夏と彼女の親友・秋、二人が体験した日常の謎を描く、熱くて、イタイ、青春ミステリー。

『荒野』
 今では絶滅したのではないかというくらい、少女然とした少女・荒野(こうや)の、12歳から16歳までの5年間の軌跡を描く
 恋模様あり、家庭トラブルあり。 時にニヤリとしながら、時にはハラハラしながら楽しめる作品。
 甘ったるいわけではないので、表紙を見て遠慮した方も是非(岸田メルさんによる可愛らしい女の子の絵が表紙(新版))。
 
『代償』
 不幸な事故から達也の家に同居するようになった圭介。達也一家は圭介をいびりぬく。長じて弁護士になった圭介のもとに、逮捕された達也から弁護の依頼が届く。しかしそれは仕組まれた罠だった。
 『罪と罰』というか、罪の代償はいかに贖われるべきかをテーマにした法廷サスペンス。 ここまでの心底の悪人がいるのかというぐらいの悪人達也に対峙する、圭介の姿勢に感服。 一気読み注意

『追想五断章』

 依頼主の亡き父が遺した5つの断章を巡るミステリー。 断章を追ううちに明らかになる、依頼主の女性も知らぬ父の姿とは。
 構成が面白い作品。 『氷菓』を思い出した。

『ソロモンの犬』
 知り合いの少年が飼い犬の散歩中、車道に急に飛び出した犬に引きずられたあげく車に引かれて死亡した。彼の死は自己なのか、事件なのか。 少年と知り合いだった友人たちと事件の真相を追う青春ミステリー。
 主人公たちよりキャラ立ちが凄い、わき役間宮教授が面白い(笑) 

『去年の冬、きみと別れ』
 ちょっと前の話題作。 映画化もされたミステリー。 
 作品の作り方が面白い作品。 ただ、作品の肝である部分をどうやって実写映画で処理したのかは気になるところ。 中村さんの作品の中では好きな方の作品。

『ホリミヤ 1∼12』
 HEROさんによる原作コミックス版ではなく、萩原ダイスケさんによるコミカライズ版
 堀さんと宮村君を中心とした、彼らの友人たちによる学園ラブコメ。 主人公カップル以外の登場人物も掘り下げて書かれており、全体としても非常に魅力的。 キャラクターが可愛い。 個人的には、河野さんがお気に入り。
 萩原さん版は、原作本編+おまけ版のエピソードで構成されているもよう。


 今回はこの辺で失礼します。
 いよいよ大詰めの甲子園からも目が離せません。
 月村了衛『機龍警察 火宅』が積読に 、彩坂美月『夏の王国で目覚めない』は読書中です。
 
 それではまた次回。
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ゆーいちです。

このブログでは特にジャンルを絞らず、自分が読んだ作品の感想を書いていこうと思います。
記事中の作品についての評価は、おススメ度と見てください。

出来るだけ週一程度のペースで更新していきたいと思います。

よろしくお願いいますm(- -)m

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