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市川哲也 『放課後の名探偵』他感想…

 ご無沙汰しております。 またまた久しぶりの更新となってしまいましたが、よろしくお願いします。
 「新刊」と言いつつ、発売日から日にちが経っているものもありますが、ご了承ください。
 それでは、今回の分の紹介と感想です。

新刊
・市川哲也    『放課後の名探偵』        ☆4
・誉田哲也    『武士道ジェネレーション』    ☆4

ラノベ・コミックス
・鏡貴也原作   『終わりのセラフ 17』       ☆3.5
・中谷鳰      『やがて君になる 6』       ☆4.5
・いみぎむる    『この美術部には問題がある』 ☆4
・赤坂アカ     『かぐや様は告らせたい 11』  ☆4

既刊
・市川哲也    『屋上の名探偵』       ☆4
・三津田信三   『シェルター 終末の殺人』  ☆3
・二階堂黎人   『吸血の家』          ☆4
・――       『悪魔のラビリンス』      ☆3.5
・法月倫太郎   『密閉教室』          ☆3.5
・笠井潔      『サマー・アポカリプス』    ☆3.5
・深町秋生    『果てしなき渇き。』      ☆3
・中山七里    『ヒポクラテスの誓い』     ☆4
・小林泰三    『脳髄工場』           ☆2
・石持浅海    『わたしたちが少女と呼ばれていた頃』  ☆3.5
・篠田真由美   『黒影(かげ)の館』      ☆3.5

・植芝理一    『謎の彼女X 12(完)』

感想

『屋上の名探偵』、『放課後の名探偵』
 「名探偵シリーズ」主人公・蜜柑花子の高校時代を描くスピンオフシリーズの一作目と二作目。 どろどろとした展開もなく、さわやかに日常の謎を追う学園ミステリー短編集。 トリックも謎解きもしっかりしており、楽しめる。

『武士道ジェネレーション』
 武士道シリーズ完結編。 『エイティーン』から6年後の香織と早苗を描く。早苗の結婚や桐谷道場の後継問題など、山あり谷あり、進値は違えど直向きに「武士道」を追う二人の姿が美しい

『終わりのセラフ』
 徐々に明かされる真相。優一郎と第六のラッパ吹きとの激闘篇。

『やがて君になる』
 生徒会劇編。 燈子の念願だった生徒会劇の上演。目的地にたどり着いた燈子に訪れる変化とは。そして侑にも変化が。
 祝TVアニメ化。 放送地域外なのでネット放送で見るしかないか…。

『この美術部には問題がある』

 新キャラ登場。 絶賛片想い中の宇佐美さんだが、なにやら内巻くんに変化があるような。小山内先生の孫準レギュラー化。

『かぐや様は告らせたい』

 次巻以降、急展開を見せそうな予感がするが、スカされそうな気が…。 「柏木さんの彼氏」の名前がついに判明(笑)

『シェルター』
 人類が滅んだ終末において殺人は行われるのか、その理由は何かをテーマにしたミステリー。 クローズドサークルものとしては面白いが、折に触れて描かれるホラー要素は若干浮いているかも。オチも含めてどっちつかずの印象。

『吸血の家』
 谷崎潤一郎的な美人三姉妹が暮らす旧家で起こる殺人事件を追うミステリー。「二階堂蘭子シリーズ」の四作目。過去の事件と現在の事件がリンクする。「足跡なき殺人」をテーマにした力作。

『魔王ラビリンス』

 シリーズものミステリー恒例の悪役登場。魔王ラビリンスによる犯罪劇を追う中編三編を収める。

『密閉教室』

 密室状態の教室で発見されたクラスメイトの死の謎を追うミステリー。話は風呂敷が広がりすぎて胡散臭いが、ミステリー部分は面白い。 昔の学園ミステリーのお堅さというか生徒の背伸び感は何なのか…。主人公が「古野まほろ」(作家・古野まほろの小説に登場する同名の主人公)に似ている。

『サマー・アポカリプス』
 「矢吹駆シリーズ」第二作。 今回の舞台は、南仏ラングドック地方。カタリ派の因縁を窺わせながら行われる連続殺人事件を追う。 個人的には、ミステリー部分よりもカタリ派蘊蓄が面白かった。というか、歴史・哲学議論の方が比重が大きい気が…。
 あと、「名探偵は犯人のもっとも良きパートナー」という皮肉がよくわかる巻。

『果てしなき渇き。』
 失踪した娘を必死になって探す父親の姿を描くサスペンス。 捜索の疾走感と徐々に明らかになる事件の背景は面白い。
 が、主人公である父親のキャラクターが最低・最悪。論理・倫理皆無。不必要なほどの過剰な暴力性。早々から読んでいてうんざりした。映像で見る必要性を感じない(映画化されている)。

『ヒポクラテスの誓い』
 いくつかの中山作品に登場する法医学医・光崎藤次郎を主人公にした法医学ミステリー。 口は悪いが腕は一流の光崎による推理が見もの。各編はほぼ独立しているが、時折見せる光崎の行動の謎が最後に明らかになる仕掛け。

『脳髄工場』
 人間の自由意志を問う表題作だけはまだ良かった。あとは途中で止めた…。

『わたしたちが少女と呼ばれていた頃』
 「碓氷優香シリーズ」。 タイトルの通り、碓氷優香の高校時代の出来事を描いたミステリー。 この頃から「壊れて」というか、他人に興味がなかったことが分かる。とは言え、サイコパスでもソシオパスでもなさそうな不思議なキャラクター。

『黒影の館』
 「建築探偵桜井京介シリーズ」。 謎多き「桜井京介」という人間の背景が語られる。 本書は、シリーズの卓尾を飾る次巻『燔祭の丘』への序章の様な感じで、一つの作品としてのカタルシスはイマイチだった。『燔祭の丘』は未購入なのでまたいつか。 

『謎の彼女X』
 完結巻。 よだれから始まった話ですが、最後までよだれでした(笑) こう書くと汚く感じますが、読んでいると不思議と気にならない面白いラブコメでした。昨今のエロ押しではない、硬派なラブコメですが。


 駆け足になってしまいましたが、今回はこんなところです。
 少しは積読が消化できた気がします。まだまだありますが…。
 来週は、『ゆるキャン 7』が発売なので楽しみです。 

 それではまたノシ
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相沢沙呼 『小説の神様』 他感想…

 今回の北海道の地震で被害にあわれた皆様にお見舞いを申し上げます。 一刻も早い日常生活への復帰がなされるよう応援させていただきます。

 それでは今回の分の紹介と感想です。

新刊
・相沢沙呼    『小説の神様 あなたを読む物語 上』    ☆3.5
・彩坂美月    『夏の王国で目覚めない』            ☆3.5
・小松左京    『復活の日』                    ☆4
・月村了衛    『機龍警察 火宅』                ☆4
・森岡浩之    『星界の戦旗Ⅵ 帝国の雷鳴』         ☆4
・紡木椎哉    『きみといたい、朽ち果てるまで』        ☆3.5

ラノベ・コミックス
・あまさきみりと   『キミの忘れかたを教えて』        ☆2.5
・高木敦史      『僕は君に爆弾を仕掛けたい。』     ☆3
・石塚千尋      『ふらいんぐうぃっち 7』          ☆3.5

既刊
・倉知淳         『幻獣遁走曲』                 ☆4
・吉川英梨        『女性秘匿捜査官・原麻希 アゲハ』    ☆2.5
・オマル・ハイヤーム  『ルバイヤート』                 ☆4
・酒井田寛太郎     『ジャナ研の憂鬱な事件簿 3、4』      ☆4


感想

『小説の神様 あなたを読む物語』
 以前刊行された同タイトル小説の続編(サブタイトルの有無で区別)。 今回は「上巻」(下巻は今月20日刊行予定)。
 前作と同じく、「小説を書くこと」、「小説家であること」についてを中心にした話。恐らく現実の業界の裏話というか事情を踏まえたうえでの話は、興味深い。ただし、読者の側を腐している(バカにしている)セリフが多いところが気になる。主人公たちがラノベ・キャラ文庫レーベルの作家という部分もあるのだろうが、ちょっと言い過ぎでは…
 話は変わるが、個人的には「酉乃さんシリーズ」、「マツリカシリーズ」の続きが読みたい。

『夏の王国で目覚めない』

 カルト的人気の作家の未発表作品を巡って展開されるミステリー。
 作品世界の現実が、作品内作品の出来事に次第に浸食されていくのに翻弄される主人公たちの造詣・描写がうまい。またミステリーファンを楽しませる数々の趣向も良かった
 ただ主人公の少女の成長物語としての一面は、イマイチかも。こんな状況に置かれた後は、引き籠りになりそう。

『機龍警察 火宅』

 刊行順に『暗黒市場』が来るのかと最初思っていた。 なぜ『火宅』から(単行本版を読めば納得できるのかな)? 
 今回文庫化された『火宅』は、シリーズの短編小説集。 由起谷や沖津、ライザなど、特捜部の面々を主人公に据えた、個々の活躍が描かれた短編が楽しめる。 短編でも、本編の面白さは健在なので、ファンの人もそうではない人も是非。

『復活の日』(新装版)
 『日本沈没』とならぶ小松左京さんの代表作。 いきなり訪れた人類の滅亡と、僅かに生き残った人々による人間文明の復活への端緒までの道程を描くSF作品。
 キューバ危機など冷戦期の米ソ対立を背景とした世界観などは、若干古めかしさを感じさせるが、細部の瑞々しさは失われていないところが凄い。綿密な取材と作家の技の妙か。 ところで作中の某国のシルヴァーランド大統領が、現在の某大統領に似ているように思えるのは気のせいか…。

『星界の戦旗Ⅵ』
 第二部開幕。 帝都ラクファカール失陥という非常に気になる引きのまま待たされていた本編ですが、ようやく続きが読める
 舞台は前作、『星界の戦旗Ⅴ』のラストから10年後。 いよいよ満を持してのアーヴによる反攻作戦が開始される。幾分戦闘続きの本作ですが、懐かしの登場人物たちのその後を見るのも楽しみの一つ。

『きみといたい、朽ち果てるまで』

 社会からの疎外者の集まる街イタギリを舞台にした、ボーイミーツガールもの。 ホラー小説大賞(優秀賞)受賞作。
 スラムでの過酷な生活と少女との出会いを描く中盤までは面白い。終盤のとある事件の後は、グロテスクなものが好きな人にだけはおススメか。

『キミの忘れかたを教えて』
 表紙買いをして失敗した作品。 昔流行った「携帯小説」風。 既刊作品のタイトルを見てから買うべきだった…。

『僕は君に爆弾を仕掛けたい』
 『“菜々子さん”の戯曲』おススメ)の作家さんの久々のラノベ作品。 かまってちゃんなヒロインとのラブコメ、スクールミステリー。

『ふらいんぐうぃっち 7』
 掲載誌は読んでいないので、かなり久々。 ふんわり・のほほ~んとした世界観が変わっていないので安心。 ちびマンドラゴラたちが可愛い。

『幻獣遁走曲』

 猫丸先輩シリーズの連作ミステリー短編集。
 事件や謎解きも面白いが、なにより主人公猫丸先輩の奇妙奇天烈なキャラクターが面白いこのシリーズ。今回は猫丸先輩が一風変わったアルバイト先で遭遇した5つの事件を描く。

『アゲハ』
 女性を主人公にした警察もの。面白くない感情に任せて突っ走り、かき回したあげく、特段の貢献をしない主人公。続編(!?)のあらすじを見たら「天才捜査官・原麻希が~」と書かれていて驚いた。

『ルバイヤート』

 11世紀のペルシアの詩人オマル・ハイヤームによる四行詩(ルバイヤート)集。 随所にみられる無常観に照らされた詩句が素晴らしい。悲観的ではあるが厭世的ではなく、陰鬱としていない。

『ジャナ研~ 3、4』

 シリアス系学園ミステリーラノベ。 表紙からほんわかミステリー系ラノベを想像していると、裏切られるかも。
 基本的に1話完結の中短編で構成されているので、途中からでも読みやすい。 1、2巻が近所になかったので途中から(既刊4巻)。


 今回はこんなところです。
 誉田哲也『武士道ジェネレーション』が積読になっています。
 今月から来月にかけて、追いかけている作品の新刊が多くてうれしいです。

 それではまたノシ

澤村伊智 『ずうのめ人形』

 お久しぶりです。 お盆を挟んだためか、ずいぶんと久しぶりの更新になってしまい、済みません。
 最近は涼しくなっているので、過ごしやすいですね。

 それでは、今回の分の紹介と感想です。

新刊
・澤村伊智      『ずうのめ人形』        ☆4
・宮内悠介      『アメリカ最後の実験』    ☆4

ラノベ・コミックス
・時雨沢恵一    『GGO 8 セカンドスクワッドジャム(中)』  ☆4
・川上稔       『境界線上のホライゾン Ⅺ(上)』     ☆4
・末次由紀      『ちはやふる 39』              ☆4
・宮原るり      『僕らはみんな河合荘 11(完)      ☆4.5


既刊
・市井豊      『聴き屋の芸術文化祭』        ☆3.5
・今村彩      『少女Aの殺人』             ☆3.5
・有川浩      『空飛ぶ広報室』             ☆4
・柴田よしき    『朝顔はまだ咲かない』         ☆3.5
・桜庭一樹     『荒野』                  ☆4
・伊岡瞬      『代償』                   ☆4
・米澤穂信     『追想五断章』              ☆3.5
・道尾秀介     『ソロモンの犬』              ☆3.5
・中村文則     『去年の冬、きみと別れ』        ☆3.5
・HERO(原作)   『ホリミヤ 1∼12』             ☆4


感想

『ずうのめ人形』
 映画化され、最近盛んに紹介を打っている『ぼぎわんが、来る』(映画タイトルは『来る』)に続く、文庫化。
 今作はよりサスペンスホラーになっており、よりホラー感を楽しめる。 また今作は『リング』を意識した作りがされており、『リング』が好きな人は一層楽しめるのではないかと。 「感染する呪い」に立ち向かうのは、前作に引き続き霊能力者の比嘉真琴とフリーライターの野崎のコンビ。
 前作とは違い、エンタメ感は抑えてあるので、前作が苦手だった方も是非。

『アメリカ最後の実験』
 音楽バトル×ミステリーな作品。 難関音楽学校の入学試験と父親捜し、試験にも影を落とす謎の連続殺人事件。
 終盤に向けて、綺麗にストーリーが収束していく様は流石。 ただ、ジャズという音楽に関してある程度の知識がないと楽しめないかも。 私は知識がないので、音楽理論を語っているくだりはチンプンカンプン。まぁ、そこは枝葉なので気にしなくてもいいかも。

『GGO 8』
 前回、「次回下巻で完結」と書きながら長くなって「中」が出たもよう。
 前回ラストで結託組に入っていたSHINC。 彼女たちの行動の理由の謎が明らかに。SHINCやファイヤーとの決着は次回。

『ホライゾン Ⅺ(上)』
 最終章開幕。
 前回までドンパチやっていたとは思えないほどの羽柴勢の馴染み方。 さすが家族。 ほのぼの団欒からのほのぼの関ヶ原の再現も終わったかと思いきや、最後にまさかの人登場。 次回、いよいよ大詰めとなるヴェストファーレン会議はどうなるのか。


『ちはやふる 39』

 クイーン戦挑戦者決定。 一方もつれる名人戦挑戦者決定戦。 不遇な主人公の一人・太一の見せ場が続く。 
 挑戦者決定戦というか、どっちが千早と付き合うかというノリ。 色々な意味でどちらが勝つのやら

『河合荘 11(完)』

 遂に完結。 おめでとうございます。 本編完結までと、河合荘メンバーのその後の話が収録。
 大学生になった律ちゃんは可愛い。 個人的にはロングの方も好き。 あと、愛美さんが可哀想可愛い。

『聴き屋の芸術文化祭』

 とある芸術大学の文化祭で起きた謎を追うミステリー。 ユーモラスでありながら、毒を含んだ文章が良い。
 キャラクターやその他若干のツッコみどころはあれど、ミステリーとしての出来は良い。

『少女A』
 家庭環境に悩み、「このままでは殺人を犯してしまうかもしれない」という悩みをラジオに投稿した少女。 自身の通う学校に似た家庭環境にある生徒を見つけたものの、該当者は3人。 いったい誰が。
 丁寧に構成された作品。 少女Aは誰かを考えながら読むと楽しめるかも。

『空飛ぶ広報室』
 久々の(?)、有川さんの自衛隊もの。 今回は、航空自衛隊の広報室が舞台。
 作品の舞台の珍しさもさることながら、自衛隊ならではの苦労など、ちょっと違う視点からの話が面白い。取材の丁寧さが窺われる。 3.11の松島(空自の基地がある)の自衛官を描く『あの日の松島』も併録。

『朝顔はまだ咲かない』

 引き籠りになった小夏と彼女の親友・秋、二人が体験した日常の謎を描く、熱くて、イタイ、青春ミステリー。

『荒野』
 今では絶滅したのではないかというくらい、少女然とした少女・荒野(こうや)の、12歳から16歳までの5年間の軌跡を描く
 恋模様あり、家庭トラブルあり。 時にニヤリとしながら、時にはハラハラしながら楽しめる作品。
 甘ったるいわけではないので、表紙を見て遠慮した方も是非(岸田メルさんによる可愛らしい女の子の絵が表紙(新版))。
 
『代償』
 不幸な事故から達也の家に同居するようになった圭介。達也一家は圭介をいびりぬく。長じて弁護士になった圭介のもとに、逮捕された達也から弁護の依頼が届く。しかしそれは仕組まれた罠だった。
 『罪と罰』というか、罪の代償はいかに贖われるべきかをテーマにした法廷サスペンス。 ここまでの心底の悪人がいるのかというぐらいの悪人達也に対峙する、圭介の姿勢に感服。 一気読み注意

『追想五断章』

 依頼主の亡き父が遺した5つの断章を巡るミステリー。 断章を追ううちに明らかになる、依頼主の女性も知らぬ父の姿とは。
 構成が面白い作品。 『氷菓』を思い出した。

『ソロモンの犬』
 知り合いの少年が飼い犬の散歩中、車道に急に飛び出した犬に引きずられたあげく車に引かれて死亡した。彼の死は自己なのか、事件なのか。 少年と知り合いだった友人たちと事件の真相を追う青春ミステリー。
 主人公たちよりキャラ立ちが凄い、わき役間宮教授が面白い(笑) 

『去年の冬、きみと別れ』
 ちょっと前の話題作。 映画化もされたミステリー。 
 作品の作り方が面白い作品。 ただ、作品の肝である部分をどうやって実写映画で処理したのかは気になるところ。 中村さんの作品の中では好きな方の作品。

『ホリミヤ 1∼12』
 HEROさんによる原作コミックス版ではなく、萩原ダイスケさんによるコミカライズ版
 堀さんと宮村君を中心とした、彼らの友人たちによる学園ラブコメ。 主人公カップル以外の登場人物も掘り下げて書かれており、全体としても非常に魅力的。 キャラクターが可愛い。 個人的には、河野さんがお気に入り。
 萩原さん版は、原作本編+おまけ版のエピソードで構成されているもよう。


 今回はこの辺で失礼します。
 いよいよ大詰めの甲子園からも目が離せません。
 月村了衛『機龍警察 火宅』が積読に 、彩坂美月『夏の王国で目覚めない』は読書中です。
 
 それではまた次回。

宮部みゆき 『過ぎ去りし王国の城』他感想…

 WCに夢中で、読書ペースが落ち、更新が遅くなりました。 そのWCも本日未明、フランスの優勝で終わりましたので、読書に勤しみたいと思います(;^ω^)
 とは言え、暑くて読書向き絵ではない季節になりましたが。 皆様も、熱中症にはお気を付けください。
 
 それでは、今回の分の紹介と感想です。


新刊
・宮部みゆき    『過ぎ去りし王国の城』          ☆3
・原田マハ     『暗幕のゲルニカ』             ☆4
・森博嗣      『天空の矢はどこへ?』           ☆3
コミックス
・濱田浩輔     『はねバド! 13』              ☆4.5
・宮原るり      『僕らはみんな河合荘 10』       ☆4.5

既刊
・北山猛邦      『『瑠璃城』殺人事件』         ☆3.5
・――         『『アリス・ミラー城』殺人事件』    ☆3.5
・北林一光      『ファントム・ピークス』          ☆4
・笠井潔       『バイバイ、エンジェル』         ☆3.5
・鳥飼非宇      『非在』                  ☆3.5
・小路幸也      『札幌アンダーソング 間奏曲』    ☆3
・高城高       『墓標なき墓場』             ☆4
・エメリー・シェップ 『Ker 死神の刻印』           ☆4


感想

『過ぎ去りし王国の城』
 デッサンの古城の中に入り込んでの探索・冒険を通して、自らを再確認し前に進む力を取り戻す現代ファンタジー。 過去作、『ブレイブストーリー』、『英雄の書』などの系統。
 ただし、前述の作品ほどには登場人物たちの必死さ、切実さが薄いような気がする。 その点、イマイチ魅力に欠けた。

『暗幕のゲルニカ』

 今回の主人公は、パブロ・ピカソ。 戦争の悲惨さをショッキングな表現で訴えかける『ゲルニカ』。『ゲルニカ』の強烈な反戦のメッセージと、9.11以後「テロとの戦い」を謳い戦争へと邁進するアメリカ政府の相克を描く。
 前作同様、二つの時間軸を相互に展開することで、作品を織り上げてある。 ゲルニカの制作過程を当時の視点で、「テロとの戦い」に一石を投じようと奮闘するキュレーターを現在の視点で描く。
 『ゲルニカ』誕生までのピカソの葛藤を描く伝記のように読んでも良し、現代アートサスペンスとして読んでも良しの良品。

『天空の矢はどこへ?』
 今回は、ウォーカロンメーカー占拠事件をメインとした話。 占拠事件そのものは大して面白くはないが、キガタの活躍、マガタ博士の思考の後追いの確認が面白い。

『はねバド! 13』
 コニーVs. なぎさ戦決着。 アドレナリン出まくりのコニーがだんだん変態になっていくのを楽しむ巻。
 準決勝編は次回以降。 ラストで知った衝撃の情報(ホントか?)に綾乃がどうするのか、見もの。 
 志波姫唯華メインのスピンオフ小説は気になるものの未購入。アニメも未視聴。

『河合荘 10』
 晴れてお付き合い(仮)を始めた宇佐くんと律ちゃんの、初々しい恋模様をニヤニヤ眺める回。
 そしてとうとう(?)明かされるシロさんの秘密(笑) 再来週刊行の11巻で完結となりますが、どうなることやら。
 以前チラ見した雑誌掲載話でみた大学生Ver.の律っちゃんがめっちゃ可愛い。

『『瑠璃城』殺人事件』

 時間と場所を変え、繰り返される一組の男女の死。 彼らの恋の運命は悲劇から逃れられるのか。
 物理トリックで真っ向勝負なところが清々しい。 前述のストーリー部分の読み応えもあり、面白かった。 最後の図版のあれは、さすがに苦しいのでは…。

『『アリスミラー城』殺人事件』
 同じく「城シリーズ」(シリーズ作品としては三作目。 シリーズ相互の繋がりはほぼない。「城」がテーマ)。 
 『鏡の国のアリス』に材を採ったという不可思議な城、「アリスミラー城」で起こる『そして誰もいなくなった』をモチーフにした連続殺人事件の犯人は?  個人的にはこちらの方が面白かった。

『ファントム・ピークス』
 あらすじから普通のミステリー作品かと思いきや、まさかの展開を見せた作品でした。 あらすじだけだと、まさか『熊嵐』だとは思いもしなかった。
 かのモノとの対峙した時の手に汗握る描写など、真に迫った迫力がありました。苦手でなければ、ぜひご一読を。 「三毛別熊事件」、『熊嵐』でピンと来て、苦手だと思ったら止めた方がいいかもしれない(一応、二つのワードとも検索時は閲覧注意で)。 

『バイバイ、エンジェル』
 パリ、ヴィクトル・ユゴー街で発生した連続殺人事件を、現象学を駆使する矢吹駆が推理する。
 「現象学という耳慣れない学問を駆使する探偵」が気なって購入。あらすじのアオリに、「ヴァンダインを彷彿とさせる重厚な本格推理」を謳ってあるが、確かにそのような感触を持った。非常に緻密に作り上げられていると感じた。
 偽悪的というか、自罰的というか、暗さを抱えた主人公、矢吹が気になるところ。 彼の背景はシリーズを追えば見えてくるか…。

『非在』

 存在が定かではない幻の島を舞台にしたミステリー。 事件現場には後から到着した探偵が推理するという趣向。
 存在しない島の証明と、犯行時の犯人の非在証明(アリバイ)崩しが見どころ。 『樹霊』で登場した観察者再登場。

『札幌アンダーソング』

 シリーズものの二作目(一作目は未読)。 エンタメミステリー作品。 「ちょっとミステリーでも読もうかな」、という気分の時にはいいかも。
 「闇社会のフィクサー」って、流行ったのでしょうか? 『金田一少年の事件簿』の高遠(地獄の傀儡師)のせい?

『墓標なき墓場』(高城高全集 第一巻)
 一隻の船の沈没事件の真相を追う記者の姿を追った、社会派ハードボイルド小説
 非常に面白かった。舞台は昭和30年代の北海道と古めかしいのだが、それがちっとも足を引っ張らない面白さ。
 全集として全国区で再販されてよかった作品(元は個人の地方出版品だそう)。 他の全集(全三巻)も購入しよう。

『Ker』
 幼いころの記憶を失っている検事ヤナ・ベルセリウス。彼女が担当することになった殺人事件の容疑者の首筋に刻まれた文字。自らの首筋にも同じように文字が刻まれていることに不安を感じたヤナは、事件を追うとともに自らの過去に対峙することを決めた。
 とまぁ、設定盛りだくさんの美人検事ヤナ・ベルセリウスが魅力的なミステリー
 現在問題になっている欧米諸国の難民事情。難民問題を取り込んで織りなした社会派ミステリーでもあり、作中のある出来事などは実際に起こっていそうな点で嫌ミスかも。 続編がありそうなので期待。
 因みに、作者さんも超美人(折り返しの写真参考)。


 川上稔『境界線上のホライゾンⅪ 上』は読了していません(分厚いので)ので、今回は省きました。
 それでは、今回はこの辺で失礼します。

感想2…

『中庭の出来事』
 同盟の作中劇『中庭の出来事』を使い、作中の虚実を入り交ぜて織りなした幻惑小説。 虚実が入れ子の様になっているため、頭がぐるぐるとしてきます。 虚実を見極めるとか、そういった推理小説の様な読み方をするものではなく、ごちゃごちゃした頭のまま楽しむべき本

『神のふたつの貌』
 「巧妙な仕掛けを駆使し、”神の沈黙”という壮大なテーマに挑んだ、21世紀の「罪と罰」」(裏表紙のあらすじより)。
 ミステリー作品としても良し、神の愛・救いを求め続けるひとりの人間の魂の記録として読んでも良し、と一度で二度おいしい作品。無痛症の人の人格形成については疑問があるものの(専門的知識があるための疑問ではないが、小説的には割とステレオタイプな処理だと思うが、本当にそういった傾向にあるのかという疑問)、話は面白かった。哲学や神学的な議論も面白い。
 
『探偵宣言』
 ミステリー短編集。 芦部さんの『殺人喜劇の13人』を読もう読もうと思って忘れていたことを思い出したので、とりあえずは目についたこちらから読むことにした次第。
 この短編集も、同じ探偵・森江春策を主人公にしたもの。学生時代、記者時代、弁護士時代、探偵時代と、森江春策が各時期に遭遇した事件を描く。最近の本(この本ではない)はイロモノの様な気がして手を出していなかったが、この本はしっかりした(というと失礼か)舞台で推理が展開されていて、普通に面白かった。

『廃用身』
 「廃用身」は、脳梗塞などの後遺症によるマヒなどで回復の見込みがない四肢のこと。
 介護医療の問題にすごい方向から切り込んだ問題作(良い意味で)。 本書では、介護の際に邪魔になり介護者・被介護者ともに負担になるだけの廃用身を切断し、介護負担を軽くしてはどうかというアイデアを実行に移した医師を主人公にした社会派医療作品
 廃用身という不要な四肢の切除は悪かをテーマにしており、非常に考えさせられる。様々な面で介護が社会問題化している現在だからこその小説(刊行は2003年)。

『記憶屋Ⅱ、Ⅲ』
 タイトルはⅡ、Ⅲとあるが、内容としては『記憶屋Ⅱ 上・下』とした方が分かりやすいかと。
 前作『記憶屋』を読んでいたので、とりあえずシリーズを最後まで読もうと思い購入。今更の購入は、前作があまり好きではなかったため。
 今回は、記憶屋の正体探しがメインに据えられたミステリー仕立て。記憶屋探しパートは面白いが、正論で攻め立てる新聞記者(前作の登場人物?)が煩く、最後に明かされる記憶屋の正体がまた…。

『四人制姉妹百合物帳』
 タイトルそのままの作品。同人作品の文庫化だそう。
 石川さんの『ヴァンパイア・サマータイム』がとても好きだったので、購入してみた次第。結果は……。同人誌のままでよかったのでは。

『湖底のまつり』
 「命を救われ、一夜結ばれた男性は、一月前に死んでいた?」 記憶と現実の齟齬を基調とした、目くるめく幻惑の世界。
 叙述トリックというか、丁寧に積み上げられた伏線が作り上げる見事な創作世界に引き込まれる。ネタを知っては存分に楽しめないであろう作品なので、未読の方は作品の素性をあらすじ以上には調べずに読むことをおススメします。


『櫻子さん~13』
 こちらもとりあえずの続編。 鴻上ちゃんの突然の豹変に戸惑う。が、正太郎への悪罵には全面的に賛同w
 「帰ってきたテディベア」が、最近では一番良かった。出る出る詐欺師が関係ないからか…。
 そういえば、いつだったか実写ドラマ化されたようでしたが、評価とかはどうだったんですかね。

『ランゴリアーズ』
 文春版。「ランゴリアーズ」と、「秘密の窓、秘密の庭」の二編を収録した版。
 「ランゴリアーズ」が思っていたよりも、パニックホラー風味で驚いた。『冷たい校舎の時は止まる』の様な、静かなホラーかと勝手に想像していた。そのうえどんどん登場人物が脱落していく。ダイナとニックの脱落は哀しかった。

『ゆるキャン』
 タイトル通り、女子高校生5人の「ゆる~いキャンプ」生活を描くコミックス
 まったりほのぼのした作風だが、アウトドア知識もしっかりと盛り込まれていて、ためになるかも。また実在のキャンプ場や観光名所なども登場しているので(名称は変更されていたりする)、ちょっとした旅行気分も味わえるかも(主はガチガチのインドア派なので、新鮮味を感じられて楽しめた)。


 今回はこんなところです。
 他には、『謎の彼女X 9∼11』を読みました。残りは入手できず。 謎の可愛さがありますね、卜部には。
 また積読も増えて来たので消化頑張ります(山が出来ている)。

 小野不由美『営繕かるかや怪異譚』と同日発売の、宮部みゆき『過ぎ去りし王国の城』も一緒に購入したのですが、こちらは未読。これから読みます。
 
それではまたノシ。
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ゆーいちです。

このブログでは特にジャンルを絞らず、自分が読んだ作品の感想を書いていこうと思います。
記事中の作品についての評価は、おススメ度と見てください。

出来るだけ週一程度のペースで更新していきたいと思います。

よろしくお願いいますm(- -)m

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